見出し画像

博物館へ行こう#8「行田市郷土博物館」(三市合同企画展「武門の遺産(レガシー)」)

レンタル学芸員のはくらくです。ようやく朝晩は涼しくなったと思ったら、すでに寒いです。秋の花粉にやられています。すでに秋の収穫とそれに伴うお祭りの時期がやってきています。どこかの祭礼を見にいったときには記事にできたらいいなと思っております。

今回来訪した館

名称:行田市郷土博物館
区別:公立・歴史
住所:〒361-0052 埼玉県行田市本丸17番23号
アクセス:JR行田駅東口から市内循環バスを利用「忍城バスターミナル」下車徒歩5分
ウェブサイト:https://www.city.gyoda.lg.jp/soshiki/kyouikubu/kyodohakubutsukan/index.html

前回からの流れでそのまま埼玉県内のミュージアムを回ってきました。行田市は江戸時代には忍と呼ばれた土地で、忍藩の中心地であり、忍城という城が気づかれていました。江戸近郊の城ということで、譜代の大名が統治しており、中でも江戸末期まで藩主を務めていた阿部家は、何人か老中を務めていたはずです。今回訪れた博物館は、そんな藩主の居城であった忍城の跡地にあります。

今回は三方領知替200年を記念した三市合同企画展「武門の遺産(レガシー)」を見学してきました。

三方領知替と忍藩

三方領知替えは、3つの大名家を互いに移封させることを言います。土地ではなく、それぞれが土地を支配する権利(知行)を替えるため、「領地」ではなく「領知」替えだそうです。忍藩が関係したのは、文政6年(1823年)のときの領知替えです。忍藩阿部家と桑名藩松平家、白河藩松平家の三家が関わるものでした。その縁から行田市(忍)と三重県桑名市、福島県白河市は、姉妹都市だそうです。今回はその三市で合同で巡回展を行っていました。

行田市の博物館にも一度か二度、行ったことがあるような気がします。城内に復元された櫓とつながっていて、そちらも見学できたことだけは記憶に残っています。

「武門の遺産」

今回の展示は、第1会場と第2会場があり、前者が常設展示室の一部を展示替えしたもの、後者は企画展示用の展示室を利用したもののようでした。

展示タイトルにあるとおり、「武門の遺産」、つまり3つの大名家ゆかりの資料を中心にした展示でした。第1会場で目立ったのは、刀剣の展示です。藩が召し抱えていた刀工やゆかりの刀剣が展示されていました。重要美術品の「横須賀江」もあります。ライティングもそうですが、キャプションが特徴的でした。半透明のフィルムにプリントしたものをガラスに貼りつけています。

半透明フィルムによるキャプション

これはおそらく桑名市博物館からもたらされた展示技術かと思います。桑名市博の館長さんの本に書かれていました。「キャプションが読みやすい」というようなことが書かれていましたが、たしかに見やすかったです。あわせて「コツが必要」とされていましたが、空気が入ってしまいそうで難しそうですね……。

第二会場は、ほぼ阿部家展示コーナーでした。阿部家が幕末を迎えたのが白河だったため、白河から借りている資料が多いようです。水玉模様の陣羽織が非常におしゃれでした。

常設展はゆっくり見ることができませんでしたので、またそのうちお邪魔したいと思います。