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【エッセイ】彼女さん厳しい〜と言いそうになった話

これは私自身が、トップレベルで最低だなと思った話の1つ。

この間、小学六年生に出会ってからの親友が泊まりに来た。中学の時は部活も同じで、ずっと仲が良い。その子には彼氏がいて、彼は幼稚園からの幼なじみで、同じく部活が一緒で今でも連絡を取っている。

そんな2人は、大学に入ってから付き合い出したのだ。両方の友人として嬉しい事だし、凄く微笑ましい気持ちがあった。しかし、そこからどんどんと親友の様子が変わっていった。

一言で言えば彼氏優先にすることが多くなって、今までよりも遊ぶ機会が減ってしまったのだ。だから、今回のお泊まりも楽しみにしていたのだけど、スマホを開けば彼氏とのLINEばかりで少しだけ寂しかった。

そんな彼女から家に来て言われた言葉がちょっとだけ引っかかった。

「彼氏が欲しいシャンプーと君が使ってるの同じで、嫌だったからちょっと言い争いになったんだよね。結局少し妥協して匂いだけ違うやつにしてもらった」

この時初めて、誰に異性関係で嫉妬されたのだ。

「そういえば洗面台に置いてあるヘアジェルも同じなんだよ?ってかティッシュの種類も時計も布団も一緒なの君たち!なんで!?」

流石の私もまじか。と思った。ここまで誰かと所有物が揃うとは思わなかった。そして同時に、ちょっとめんどいなとも感じてしまった。

その時ちょうど親友の彼氏である幼なじみから連絡が来てやり取りをしていた。このモヤモヤを晴らすために、ちょっとした出来心で
「シャンプーもジェルも一緒らしいね」
「なんか布団とか他のものもオソロらしい」
と送ってしまった。

すると向こうの反応は
「仲良いねオレら」
「他に何合わせようかな」
という優しい反応だった。そんな安心しきった彼に、私はついに

「同じシャンプー使うな!なんて、彼女さん厳しいね」
と、送ってしまいそうになった。

漫画やアニメで良く見るセリフ。あざとい女性が、人の彼氏を狙う時に使うこのセリフ。そして、彼女側から嫌われるようなこのセリフを、親友の彼氏に言いそうになった。

もちろんこんなこと言えば2人から嫌われてしまうし、もうこの言葉が頭をよぎってしまった時点でダメなんだと思う。

それがお泊まり初日の出来事で、そこからはずっと心がザワついてる。今でも幼なじみとは連絡をとっていて、別にやましい気持ちは無いのにザワザワ。

とにかく自分の大事な親友カップルに、最低な事を言わずとも思ってしまった事がショックで仕方ない。やっぱり、やましい気持ちが無いと言えば嘘になるかもしれない。中学時代1番仲良かった異性である、幼なじみ。

私と彼が付き合ってると言う噂は、学年を超えて飛び交ってた。何故か知らない先輩にも、後輩にも1度は言われた。

最初は彼女が欲しいという気持ちで付き合った2人。もし、私が先に告白していたら……なんて気持ちも、あったりなかったりした。明言なんかしない。

幼なじみからしたら私は、もう「彼女の親友」という立場なのかもしれない。彼女の誕生日プレゼント選びの相談相手に選んでもらったことを嬉しく思ってしまうチョロ女だからしかたね。

私と彼がもう一度同じ目線で話す事が来る日が来るのを待つなんて、そんな最低なことは出来ないから、せめてこれからも憎いほどに幸せになって欲しい。

ここまで書いてやっぱり私は最低だ。

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