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すっぽん恋物語

 今回は自身の恋?についてだらだらと話していきます。本当にだらだらです。ごめんなさい。

臆病者な私は本来、男の人は苦手だ。同性でもよく分からない生物に見える私にとって男の人は未知の中の未知であった。男の人からたまに変な目で見られたこともあったからというものもある。

 そんな中、自分と同じような空気を纏う男が現れた。陰キャの割合が多い昨今でも1度も私と同じ匂いの人間をみたことがなかった。ただただ衝撃的だった。しかも、昔会ったことがあるような、まるで旧友に久しぶりに会ったような感じがした。初対面の人であればいつもなら警戒するはずなのにフランクに話せた。男の外見は、日本人男性の平均的な体格に平均的な顔がくっついていた。

 最初は「もしかしたら前世で会ったことあったんだろうな」と特別に感じていたが、恋愛感情はなかった。男と話すと何故か落ち着き、いつも私の愚痴なりに付き合わせていた。はじめ、男はあまり自分のことを話さなかったが次第に話すようになった。話を聞くうちに、私と同じように心の奥底の扉を閉めており、誰にも触れさせたくないんだろうなと薄々感じた。

お互い中身を聞いてはいけないような空気は分かっていたと思う。近くで話してるのにあるはずなのにとても分厚いアクリル板が遮られているように感じた。どういう人か知りたくなって好きになった。けど全く勝算はないので、あっさりと別れを告げた。

 少し経ち、男とはバイトで再会した。男は仕事はできて頭も良く、そこのエースだった。女は仕事のできる男に惹かれるものだ。だけど、自分も頑張って対等になってやるとムキになって仕事をした。でも頭脳、仕事、周りの配慮、何をとっても月とすっぽんぐらい差があった。そんな私は追いつける訳もなく、周りの人にさえ必死になっても勝てなかった。全然できない私を社員が嫌うのもドベも入った当初薄々分かっていたことだった。しかし、何より1番心がズタズタになったのは男の優しさだった。ミスをカバーしてくれたり、細かく指示を出してくれたり、困るといつも助てくれた。あぁなんですっぽんなんだろ。何にもできないんだろ。申し訳ない気持ちと自分にイラついて泣きながら帰ることもしばしばあった。申し訳ない気持ちと仲良くなりたい気持ちの狭間で悩んだ。悩みながらも昔よりか大分仲良くはなれた気がする。そして、ちょいちょい自分の闇というか、聞くに聞けないことも話してくれた。やっぱりそうかと答えと当ってることが多かった。けど私は仕事のできない負い目などから自分から話せなかったがおそらく私のように見透かしてだいたい分かっていたと思う。

結局、また何も言わず去ってしまった。というか、有能な人間がゴロゴロ入ってきて居場所がないと思ったので、その人たちが入ってくる前に辞めたのだった。

この結果、私は自分に自信をつけなければ一生誰とも居れないのだろうなと感じた。もし自信があれば、仕事はできなくても明るくいれたら何か変わったのかもしれない。

友達にこの事を話してみたら、似た者同士はくっつかないよ。と言っていた。確かになと思ったし、今度はやることはできたからか、なぜかよしっと吹っ切れてすっぽんの自己中な恋物語に幕を閉じた。





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