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Tamago



その小さな駅を出ると 辺り一面 白だった

ここは訪れたことのない場所


遠くへ行きたい

私は行き先を確かめることなく列車に飛び乗った

行き着く先は何処でもよかった

いや、行き着く先などそんなものはないのかもしれない

このまま心地よく揺られ続けていてもいいような気さえした

微睡みのなかでは


瞳をとじて 瞳を閉じて

何もきかないで

どうぞこのまま


何処からともなく声が聞こえる

アチャパチャノーチャ


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ここまでぃ繋がっとるりぃ

へそぬ緒ん


時ぬ先しゃん辿ってみぃみ

続いてぃりどぅ

空ぬ先しゃん辿ってみぃみ

繋がってぃりどぅ


そこぬ絡まってぃりぃどし

解いてぃりしゃん

解いてぃりしゃん


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夢の途中

私はどこかの駅に着いたと同時に飛び起きて

慌てて飛び出した

この小さな駅のプラットフォームに

プラットフォームに


緯度のスロット

悲しくてやりきれない 迷い道

季節の音奏でる釣り鐘と

冬鳥羽ばたく白鳥の湖

卵が孵る神経叢の夢うつつ

明日への手紙

書いた


明けの明星 帰途に就く

また逢う日まで


それはいつかの時の漆塗り師




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(ところどころ曲名のパッチワーク)