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ぼくはなぜ、もっと早くこれを見なかったのか。

「天気の子」を見た。昨日オスロの町をぶらぶらと歩いていたら、weathering with youの文字が。その時たまたま一緒にいた知人はすでに見たようでゴリ推しされたので、今日早速行ってみることに。

日本で上映されていたのはちょうど一年程前で、調べるとノルウェーでも上映されたのは3.4ヶ月ほど前。なぜか最近になって日本の映画(ジブリなど)が再上映することになったようで、せっかくなので「天気の子」を見に行ってみた。

映画を見る前にタイトルからその内容を想像するのが結構好きで、邦題と洋題で異なっているとオチがわかることがある。

アナ雪などかそれかな。今回でいえば、「天気の子」と「weathering with you」。weatherは名詞で天気を表すが、今回は動詞として使われている。この際は、天気ではなく、風化するや、災難を乗り越える、などの意味合いになる。

with youなのでもちろん「あなたと乗り越える」として使われていると、予め教えてくれている。実際に見てみると、最後は主人公2人が乗り越えるシーンで終わる。

この予想が当たっても外れても、いずれにせよ楽しさが増すのでなかなかオススメの映画の見方だ。

総じて、満足度はかなり高い。もう一度映画館で見たいと思える作品だった。HodakaくんがHinaちゃんを追いかけるクライマックスのシーンで、気付いたら視界がボヤけて滲んでいた。映画の数こそ見てないかもしれないが、こんなことが起きるのはアルマゲドン以来2回目かもしれない。それくらいに見応えのある内容だった。

奇しくも、この内容は現在の日本を投影しているかのようにも思えてしまった。天災の多い日本だからこそ生み出された作品なのかもしれない。

24にして最近初めて見た「風の谷のナウシカ」も同じような文脈で語れるところがあるように思う。

どちらも自然との共生、折り合いの付け方などこれからの人類の道標を考える動機付けになりそうな作品だ。

一つだけ気掛かりだった点がある。Hodakaくんが船に乗っているシーンが最初と最後にあるのだが、どちらもその船にノルウェーの国旗が施されていた。これは何を意味しているのだろう。

少し調べてみたがこれといった答えは得られず。ただ、新海誠は村上春樹の作品にインスパイアされているという記述を見つけた。かもすると、彼の「ノルウェイの森」が何かを暗示しているのか。ノルウェー在住者として、そのアンテナは鋭いのでここだけ気になっていた。

とはいえ、かなり満足度が高い作品だった。リアルな東京の風景が走馬灯のように脳内を駆け巡り、どこか懐かしさを感じると共に、そのリアルさ故にふるさと東京に戻りたくもなった。

追記)
ノルウェーで初めて映画館に行ったのだけど、今日感じた違和感を2つほど。

①上映前の広告がまるでYouTube
日本の映画館で映画を見ると、必ず他の映画の予告編が流れる。これをきっかけにして他の映画にも足を運ぶ人が一定数いると思われる。

が、今日不思議に思ったのは、広告の種類が映画の予告編ではなく企業のコマーシャルだった点(Telenor, Extra, Kiwi, Millsなど)。今回がノルウェーにきて初めての映画館ということもあったから理由はよくわからない。

やっぱりどこも映画製作など出来ないから(そもそも宣伝する映画がない)ただのコマーシャルになったのかな?それは仕方ないけど、初っ端からどこか心が白けてしまった。

②上映終わりの退出スピード
もちろん天気の子が日本映画で、最後のテロップが全て日本語であるからそうなのかもしれない。

最後のシーンが終わり、エンディングに入るや否や会場が明るくなった。暗いままお客さんが退出するのは、まだわかるけどエンディングまで終わってもないのに会場を明転するのはいかがなものかなと思った。

テロップを理解しないにしろ、ノルウェー人の心には「余韻の心」がないのか。

もっと言えば、エンディングの曲が流れるとすぐに清掃の人が入ってきた。もちろん最後まで見てた僕は最後のお客さん。終わってもないのに掃除を始められると僕も意味のない罪の意識を少しばかりか感じる。

総じて、映画自体は満足だったけど、場の作り方には少し低評価だなぁ。場の雰囲気が悪いと、無意識にそのコンテンツ(映画)の内容にも悪印象が残ってしまうので気を付けたいところ。

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