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健康で文化的な無職

 私は今年の7月から無職になった。8年間自衛官を務めて、32歳で依願退職した。
 無職生活も5ヶ月が経過し、色々と知見も溜まってきたので、無職の生活がどのようなものか気になる人に向けて少し書こうと思う。

 特に
 ・これから無職になる人
 ・無職の生活に興味がある人
 ・無職に憧れている人
 に有意義な情報を綴ろうと思う。

 まず無職になって最初に何をしたかというと、旅に出た。ペルーを二ヶ月間一人で巡ったのだ。
 退職して五日後には飛行機に乗り、不味い機内食を食べていた。
 もし大きな金を使ってしたいことがあるのならば、退職後すぐにやった方がいい。役所の手続きより優先すべきだ。多少の不都合には目を瞑り、とにかく始めるべきである。
 なぜなら無職になって日が経てば経つほど、お金の不安が膨張するからだ。
 もし私が、退職してから半年後に旅に出ると設定していたら、行かなかったかもしれない。海外旅行への期待が萎み、お金を沢山失ってまでやることか? という疑念に負けてしまったかもしれない。
 私がペルーへ行った時は、コロナ規制もまだまだあったし、円安が進んでいたし、いくらでも行かない理由があった。今じゃないと言う人も沢山いた。スペイン語をせめて少しは覚えた方がいいのではないかとか迷う気持ちもあった。
 だが最高の出発日和なんてないし、準備万端なんて有り得ないのだ。とにかく一歩を踏み出すのが大事で、退職の勢いがあるうちにスタートを切るのが最善なのだ。
 退職したらしたいことが沢山ある! と空想を語る人は多い。晴れて退職できたならば、そのうちの一番でかいやつをやってみよう。できるだけすぐに。

ペルーの砂漠にて

 さて二ヶ月のペルー旅から帰ってきた。
 私の地元は千葉県だが、札幌にアパートを借りた。
 なぜなら札幌は家賃が日本一安いからだ。私の今のアパートは六畳ほどの1kで家賃18000円だ。管理費込みである。
 一万円代のアパートは他の地域では聞かない。札幌特有の事情で、格安で借りられる部屋が多いようだ。
 かつて大量に建てられた単身用のアパートが、急速な関東圏集中現象で余ってしまっているらしい。
 無職にとって固定費が一番厄介である。その内の最大支出となる家賃が一万円代で済むと、かなり楽である。
 住むなら札幌一択だ。(札幌でなくともせめて地方都市にすることをおすすめする)

 雪の懸念があるかと思うが、車がなければ大丈夫だ。私は自衛官時代も北海道で生活していたのでわかるが、街や道路は自治体が除雪してくれる。
 自家用車があると、朝から駐車場の前の雪をどかし、帰宅する時は車の上の雪を払い、家に着くとまた駐車場の雪を掻かないと入れない、という風に労力が発生するが、徒歩生活者には無縁である。
 地方都市なら車のない不便さも感じないはずだ。私のアパートからは徒歩15分で地下鉄の駅へ行ける。スーパーもある。田舎ではなく地方都市に済む限り車なしは問題にならない。

 灯油については私もまだ冬をアパートで越していないので確定的には言えない。だがガソリンスタンドまで片道800メートル。灯油36リットル(ポリタンク二つ分)を買ってキャリーカートで運んでみたが、余裕の仕事だった。

キャリーカート

 部屋が狭いのでストーブをつけるとすぐに温まるので、こまめに消せば節約できる。
 灯油以外の光熱費についつは全国変わらないだろう。

 インターネットについては今のところ有線は通さず、Wi-Fiもない。SIMフリーのスマホにイオンモバイルのSIMを入れている。動画を見ないならば不都合はない。
 サブスクは大敵なので、アマゾンプライムやオーディブルは解約した。

 食事については三食自炊だ。銘柄のない安い米なら5キロを1000円ちょっとで買える。
 料理は生活の中で、唯一の娯楽であり、かつ生命線だ。炊飯器、ガステーブル、冷蔵庫は必須である。
 ガステーブルは一口ゴトクになるが、鍋で汁物を温めた後一旦どかして、フライパンで炒め物を作れば二品料理ができる。

料理は健康の要

 写真の食事でも一食200円程度で済む。私は朝はパン派なのでホットサンドを作るが、食パンもスーパーで安いやつだと6枚切りが85円から90円で購入できるから、チョコや餡子を挟んでも一食100円を超えない。
 もちろ戦争や円安の影響でまだまだ物価は上がるだろうが、それはその時にまた考えればいい。

チョコとクリームチーズのホットサンド

 肉は高いが、ステルス値上げでスカスカになったお菓子に比べれば良心的である。100円のお菓子は安いようで一瞬でなくなってしまい悲しい。経済的にも精神衛生上的にも、お菓子は買わない方がいいだろう。

 スーパーで買い物するならポイントには気を配ろう。例えばイオン系列のスーパーが近くにあるならWAONは必須である。ポイント二倍の日など、馬鹿にならない。

 家具は最小限にする。ベッドではなく布団がよい。朝起きたら布団を畳む。そうすれば部屋が広く使える。
 椅子はパイプ椅子。折り畳みの机。金はかけない。
 テレビは不要だ。害しかない。NHKの徴収に悩まされる不愉快も省ける。
 テーブルやソファは邪魔になるから買わない方が無難だ。
 洗濯機は必要である。絶対に必要だ。だから部屋を借りる時には、洗濯機が設置できるかどうかを必ず確認すべきだ。
 私は毎日ジョギングするから、洗濯が欠かせないのだ。コインランドリーではお金がいくらあっても足りなくなる。
 ジョギングは健康のために重要だ。特に無職ならば意識的に運動しなければ、あっという間にブヨブヨの身体になるだろう。
 もしあなたにジョギング習慣がないなら、これから始めるべきだ。

毎日運動しよう!

 三食自炊、毎日運動。これは健康的な生活を送る上で外せない要素である。

 文化的な生活は、あなた次第だ。私はスペイン語をデュオリンゴというアプリで毎日勉強している。なにしろ無料なのだ。今のところ76日間連続記録を維持している。

duolingoという語学学習アプリ

 無職になる理由は人それぞれあるだろう。何か別なことをしたくて仕事を辞める者。不本意ながらリストラされた者。学校を卒業したものの就職しなかった者。

 ただ共通しているのは、自由時間が沢山あることだ。
 何か次の活動への移行期間にせよ、目的を見失っているにせよ、自由時間は最大限に活用したいところである。また自由だからこそ、己を律しなければ生活が崩れてしまう。
 その為には自炊と運動習慣はどんな無職者でも取り入れた方がよいだろう。
 また収入ゼロなので支出を減らすのは肝要だ。無職期間中、余計な浪費がなければ、必ずそれは次のステップで有利に働く。

 読んでくれた方々がもし無職になった時に、少しでも参考になれば幸いである。

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