第15章 「神さま、美容の道へ戻りたいですう〜」
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第15章 「神さま、美容の道へ戻りたいですう〜」

Rensuiのたましごと

フロアレディー断られるの巻

今もあるのか?30年前には、確か配膳社という名前で日雇い専門の派遣会社があった。手荒れが原因で美容師を辞めてから、目的とか夢とかそういうものがごっそり無くなってしまい路頭に迷ってしまった。
おまけに手荒れから経皮毒をたっぷり身体に染み込ませたせいで腎臓を痛めてしまった。肝腎要の腎経がやられたら生命力もなくなる訳で、今なら事の重要性が見えて滋養とかするだろうけど、知らないというのは、ある意味良いことで生命が勝手に運ばれて行く一つの流れ、つまり運命とはこういうことなのか、頭で知りすぎて動けないより、うんと運びがよいように思う。
そんなことでなんにも動く気になれず、何かをやる気も発動せずぐずぐずした日々を過ごしていた。身体の状態とは裏腹にお金が無い。アシスタント美容師の1ヶ月の給与なんてちょっとぼぉーとしてればすぐなくなる。休んでる場合じゃない。
カラダを壊して美容師辞めたなんて母に知れたら、すぐに家に連れ戻される。何とかしないとまずいまずい。。。
手元にあるお金が、すでに100円数枚。まずい本当にまずいぞ。。。

ふらふらと近所を歩いていると、スナックの入り口にフロアーレディ募集時給2500円という張り紙が光ってみえた。実は、ここ数日横目でみて通り過ぎている。「考えるより産むが安し」夕方お店のドアを、うんと勇気をふりしぼりノックしてみた。ママが出てきた。
「なんで働きたいの?!」「。。。。」「あんた顔は男ウケするけど、、、あんたダメよ!!健康そうだもん水商売向いてないよ。この道に入る人間じゃないね、こんなとこで働こうなんて二度と思いなさんな。じゃね〜」
あっという間にあっさり追い返された。スルスル〜とカラダの力が抜けて拍子抜けした。ものすごい勇気を出してドアを叩いた自分がいたことに気が付いた、けど断られて実はホッともしてもいる。
あっさり追い払われたけど、ママから言われたことが頭から離れず、単純な私はこれも天からの声だと思い「お金がないからと安易に入ってはいけない道なんだろうな。
「水仕事は生き物だからね。」と大大魔女のおばあちゃんも言ってたな。美容師の先輩も、成城のゴージャスなお客さまもそんな事言ってたな。あのそっけないママも私にそう教えてくれたんだろう。ありがとう。」そう単純な私はボジティブに受け止めて気持ちは次へ次へと一歩一歩生きる方向へは運ばれていった。ママの一言さえも私の命を運んでくれているように思えた。

勇気全開の一日

あー、でも早く決めないと、まずいまずい。
焦りながら、ぶつぶつ言いながらまた道をうろうろしてたら電柱に看板が。〇〇配膳社。即日現金払い。交通費前払い。「ここだ!!」でも新宿まで行くお金がない。。。歩くには遠すぎる。
さてどうしよう。。。交番が目の前に見えて頭が妄想をはじめた。こそくな嘘を思いつき妄想で反復練習して,交番のドアをガラガラと開けた。駐在員のおっちゃんに嘘をつくのを申し訳なく思いながら「お財布を落としてしまい、家まで帰れないので500円貸してください」と勢いよくぺこりと頭を下げた。
「500円で帰れるの?」「はい。」実家の住所を書きすんなり貸してもらえた。
「一週間後に返します」またぺこりと頭を下げてすぐに新宿へ向かった。
はぁ〜。今日は勇気全開の日だ。。。

新宿のとあるビルの3階。ドアに小さく配膳社と書いてあるだけで中が見えない。「これ大丈夫なん⁈さっきママに水商売ダメって言われたけど、もっとヤバめの感じじゃない?どうしよう。でも、お巡りさんにお金借りてきたし、、、。ま、いっか!!いざという時は逃げればいいか」ドアの前で一人葛藤しながらぶつぶつ一人一通り会話し終えたら、なんだか諦めの境地になり成るように成るさ。と変にポジティブになってきた。
勇気を出して鉄の重い扉を開けてみた。
中は明るく、ニッコリ微笑んだおばちゃんが手招きして「はーい、どうぞこっち来て、今あるのはこれね。女の子だからこっちのファイル見て探して〜。」

日雇い労働者になるの巻

仕事はびっくりするほど沢山あった。私は、先に片道の交通費をもらえる事が条件だったから迷うこともなく簡単に決められた。「人手が足りなくて困ってる旅館だから明日から行ってくれるかな?!」とおばちゃんに言われ「はい、行きます」そう言うしか選択肢は残ってなかった。
初めての仕事は箱根の高級旅館で住み込みの仲居さん。温泉にご飯付き、しかも交通費先払いでもらってロマンスカーに乗れるし、旅気分でいいじゃない。と安易にいざ高級旅館へ。あまりにも自分の単純さに凹みながら救われながら旅館へ到着。すぐにお仕事に取り掛かり私の教育係とちょっと怖そうなお姐さんがついてくれて面倒をみてくれた。温泉旅館の住み込みは、訳ありの人が働いていたりして、そういう年季の入ったお姐さん方に着物を着せてもらったり「あれは不倫だよ。あんた見分けつくかい?!」と男と女の事や、「え、それ合法ですか?」みたいな話やらいろんな事を教わった。耳年増とはこういうものかと思いつつ色々人生の勉強になるな〜。でもあんまり長く此処にいてはいけない気がする。。。と何か私の中からの声が教えてくれている。半年くらい住み込みで働き、その後は出来るだけ単発で済むコンサートのチケット売りとか、警備スタッフ、裏方、なぜか高島忠夫のお茶汲み、ホテルの配膳、工事現場の警備もやったりした。美容師の給与とは考えられないくらいお金がもらえて驚いたし、お金に困らないのは嬉しかった。
働きまくって1年くらい経った頃、
「この仕事と生活は長く続けてはいけない」また、そういう声が自分の中から聞こえてくる。「何??もう少しいいでしょ。仕事もおもしろいしお金ももらえるし。ちょっとは友達もできたし。うーん。ダメなの?何でダメよ?何かが違う。そう思い出した。パッションがない!!やっぱり人生はパッションがないとつまらない。私のパッションは何だったけ?、、、美容。
でもカラダが美容は無理だしな。手が荒れない美容ないのかな〜。うーん。
あるではないか!エステティック!!おお〜なぜ気が付かなかった」

いつのまにかメンズエステ?!

青山ベルコモンズの最上階にある高級エステに入社。すぐに筋がよいと褒められ調子に乗ってルンルンやっていた。お客様も場所柄セレブな感じの方ばかりで、こういう世界好きだわ~と、楽しい日々を調子よく過ごしていたある日、オーナーが原宿にメンズエステ第1号店をオープンすることになりそこへ配属され、店長は一応いるけどほぼ不在で実質店長みたいな仕事をする羽目になっていった。
エステのメンズ専門店は、東京でも初店舗だったように記憶している。オープンしてみると意外とコンプレックスをもった男性が多く見えた。忙しくて気がつくと、毎日男性のお肌のお手入れとビキニラインの脱毛をしながら、店全般を任せられていて営業後に業務処理で毎晩遅くまで働いた。忙しいのは楽しかったし、店の売上金も相当な額でこれもまたゲーム感覚でおもしろかった。

「あと3ミリビキニラインを内側に綺麗に脱毛して欲しい。」と、ものすごい細いブリーフを履いて見えるお客さま。。。今だから言えるけど変態でもありつつ美容意識の高さは、個性豊かな方ばかりで驚きの連続。
当時は、毛穴一本一本にニードルという針を挿入して微電流を流し毛根を取るという作業で、男性のビキニラインの脱毛は大変難しく股間にタオルを置いてそこに手を置かないと脱毛が安定して出来ず、毛穴の向きとか、深さとか毛根を見て想像しながら極めて行く、という超マニアックな修行の日々を繰り返していた。夢中になって極めていたら指名が増えすぎ、一人仕事の量が大変になったある日怒りが爆発「私、男の人のビキニラインとかどうでもいいし!!毎日股間に手を置いて何で1ミリ綺麗にライン攻めての?おかしいよね。」
「美容よ美容。私がやりたいのは美容!!」

ボディトリートメントができる喜び

次の大手某エステティックサロンへすぐに入社。
そこで腰を下ろ仕事し始めたら、2年目にすぐに店長へ昇進。その頃はバブルの最後の方でお金の動きもすごかった。今月一本目標と言われ、若い小娘が軽々と達成してしまう恐ろしい時代でした。ちなみに一本とは1000万。達成すると、月一の店長会で表彰され高級ブランド品のバッグや時計など頂けた。私は、頂いたその品物をすぐに質屋に持っていき現金化して、渋谷のタワーレコードへ直行しCDをジャケ買いしたり下北で古着を買ったりして満喫していた。

この会社に入社して店長になった事で、世界中の最高のケアやヒーリングを学ぶ機会をもらったことは、今でも有り難くこれがきっかけで今の私があるわけで感謝している。有名美容家でもある会社のトップは、社内では院長先生と呼ばれていた。世界中に視察に行き、素晴らしい療法があるとその伝統美容のスペシャリストを日本に招き、店長が学びに行きスタッフに教えるという当時はシステムで、院長先生は次から次へと世界中の美容と不老長寿を捜し歩いた美容の革命家でもあった。ハワイのロミロミからヨーロッパのリフレクソロジー、タラソテラピーなどなど日本にいながら最高のボディヒーリングを学ばせてもらった。古典的な技法には宗教的なまじない要素もあり、そういうのが匂うとワクワクして、マッサージをする喜び楽しさを存分に味わった時代でもある。


美容の道へ、キュキュッ~トと連れ戻された魔女、16章へと続きます。

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Rensuiのたましごと
奇異で不思議な導きによりボディヒーリングに携わり30年の実話。体現してきた数々の不思議で奇異な出来事や、エネルギー療法、自然療法、医学、処方術を赤裸々にお伝えします。長野の黒姫山の麓、深い森の入り口に住むRensuiより愛をこめて。Instagram rensui.rensui