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【文化の反復横跳び〜具⇄抽〜】

"北欧ぽさ"を日本にも転用させようと思い始めて3年くらいが経ちました。何年か前、先輩に「外の文化を根付かせるにはどうすればいいですか?」と相談して困らせたことがあります。
#文化を浸透させた人に相談すべき

一年ちょっとあれやこれやと僕なりにやってきた訳ですが、これまでの結果を四捨五入するとどうやら北欧に興味を持つ人や、来たいと思う人への助け舟になれているようです。
#あくまでも四捨五入した結果です

ちなみに日本を北欧化させようとしている訳ではないのでご安心下さい。北欧に見習おう(見倣おう)と言うとしかめっ面をする人が一定数いることは知っているし、そもそもマス(大衆)が消え社会が分派の流れにある今、同じ波長を持つ人と手を繋ぎたいだけのことです。

話を戻して、この"北欧ぽさ"というのは文化を根付かせるということになるので、並大抵の努力で為せる技ではありません。

その上、"北欧ぽさ"に公式を見出したとしても、それを違う式でも当てはめるとなると話は違ってきます。転用できるように形を変えることが大切だと思っています。

つまり、
まずは具象化したもの(文化・慣習)を見つけ、
次にそれを抽象化・概念化し、
その上で違う文脈に沿うように再度具象化する、
という流れが文化の転用の方法論として正しいのかなと思っています。

ややこしい話をしていると思うので、じっくり噛み砕いてみます。


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例えば、、スウェーデンのフィーカ
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「フィーカを日本に根付かせたい」(具)

「コーヒー文化と翻訳されがちだけど、抽象化すると「友達との余白時間」になる(あくまでも僕の解釈)」(抽)

「友達との余白時間を作ることができれば目的は達成できる。ということで、都会の中に緑のオアシスを作り、その付近にコーヒースタンドをオープンする」(具)

人は勝手に自然に集まってくるので都会のオアシスには人がいる前提で、その上でコーヒーを片手にのんびりと話が出来れば、その当事者らはそれをフィーカと呼ばずとも形式的にフィーカをしていることになる。
#あくまでの転用の一例です
#そして今僕の頭にある都会のオアシスは丸の内ブリックスクエア

もう一つ。


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今度は、日本から海外への文化輸出の例
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「日本の巻き寿司ええやん」(具)

「見た目に華があり、それでいて気軽に食べられるものをうちの国でも浸透させたらええやん」(抽)

「海苔を食べる文化はないから、米と海苔を逆転させて売り出したらええやん」(具)=カリフォルニアロール

僕たちからすると、カリフォルニアロールを巻き寿司と呼んでほしくない気もしますが、彼らの出来るように真似たつもりなはずなのでそれで良いのではと思います。
#日本発祥のナポリタンを見てイタリア人に何と言われるか考えてみよう


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文化の広め方
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文化に広め方なるパッケージがあるのかは不明ですが、おそらく正しい手順としては「具象→抽象→具象」だと思います。

ジブリ映画を完成品そのまま海外展開するのは愚行だとすぐわかるはず。日本語を理解できる国は日本だけなので、吹替にするなり字幕を付けるなりする必要がある。

同時に、その映画のメッセージ(骨子)を汲み取り、それを壊さない範囲内で内容を書き換えるということもありうる。それは宗教的な理由から手を加える必要性が出てくるのかもしれないし、ジブリ映画の描写だと海外で理解出来かねる可能性がある部分についてはそこをその国の慣習に寄せてすり替える、とか。
#ジブリ映画はあくまでも一例
#ノルウェーのskamがアメリカではまさにそうらしい

とかく、これだ!と思った文化については、まずそれが何者であるのか、骨組みは何なのかという本質が出てくるまでに掘り下げることが大切だと思います。その上で、先程の具象自体が日本でも応用可能であればそのまま具象化しなおして良いし、さすがに日本では難しそうなら若干形を変えて再度具象化することで応用に近づけることができるはず。

文化をまんま浸透させようとすると、「文化の押し付けだ!」とアンチが発生するので、上品に絡めながらじわじわと馴染ませるのが賢いやり方だと思ってます。この辺はデザイン力が問われてきそうです。

それこそ、北欧の社会保障を根付かせたいというのはなかなか愚かなことだと思っていて、あれはデンマークの規模感だから出来たことで、デンマークの歴史が作り上げたことで、デンマークの自然によって人が感化された背景がある、というところまで深掘りする必要があると思います。

消費税25%などもってのほかで、見るべきはそれが生まれる背景や思考で、そこに学び、盗むことです。

北欧の社会保障の骨組みにはいくつか要素がありますが、「ユニバーサリズム」「大きい政府」「平等主義」など制度よりもそれが生まれた思想やその制度の基盤にある思考に目を向けたほうが話は速いです。

この具象と抽象の反復横跳びは全ての文化に当てはまることではなく、例えば茶道や歌舞伎なんかは形が変わってはいけないものだと思います。それでも広める価値があると思えるものであれば、虫の目・鳥の目・魚の目で見ると上手くワークしていくと思います。

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