【新世界紀行】バングラデシュが見えてきた #7 旅人のスキル
パスポート紛失
ダッカの空港でパスポート入りのバッグを紛失してしまった。
チェックイン後のベンチの上に置き忘れ､国内線の飛行機にそのまま登場した。
席に座った後に気づき航空会社の人に説明し探して貰ったが見つからなかった。
無情にも時間が来て飛行機は離陸した。
飛行機の高度が上がるにつれて不安が込み上げてきた。私とパスポートの距離が離れる。
私のパスポートはどこに行ってしまったのだろう？
しばらく飛行機から空を眺めて不安に浸った後､おそらくもう返っては来ないだろうと悟った。
今は気持ちの整理ができているから文章が書けているが､心境は気が気でなかった。
パスポートより2年間毎日書いていた大事な手帳も無くしてしまったことの方が、なぜかショックが大きかった。
パスポートは再発行できるが､手帳の内容は同じものはもう書けない。
ぽっかりと心の中に穴が空いた様な感じた。
今まではとにかく手帳に書き留め､色々計画することが楽しみだったが､今はそれが手元にない。
大袈裟かもしれないがどの様に過去を振り返り､未来への計画を立てれば良いのだろう？と途方に暮れている。
しばらくもやもや悩み､出した結論は、これを機に過去に囚われず､2024年から全てを刷新をするということと、大事なことは頭の中に入っているし､心の中に残っているという事だ。
私のパスポートも大切な手帳も覆水盆に返らずで手元には二度と帰ってはこない。
それは古いものだとして捨て、また新しくするしかないのだ。
ちょうど12月31日の年末であった。過去を捨て新しい年に向かうには良い機会であったのだ。
危機に直面して旅人としてのスキルが上がったのだと無理矢理言い聞かせるしかなかった。
大使館は年末年始休暇で閉まっている
打ち手なし。無事帰国できるか不安だ
私の旅に一筋の光は見えるだろうか？
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