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不安に駆られて株式投資を始めると、ロクなことにならない。まず取り組むべきこと

田内学さんの記事です。

「投資」について書かれていたので取り上げたくなりました。

しかし、投資をしたい人が投資をすればいいと思っている。
とにかく、不安なんて感じる必要はない。不安をあおられると、不安ビジネスの思うつぼだ。

記事の最後の方で↑のようにまとめられています。僕も非常に近い考え方です。

投資、特に株式投資(組入資産が株式になっている投資信託を買うこと、保有することも株式投資です)は、「投資したい!」という人が取り組むべき行動だと考えています。

田内さんが述べられているように不安が動機で始めるべき行動ではありません。

株式や投資信託は日々その株価(評価)が変化します。10万円で買った株式の評価が短期間に9万円、8万円になったり、11万円、12万円になったりするものです。タイミングというか運というかそれら次第では5万円くらいになってしまうこともあります。もちろん、あれよあれよと20万円になったりすることもあります。

株式の価格はそれだけ目まぐるしく変動するということです。この変動に慣れていない、特にその株価、評価しか見ていない、そればかりに注意を向けている場合、その価格の変動で益々不安になってしまうだろう、ということです。

不安から株式投資に取り組むと、その不安が益々増幅されてしまう可能性が高いです。この先には続きがあります。不安をきっかけに始めた株式投資。それでさらに不安が増幅される。そうすると、そうした不安を取り除いてくれそうな解決策が気になり始めます。それらの解決策は手が込んでいるがゆえに高いフィーが設定されていたり、場合によっては詐欺的な仕組みであったりすることさえあります。

投資に関心を持ったら、まず取り組むべきこと

どんな商品があるのか、商品の選び方、今ならNISAやiDeCoの制度を調べる。多くの人はそこから行動を開始されると思います。この行動も大変重要で、投資を始めるには必ず必要なプロセスです。

このプロセスに加えて並行して、こんなことを自分で考えてみてはいかがでしょうか。

投資とはいったいどんな行動なのか。

投資のリターン、果実はどこでどうやって生まれるのか。誰のおかげで生まれるのか。

これらの問いについて自分なりの考え方を持つことで、関心、興味の対象が変わってくる可能性があると考えています。

既に投資を実践している人、長い経験を持っている人でさえも、自分の保有資産の時価、つまり、「今、ナンボ?」に多大な関心を寄せている人が非常に多いように感じています。

自分の資産が「今、ナンボ?」か、という現在地を把握しておくことは大事です。しかし、今の評価がいくらなのか、は5年後、10年後、20年後、その資産がどんな評価を受けるのかというのは関係がありません。

田内さんの記事に 「儲けている時だけ自慢する自称投資家たち」が出てきますが、過去の成績は参考になりません。

「7000万円で買ったマンションが1億円で売れたよ。絶対マンションに投資した方がいいよ」

この種の話。儲かったんですねー、と関心が向かうのは、いわゆるPL脳というやつです。

PL脳が滅ぼすのは、会社だけではありません。家計も滅ぼすだけの破壊力があると思います。

上記のマンションを1億円で売り抜けた人。この人はその1億円をどうしたのでしょうか。その資金で新たに取得した資産の時価は7000万円になっているかもしれません。もっとも最近の都内の不動産ならこんなことは起こらないのかもしれないでしょう。でも、たとえばその1億円で株式を買って、その会社の株価がドスンと下落していたら、、、これも最近の株式市況ではなかなかお目にかからないケースですね。

とはいえ、です。過去に儲かった!という話、それは大して参考にならないケースがほとんどだと思います。企業業績、PLの場合は、持続的にコンスタントに伸びているかは参考にすべき情報ではありますが。

「今ナンボか」という現在の話、「これまでこんだけ儲かった」という過去の話。それらよりもずっと大事なのは、今持っている資産が、5年後、10年後、20年後も高く評価されるか否か。その評価を決めるのはその資産が価値を持続的に生み出せるかどうか。大事なのは「何を持っているか」とその将来性です。そこに関心を寄せるのが「BS発想」だと僕は考えています。

自分の資産は何か、その資産の将来性に注意を向ける、関心を寄せること。このBS発想を持つことが投資を長く続けていくうえで非常に大切だと考えています。

BS発想は新しいNISAでは特に重要になる

新しいNISAは金額がグッと大きくなります。生涯投資枠は総枠1,800万円になるそうです。この金額の大きさもさることながら、より重要なのは期間の制限がなくなることです。この1,800万円に非常に長い時間を与えることが出来るようになります。

BS発想が特に重要になると考える理由は、上で述べたマンションの例が一つです。

100万円で買ったNISA内の資産が150万円で売却できたとします。売却益50万円に税金はかかりません。150万円の現金を手にします。この150万円に特に使い道が無ければ再投資先を探すことになります。その150万円を投じた再投資先の評価がほどなく100万円になったら、、、上記の売却益50万円で「儲かった!」となっても特段の意味は無いと僕は思います(50万円の売却益で陶酔感は得られるかもしれませんが)。

短期間に儲けて利益実現したとしても、次の再投資先で損をしてしまっては、資産は増えません。このプロセスを繰り返すよりも、じっくりと長く保有し続けられる資産を選び抜いて気長に見守る方が良い、ってことになるのでは、と考えています。

「安く買って、高く売る」これまさにPL脳ということになります。

NISAの期限が無くなったことで、長期間に亘り持続的に価値を増大させられる資産を持つことが出来て、それを実際に長期間保有し続ければ、非常に大きな資産に育つ可能性があります。BS発想がとてもとても重要になる、僕はそう考えます。

BS発想を養うために取り組むべきこと

BS発想を養うために取り組むべきこと。

実はこれ、上述の 投資に関心を持ったら、まず取り組むべきこと と同じだと思っています。

投資とはいったいどんな行動なのか。

投資のリターン、果実はどこでどうやって生まれるのか。誰のおかげで生まれるのか。

投資とはどんな行動なのか、その果実はどうやって生まれるのか、を自分で考えることは、長期間に亘り持続的に価値を増大させられる資産は何か、を考えるのにつながっていると思うからです。

こんな考えをベースにしながら、投資家のみなさんにお話をお聞きするポッドキャストをつくっています。

投資とはいったいどんな行動なのか。

投資のリターン、果実はどこでどうやって生まれるのか。誰のおかげで生まれるのか。

を考えてみて、自分なりのBS発想をぜひ養ってみてください。

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