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第1節 V・ファーレン長崎戦

 こんにちは、私です。
 ついにJリーグ開幕!開幕戦は1-0で勝ち、ちばぎんカップを含めると小林体制2連勝となりました!土砂降りの中現地で観てきました!靴もびしょびしょでサンダルで帰りましたが、勝てばなんでもOKです!
 前半は長崎にチャンスを作られてしまうシーンが目立ちましたが、ピンチのほとんどが自陣でのロストによるもの。前プレは機能していました。攻撃に関しては、スリッピーなピッチコンディションに苦戦し、ビルドアップでのミスが散見されました。末吉の突破から惜しいシーンを作りましたが、満足できる内容ではなかったですね。
 しかし、後半になると相手を押し込む時間帯が増え、効果的に揺さぶってチャンスを作れていました。52分には小森のゴールで先制。流れを変えるきっかけになったのは奥行きを作るインナーラップと3センター脇の攻略だと思います。これらについては詳しく後述します。
 途中出場の田中が81分に不運な形で退場となりましたが、5-3-1のブロックを作って1点を守り切りました。
 長崎が個で殴るような攻撃をしていたら踏ん張れてなかったでしょうし、ビルドアップにもまだまだ課題はありますが、とにかく勝つことが大事!小林監督のハーフタイムでの修正も素晴らしかったです!

J2リーグ 第1節
V・ファーレン長崎 0-1 ジェフユナイテッド千葉

スタメン

・機能していた前プレ

 前プレは機能していて、高い位置でのボール奪取、蹴らせて回収するということができていました。ピンチは多かったですが、ほとんどが自陣でのボールロストによるものでしたし、この試合の守備面に関してはそこまで問題はなかったのかなと思います。長崎が個を前面に押し出してきてたら劣勢に回っていたのかもしれませんが、インテンシティ高く戦って相手のビルドアップに制限をかけることができていました。

13分

 13分のシーンでは、SBに入ったところから見木がプレスをかけに行き、サイドに追い込んで、相手のパスミスを誘い田口が回収しました。
 このシーンは逆サイドを捨てているような状態にしており、全体を圧縮してボールを奪い取ることができました。
 「4-4-2に綺麗に整っていない!」と思われる方もいるでしょうが、前プレはこれでOKなんです。

 

 4-4-2を綺麗に揃えてしまうと同サイドにフリーな選手が生まれてしまい、熊谷が2人を見る状況になります。これだと見木が相手SBに寄せても簡単に中盤の選手を使われてプレス回避をされてしまいます。

 図のようにボールホルダーから近い相手選手を埋めていくことで相手の逃げ道をなくすことができます。
 他のシーンでもこういった守備をしていたためおそらく小林体制にはこのようなサイドに追い込む→ボールホルダーから近いところを埋めるという守備の原則がありそうですね。この前プレは同サイド圧縮とも呼ばれています。
 ただ、この同サイド圧縮には注意が必要で、それはボールホルダーに余裕を与えないということです。ボールホルダーに余裕を与えてしまうと逆サイドへの長いボールを蹴られてプレス回避されてしまいます。そのためボールホルダーに対して激しく寄せることが重要です。

・流れを変えたきっかけとビルドアップの修正ポイント

 前半はスリッピーなピッチコンディションも影響し、ビルドアップでのミスが目立ちました。長崎が5-3-2のようなブロックを引いていたのにも苦労していた印象で、ゴールに迫ることはあまりできていませんでした。
 しかし、後半に入ると効果的に揺さぶって相手を押し込んだ攻撃ができていて、流れを変えたのは前述した通り、インナーラップと3センター脇の攻略が要因だと考えています。ここをハーフタイムで修正したことで流れを引き寄せることができました。小林監督のお見事な修正でした!
 ただ、ビルドアップでの課題も見られましたし改善が必要です。

①効果的なインナーラップ

 後半は右サイドが流動的な動いていて、特に松田のインナーラップは効いていました。

 47分のシーンでは、熊谷から田口へボールが渡ると松田が最終ラインからスプリントをしてインナーラップ。松田のインナーラップで空いたスペースに呉屋が入って末吉からボールを受けます。

 呉屋がタメを作って、大外を追い越した末吉がもう一度貰い、クロスを上げますが、ラインを割ってしまいました。
 この一連の崩しは良いところがたくさん詰まっていてめちゃくちゃ素晴らしかったです。
 まず、松田のインナーラップよって末吉と対峙している増山の対応を遅らせ、アンカーの鍬先をDFラインに吸収させていて、1人で相手選手2人のプレーに影響を与えることができました。
 さらに松田のインナーラップで空いた中盤のスペースに入りサポートをした呉屋の動きも素晴らしかったと思います。
 ボックス内には3人の選手がいますし、最初の熊谷や田口のポジショニングもとても良く、複数の選手が絡んだ素晴らしい崩しでした。あとはクロス精度ですね。
 良いプレー・判断が詰まっているこのシーンですが、松田のインナーラップがやはりよく効いていましたね。松田のプレーによって相手の中盤・DFラインを一気に押し下げることができました。

 51分にも松田がインナーラップをし相手の中盤2人に影響を与え、熊谷がフリーでクロスを上げることができました。
 松田のインナーラップの動きによって相手の中盤の選手の立ち位置に影響を与え、相手を押し込んだビルドアップをすることができました。後半立ち上がりの流れを引き寄せたプレーでした。

②3センター脇攻略

 長崎は5-3-2のような形でも守ってきており、前半はこのブロックを崩すのに苦労しました。ただ、後半は田口などが3センター脇のスペースから起点を作って相手を押し込むことができました。

 前述した46分のシーンでは、田口が3センター脇でボールを引き出し、サイドで張った末吉へと展開することができました。
 58分のシーンでも同様に3センター脇で引き出してサイドへと展開しています。

 相手は5-3-2でサイドは末吉と矢口でWBがピン止め状態となります。そうなると3センター脇はシステム上空きやすく、後半はこのスペースを田口や見木がうまく使えていました。また、小森が3センターの間へと降りるため、3センターを内側に絞らせることができ、田口などがフリーでボールを受けやすい状態になっていました。
 この3センター脇を攻略したことがボールを握る時間を増やすことができた要因です。

③動きすぎるアンカー

 柏戦のレビューでも書きましたが、熊谷が動き過ぎのように思いました。

34分

 34分のシーンでは熊谷が2トップの前で受けてしまい、真ん中に誰もおらず、前と後ろが分断してしまっている状態になっていました。

 他にも図のように熊谷がDFラインに降りて中盤に誰もいない状況を作ってしまっているシーンも見られました。

 アンカーは2トップの間かつ後ろのポイントに立つことがベストで、ここに立つことでCBが運びやすく、アンカーにボールが入れば相手の中盤を釣りだすことができます。
 熊谷は去年もボールに寄ってしまう癖が見られていて、その癖がこの試合と柏戦ではマイナスに働いてしまっています。
 ただ、後半は改善されたようにも思いました。46分の崩しでは動きすぎずにポイントに立っていたことで熊谷→田口→末吉と展開をすることができました。サイドに寄るシーンもありましたが、田口や見木と立ち位置が入れ替わっていて全体のバランスは保たれていました。
 後半早々に熊谷が交代してしまったのでハーフタイムで修正されていたのか、たまたまなのかわかりません。が、仙台でも同じような現象が起こっていたみたいですし、小林監督はこの問題を認識しているはずです。

④CBのコンドゥクシオン

 コンドゥクシオンとは運ぶドリブルのことですが、鈴木大輔の運ぶ意識の低さが気になりました。

 上の図のように鈴木大輔の前にスペースがあっても運ばずに降りてくる見木に預けてしまうシーンが散見されました。

 CBが運ぶことで相手を釣りだすことができ、前線で数的優位を作ることができます。

 相手にうまくスライドされたら、後ろに戻して逆サイドに展開をすれば、チャンスに繋がります。
 松田は57分のシーンのように運ぶ意識があるように思いますが、鈴木大輔は運ぶ意識が低く、これが前半左サイドを打開できなかった一つの要因です。ここに田邉が入れば改善されると思いますが、小林監督がどう修正してくるかは注目ですね。

・最後に

 課題はまだまだありますが、自信をつける意味でもこの勝利は大きいです!小林監督のハーフタイムでの修正もお見事でした!終盤は1人少ない状況になりましたが、チームが一体となって守りきれましたしチームの雰囲気が高まる勝ち方でした。課題はまだまだ多いですが、試合を重ねるごとにクリアしていけると良いですね。
 次は山形戦です。あまり良いイメージのない難敵となりますが、連勝しましょう!

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