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投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022 に投票しました

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022 に投票しました。

今年から投票できるファンドが3本に減ってしまいました。

まいった、まいった、マイケル・・・
こまった、こまった、こまどり・・・

今年もそこそこの数の月次レポート等を眺めてきましたので、より多くのファンドに投票しよう、って思ってました。3本に絞り込む必要が出てきました。

月次レポートを眺めてきた模様は 
#月次レポート研究所  での発信をご覧ください、お聞きください。

3本に絞り込む前のショートリストをまずお示しします。

全部で11本のファンドがあります。

まず挙げたいのが

スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)

このファンドです。7年近くお世話になっているファンドなんです。

月次レポートの内容、中身の濃さが大きな特徴、スキな理由です。

2021年11月末基準のレポート で投資先をどんな風に分類するか、その考えに変更を加えたことを説明されています。

以前は「景気敏感だが高成長を続ける優良製造業」と「景気 に関係なく安定成長を続ける生活必需品・消費財・ヘルスケア分野などの優良企業」に分けて説明してまいりました。 前者のタイプには日本電産、キーエンス、ダイキン工業、ミスミグループ本社などが、後者は花王、ユニ・チャーム、ロ ート製薬、テルモなどが該当していました。こうすることで、景気サイクルのどの時点においても安定した運用成績が 期待できると考えていたためです。

しかし最近では視点を変えて、「モノを提供する製造業的ビジネス」と、「ソフトウェア、オンラインサービス、ソリュー ションなどを提供するアセットライトなビジネス」に分けてポートフォリオの全体像を考えるようしています。

こうしたフレームワークが示されることは「どんな会社を投資先として選び出すのか」を理解する助けになります。

2022年には、東京海上ホールディングス 、 セブン&アイ・ホールディングス を新たに投資先に加えましたが、その際も非常に詳しくその判断に至った理由が述べられています。

https://www.sparx.co.jp/mutual/uploads/pdf/gen_202206.pdf

https://www.sparx.co.jp/mutual/uploads/pdf/gen_202207.pdf

株式投資の果実の源泉は、投資先の会社の事業、価値だと思います。それが持続的に創出されうるのか、さらに進化を遂げられるのか、そんな可能性を秘めているか、そんな会社であるか否かをどうやって見極めようとしているのか、注視を続けているのか、それが非常に大事なことです。そうした関心、興味に応えてくれる素晴らしいレポートを毎月発信してくださっているチームの皆さんに心から感謝しています。引き続きよろしくお願いします。

2つ目のファンドです。

スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド (愛称:対話の力)

月次レポート研究所のポッドキャスト でもお話ししましたが、

印象的だったのが 2022年7月末基準の月次レポート です。
投信会社と株主総会がテーマになっていました。

投資家として企業を評価する上でも、株主総会は有益な機会であると思います。しかし、日本において当ファンドのような機関投資家が株主総会に参加するには、実は大きなハードルがあります。

ご興味のある方はぜひ月次レポートをご覧ください。

2022年4月末基準の月次レポート も印象的なものでした。

「そ んなに“良い企業”の株価が割安になり得るのか?」という疑問から、投資家と会社との対話が持つ可能性について述べられています。

信頼関係は一朝一夕に生まれるものではなく、当ファンドも株主として、よ り深く企業を理解することに真摯に努めなければいけないと日々肝に銘じています。投資先からの信頼を得るために時間や手間をかけるこ とは、一見遠回りで効率が悪く見えるかもしれません。しかし、投資先との対話を通じて建設的な議論を行うことで、永久に解消しなかった かもしれないバリュー・ギャップの解消が確実に進んだり、企業価値拡大のスピードが加速したり、あるいは万が一、企業価値が棄損しかね ないような経営判断がなされる状況を未然に回避することができれば、やはり対話に手間をかける意義は大きいと当ファンドは考えています。当ファンドは引き続き、投資先企業との信頼関係の構築に努め、対話を通じて⻑期的な企業価値向上を後押しすることに積極的に 取り組んでいく方針です。

3つ目のファンド、いきます。

スパークス・少数精鋭・日本株ファンド

こちらのファンドの月次レポートは上記の2つのファンドと比べて量は少し少なめです。が、毎月の投資先についての説明、解説は非常に熱を感じる内容になっています。もっとページ数が増えてもいいのでは、という期待を持っています。

4つ目のファンドは

スパークス・ジャパン・オープン(愛称:キョウソウの架け橋)

こちらのファンド、毎月の月次レポートを再編集した記事がnoteで連載されています。

ファンドマネジャーの清水さんの発信から、サステナブル投資でさまざまな学びや新しい視点を得ることが出来ています。

今年の記事で印象的な記事はこちらです。

中長期で平和で持続的な世の中を構築することに貢献するような企業に投資することこそが、自分が行うべきことです。

どんな投資をするかは、平和にもつながっている。僕もそう思います。
株式投資からの果実を期待して、そして、受け取るつもりでいる以上、この視点は必ず持っておきたいものです。

もう一つ挙げてみます。

この記事の中で述べられている点で、印象に強く残ったのがこちらです。

企業はこれらの多様な資本を「インプット」として使って活動しています。そして成果を生み出すことになるのですが、ここで考えるべき成果とは財務的なリターンだけでなく、様々な資本に対しての影響をも含みます。良い活動であれば自然を豊かにしますし、人を育てます。逆も然りです。つまり企業がポジティブな「インパクト」を生み出せば、企業に関わる多様な資本が豊かになるということです。そして、最初に戻って豊かになった資本を次のインプットに使えるので、企業活動が発展していくことになります。つまり資本を起点とした好循環が働くということを意味します。

事業活動が生み出す「インパクト」について、なるほど!と思いました。”好循環”について述べられていますが、逆もまた然り、”悪循環”もあり得るということ。ポジティブな「インパクト」の重要性を認識することができました。

スパークス・アセット・マネジメントさんのファンドを立て続けに4本、挙げました。毎月、中身の濃いレポートを発信されています。また、その「まとめ」もnoteで更新されています。素晴らしい行動だと高く評価しています。

農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね

農林中金<パートナーズ>おおぶねJAPAN(日本選抜)

農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)

農林中金バリューインベストメンツ #NVIC さんの「おおぶねシリーズ」の3本です。今年からその月次レポートのメインディッシュは受益者にのみ供されることになりました。
投資先のみならず投資を検討している会社にまで幅を広げて、その会社の調査、分析内容やどんな点に注目しているのか、が説明されています。
また、ある業界、産業という括りで、いくつかの会社を取り上げ、それぞれの事業の特徴、どこで「違い」をつくっているか、を説明されている月もあります。たとえば、ある業界のあの会社とある業界のあの会社とは「実は」似ているよね、みたいなことも。
非常に刺激的な「学び」の機会を得ることができます。
この月次レポートを教科書?にした、月1回のメンバーズ・カンファレンスも設けられています。
こうした機会によって、自分がファンドを通じて関わっている投資先のこと、そして、それらがどのように選ばれ、どのようにモニターされているか、への理解、納得を深めることができます。
自分の投資先に対する理解、納得は、資産形成において極めて重要な要素だと思います。

結い 2101

#鎌倉投信  さんの「結い 2101」。
今年は”鎌倉”という言葉を例年以上に発した年になりました。
ドラマがどんな結末を迎えるのか。

さて、鎌倉投信さんの「結い 2101」の月次レポート。
こちらも個性ある、非常に読み応えのあるレポートを発信されています。

月次レポートに加えてこのサイトです。

月次レポート「結いだより」のパーツをWeb記事に再編集されています。
なかでも特徴を感じるのは

投資先の「いい会社」の商品やサービスが紹介されている点です。僕たち投資家に果実の源泉は、それらの商品やサービスから得られる収益です。商品やサービスが愛されているか、支持されているか、どんな風に社会に役立っているのか、誰を笑顔にしているか、喜びをもたらしているのか、それをイメージすることは非常に大切なことだと思います。

今年投資先の「いい会社」に新たに加わった ピエトロ さんの株主説明会のレポート。印象的でした。

亀田製菓 ジュネジャさんのお話も楽しかったです。

「いい会社」の理解を深める機会を、さまざまな角度、視点から提供してくださっています。素晴らしいお仕事だと常々深く感謝しています。

コモンズ30ファンド

投資先を深く知る、理解する、そして納得する。
その助けとなる発信を続けられている、コモンズ投信さん。

コモンズ投信さんも、受益者も交えての「対話」を重視されています。
今年設けられた堀場製作所さん、旭化成さんとの対話の模様が紹介されています。

今年始められた、このシリーズも投資先の理解、納得を深める助けになると感じます。

ここまで9本のファンドを挙げてきました。

最後はこの2つのファンドです。

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド(愛称:ロイヤル・マイル)

ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド(愛称:ポジティブ・チェンジ)

この2つのファンドは四半期毎に「エディンバラからの便り」というレポートを発信されています。非常に中身が濃いレポートで ポッドキャストでも読んでみました。

2つのファンドともに「未来志向」が強く感じられます。

私たちの重要な役割は、今後世界がどのように変化するか、また技術革新の次の波がどのようなものか深く考え、そしてその恩恵を受ける であろう企業に辛抱強く投資し続けることだと考えています。

https://www.am.mufg.jp/text/253406s_220818.pdf

期待する社会へのインパクトを明確にし、銘柄本位での投資判断を行うこ とで、持続可能で誰ひとり取り残されない世界の実現に向けた貢献を目指すことです。

https://www.am.mufg.jp/text/253603s_221117.pdf

この目標を達成するために、どんな会社に投資しているか、どんな点から評価しているのかを非常に具体的に説明しているのが特徴的です。それを説明するためのフレームワークも工夫されていて、その一例がオイラー図です。

オイラー図は、18世紀のスイス人数学者の名前を冠した集合の相互関係を表す図です。運用チームでは 銘柄本位でポートフォリオを構築するものの、銘柄選択の結果として、オイラー図をリスク及び銘柄分 散度合いを視覚化したリスク管理手法としても活用しています。

https://www.am.mufg.jp/text/253406s_220818.pdf

誰もが知るグローバルカンパニーもあれば、「一体どんな会社なんだろうか?」と興味をそそられる会社も投資先には含まれています。これらの会社が10年後、いや、もっと先の未来を創ろうとしている、未来の主役になるかもしれない、そんなワクワクを得ることできます。

「エディンバラからの便り」とても素晴らしいレポートですのでぜひ今後も継続的に発信してもらいたいと切に願っています。

以上、 投信ブロガーが選ぶ! Fund of the year 2022 の候補とした11本のファンドです。

この中から3本を選ぶのは大変にまいりました、困りました。

決断しました。

僕が選んだのはこの3本です。

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