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『壁の断熱の計算ブック18』 データ販売!! 4事例限定公開!

こんにちは。
関東でリノベーションを手掛ける学生団体、DaBoと申します。


今回は『壁の断熱の計算ブック18』のデータ販売を開始いたします!
今回は、本書の概要と本書に掲載した18の事例のうちの4つの事例を無料でご紹介したいと思います。

我々は、メインである古民家リノベーションの活動の傍らで、過去から現在までのさまざまな建物の壁の断面の情報を集め、その断熱性能を計算して比較するという試みを行って参りました。
本書はその全18の建物の壁の部材構成と熱貫流率を簡単に比較できるようにまとめたものです。


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各事例のページで、壁の断面を直感的にわかりやすく示した詳細断面図による図解と、熱貫流率(U値)とそのうちわけを示した計算表を提示しています。建築の外観はイラストでイメージしやすくし、コラム等でその建築の熱環境の分析・解説をしています。

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本書で比較に使っている「熱貫流率(U値)」とは、壁、屋根、床などが熱を建物の内外へ伝えるときの「熱の伝わりやすさ」を示す値です。これは、壁に使用されている材料の「厚み」に比例し、「熱伝導率」に反比例します。つまり、U値が小さければ小さいほど熱を通しにくく、断熱性能が高いと言えます。


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本書では、あえて比較の方法を壁のU値というひとつの指標に限定することで、壁の部材構成と断熱性能の関係を明快にしています。
同時に、熱貫流率をより感覚的に分かりやすく捉えていただくために、「断熱評価バー」や「断熱レベル★★★★★」という簡易化した指標も設けています。

<もくじ>

― 軸組み編
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― 充填する壁編
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― ガラスの壁編
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― 気になる建物編
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<サヴォア邸>、<住吉の長屋>、<ファンズワース邸>などの有名建築の王道ラインナップに加え、<中銀カプセルタワービル><梅林の家>などの特殊な構法の事例や、工務店系の一般住居やマンションの事例、フランスのマンションの事例、仮設住宅の事例などなど豊富なヴァリエーションの事例を揃えました。
最終編の-気になる建物編-では、<イヌイットのイグルー>や<モンゴルのゲル>などの民族建築や、飛行機の<Boeing787>などかなりの変り種を用意しています。今日の日本の住宅では使われていないような素材の中にも、意外と断熱性能が高い材料が見つかるのではないか。そんな期待をしながら熱貫流率の計算をしました。楽しんでみてください。



それでは、厳選した4つの事例をご紹介していきます。

1. 軽井沢の山荘
断熱展 総集 200411-14

断熱展 総集 200411-15

U値0.57で断熱レベル3(★★★)。
吉村順三の名作だが、建設当時はスタイロフォーム(発砲スチロール系の断熱材)がつかわれ始めた初期であり、100㎜以上ある壁の内部の50㎜分だけスタイロフォームで充填している。ぼちぼちなレベルと評したが、寒い軽井沢の山間部では不十分だろう。日本のやや古い住宅で断熱材がきちんと入っているものの標準的なレベルはおそらくこのあたり。

2. 無印良品の家
断熱展 総集 200411-22

断熱展 総集 200411-23

U値0.19で断熱レベル5(★★★★★)。
無印良品のパッケージ化された住宅、木の家。壁の中の柱の間に断熱材を充填する内断熱と、その外側に張り付ける外断熱の両方を採用するダブル断熱工法により、最高レベルの断熱性能を実現している。外断熱に使っているフェノールフォームは従来の断熱材より細かい気泡を内部に含みλ=0.020という超高性能の断熱材となっている。同じ木造の<軽井沢の山荘>と比較して、断熱材の厚みも性能も大きく変わっていることが分かる。

3. 住吉の長屋断熱展 総集 200411-28

断熱展 総集 200411-29

U値4.01で断熱レベル0。
安藤忠雄の名作。コンクリート打ちっぱなしの壁はもちろん無断熱。よって断熱性能もこの通り最低レベル。さらにコンクリートの壁は蓄熱性が高いため、表面温度は夏は熱く、冬は冷たくなり、その熱を放射熱として人の身体に伝えてしまうという弱点がある。

4. Boeing787断熱展 総集 200411-50

断熱展 総集 200411-51

U値2.50で断熱レベル1(★)。
旅客機Boeing787。-50度の上空を飛ぶ飛行機の壁のU値が2.50というかなりの低性能なのは非常に驚きである。エンジンからでる高温高圧の空気を空調に利用することで機内の温度を保つ仕組みになっているという。それにしても低すぎる...

以上、こんな具合で本書の概要と4つの計算事例をご紹介して参りました。
本編ではこれに加え、残りの14の事例も揃っています。目玉の<中銀カプセルタワービル>や<梅林の家>や<イヌイットのイグルー>などもまだこの本編に隠されています。事例は増えれば増えるほど比較の仕方が多様になり、理解が深まっていくものです。少しでもご興味もっていただいた方は是非ご覧ください。我々学生団体が2018年より時間をかけて制作した力作となっております。


本書の目的は、
家を建てる人に、断熱への興味・知識を持ってもらうこと
すべての専門家に、建物の断熱への高い意識を促すこと
つまり、啓蒙なのです。

一般の人は家を建てる際に、利便性やデザイン性、価格などをよく気にかけますが、断熱を始めとする建物の環境性能には「なんとなく大事なのはわかるけど、難しいから...」と、専門家に任せっきりになっているのが現状です。その結果、家を建てた後に家の暑い・寒いの不満が生じたり、暑い・寒いが当たり前と勘違いして、冷暖房の機器を年中フル稼働する日々を送ったりしているのです。

世間では、ZEH(ゼッチ)やエコハウスなど、住宅の環境性能への注目は高まりつつありますが、日本でこれまでつくられてきた住宅の熱環境の性能や、国がこれまで定めてきた住宅の熱環境の目標水準は、欧米諸国のそれらと比べたら非常に劣っていることはご存じでしょうか?日本はまだまだなんです。このことは住宅をつくる専門家でもあまり意識されていない方が多くいると思います。

そんな中で、学生という立場の我々が、断熱に関するわかりやすい冊子を提供することにより、一般の人が少しでも断熱について学ぼう、気にかけようという気持ちになってくれたらと思って本書を作成しています。また、専門家の方々にも比較を楽しんでいただけるように、妹島和代の<梅林の家>や飛行機の<Boeing787>など、熱環境として特殊な事例を意識的に選定しています。ですので、一般の方も専門家の方も含め、少しでも多くの方々に本書を手に取って読んでいただけたら幸いです。

もし、ここまで読んでいただいて、続きの14事例が気になっている方がいましたら、下記に本書の本編のpdfデータと電子書籍のepubデータを添付いたしましたので続きの有料ページへお進みください。

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165字 / 2ファイル

¥ 920

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