9.6人に1人が口座を持っているものの、その半数以上、54%が全く利用しなかった。それが2019年のNISA。
金融庁が公表しているNISAに関するデータを色々と見てみました。
見たのは、この2つのデータです。
2018年12月末と2019年12月末の数字です。
口座数
浸透度はその年代の人口数で口座数を割った数字です。
2019年12月末時点で、つみたてNISAと一般NISAを合わせると1,092万口座。20才以上の人口で割ると9.6です。9.6人に一人が一般NISAかつみたてNISAかの口座を持っていることになります。
これを見ると、NISA全体では浸透度がそこそこあると感じます。一般NISAの方が圧倒的に大きなシェアになっているのですが、つみたてNISAがそのシェアを高めているのがわかります。その1年はつみたてNISA、一般NISAの何かを選ばなくてはならないので、両方の口座を持っている人はいません(ということになっているはず)。
20代、30代、40代、50代の4つの年代で、つみたてNISA、一般NISAの口座数の2019年、2018年で比較したのが上のグラフです。
つみたてNISAが増える一方、いずれの年代でも一般NISAが口座数を減らしています。つみたてNISA比率を見たのが次のグラフです。
若い年代ほどつみたてNISA比率が高く、また2018年からのシェアの伸びも大きなものとなっています。
年間買付額
ご覧の通り、2019年は2018年から大きく減りました。つみたてNISAは1,113億円増加したものの、一般NISAは8,503億円減少しました。
年代別で見たのが以下のグラフです。
つみたてNISAでは全ての年代で買付額が増える一方、一般NISAでは全ての年代で買付額が減少していました。
もう一つよく分かるのが、60才以上の買付額が大きいということですね。
NISAで買付けた商品がどれだけNISA口座に残っている?
資料には、NISA期間の累積の買付額と、各年末のNISA口座内の残高の時価が載せられています。買付けた商品を売却すると残高は減ることになります。値下がりした場合も減ることになりますが。
そこで、残高時価で買付額を割ってみました。
一般NISAは大体半分以下になっています。おそらく買付けた商品を売却していることだと思われます。一方、つみたてNISAは1近辺にありますので、売却も一般NISAに比べて少なめだろう、と考えられます。
非稼働口座
NISA口座を開設したものの、1年間、一度も買付が行われない口座がかなりあるようです。
つみたてNISAで見たのが次のグラフです。2018年です。
2019年です。
口座数も増えていますが、20代、30代、40才で非稼働口座の比率が上がっています。
一般NISAはもっと非稼働口座のシェアが大きく、2019年では56%に達しています。
9.6人に1人がNISA口座を持っているものの、その半数以上、54%が全く利用しなかった、これがNISAの実相の一つです。
稼働口座に限定してつみたてNISAでの買付額を見たのが次のグラフです。
こちらは増加しています。
データを眺めてみて、個人的に一番気になったのは「非稼働口座」比率ですね。
加えて、つみたてNISAは長く継続してこそ、という制度だと思いますので、それをしっかりと捕捉できるようなデータも公表するべきだと感じました。どのデータからそれを類推すれば良いのか、私にはそのアイデアが見つけられませんでした。
NISAについて感じていることは、明日、記事をつくってみようと考えています。
記事をつくりました!こちらです。
最後に<お知らせ>です。
NISA口座を開設したけれど、、、
口座を開設したけれど一歩踏み出せない理由。色々あるものと想像します。
どの商品を選ぶのがいいの?
いつ始めたらいいのだろう、そのタイミングは何時?
どうしてもどこか納得できない?
こうした疑問をお持ちの方にお知らせです。
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詳しくは下記の記事をご覧ください。
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