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絵に対象年齢はあるのか?

まつきれんです。デンマークの大学院にて「福祉のデジタル化」について学びながら、北欧情報メディアNorr北欧留学大使の管理運営をしています。

毎度のお知らせとしては、Norrにて「北欧に関する記事」の募集をしています。対象のジャンルは設けていなくて、幅広く募集しているので、観光系の記事なり、フィンランドの教育なり書かれている方がいらっしゃいましたら、是非ご応募いただければと思います。Norrと応募者さんの媒体を繋げられたらと思っています。


さて、ここ数ヶ月間接照明にハマっております。デンマークは4時ごろには暗くなる上に、曇り・雨の日が立て続けに続いているので基本的に暗いです。こうしてギターを置くといい感じに光が分散していい感じです。
#語彙力がない

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【絵に対象年齢はあるのか?】

絵を描くようになって早いもので5ヶ月ほどが経ちました。あまり上達していないのですが、最近は自然現象やファインダー越しに見える景色をそのまま絵にする練習をしています。今は、トイストーリーのバスを描いていて、その背景に玉ぼけ(ファインダー越しの景色)を持ってくるという作品を描いています。

絵を描き始めた理由は紛れもなく絵本を描くためなのですが、そもそも絵本を読んだことのある記憶がほぼないので、図書館でパラパラ読んでみたりすることがあります。「絵本の素養がない」というのはこれまでの経験を元に摘み重ねられた色眼鏡が”良い意味で”ないので、平等に判断ができます。

絵本の多くは、「絵と文」によって構成されていて、それぞれが分業によって作られる場合もあります。たまに絵だけの絵本がありますが、絵だけで感情をコントロールできるのはなかなかのスキルが必要で、それでいて言語の壁がないので完成した瞬間から世界に窓が開いています。

そんなこんなで、文についてはデンマーク語を解さないのでよく分かりませんが、絵について言うなら飛び抜けて画力があるわけではないと思っています。言うなら「絵で感動する絵本」を知らないと言うことです。内容あっての絵本なので絵だけで評価するのはあまり良くないかと思います。それに、そもそも「飛び抜けた画力」がないとあえて言いましたが、これは絵描きさんのスキルをなじったものではもちろんありません。

今に見るイラストレーターさんの中にもポップなタッチ(LINEスタンプのイラストとか)を得意とする人がいて、それに沢山のファンがいます。あーいうちょっと庶民っぽい感じの霞んだテイストのイラストって描けそうだなって思いません?

デンマークの図書館にある絵本をざーッと見渡した感じ、「リアルな絵」を描いている絵本はなかなかありません。でも、そもそも絵本ってポップな絵が描かれていても良いし、リアルなタッチの絵が描かれていても良いですよね。

これはどっちが良いと言う話ではなく、好みの問題です。

ここはちゃんと整理しておいた方が良いと思っています。芸人・絵本作家として活躍している西野亮廣さんがコメントしていたことと重なりますが、絵に対象年齢はないはずです。

写真のようなタッチの絵に心を動かされる子供もいれば、ぐりとぐらのようなタッチの可愛らしい絵を好む子供もいる。ピカソのような独創的な作品に目を輝かせる子供もいるはずです。

それを買い与える大人の都合で範囲を制限してしまうのにはあまり同意できません。これまでの絵本をみていると、あたかも「子供はこういう”柔らかい”絵が好きなんでしょ〜?」「子供は目がクリックリのキャラクターが好きだよね?」「シンプルでカラフルな絵が子供っぽいよね?」などという大人達の声が聞こえてきます。こうした声にならない声は純度100%大人達の偏見によって作られ、一般化してしまいました。これは、作品自体を否定しているのではなく、ジャンルの幅に制限がかかってしまっていることに疑問を覚えるということです。

バスケでいうなら、かつてダンクシュート(ボールを直接リングに叩き込むシュート)が花形でした。これにより、バスケットボールは高身長のためのスポーツでした(身長で制限がかかる)。一方、現代バスケットのあり方を変えたと称されるステファン・カリー選手は遠くからのシュートを得意とします(3Pラインより遠い)。彼の身長は190cmと少しだったと思います。一般的な男性からするとだいぶ背が高いですが、2m超えが普通のNBA選手からすると小柄な選手です。

彼には、プロになる前から、恵まれない体格のコンプレックスとともに他者からの評価が芳しくなかった過去があります。しかし、ロングディスタンスからのシュートに華を持たせた彼の功績により、バスケットボールの楽しみ方の幅が広がりました。彼の圧倒的な努力とスキルのおかげです。

こうしたことはなかな絵本業界では起きてなさそうです。


【なぜ絵本の絵は似通うのか?】

全部の絵が一様に「似通っている」というわけではないのですが、系統は似ていると思います。「可愛い系」「柔らかい系」などなど。

なぜこの現象が起きるのかについては、「絵本の買われ方」という構造上の問題があります。普通、人は買い手が欲しいものを、その買い手自身がお金を払って買います。コンビニのお弁当でも、日の丸弁当なのかカツ丼なのかを選ぶのはその買い手(購入者・消費者)です。

お金を持っていない子供がゲームを買う場合についてはどうか。ほぼ確実に親を引き連れてトイザらスに行って、自分でゲームを選びます。この場合、お金を出すのは親御さんですが、選ぶのは子供です。スーパーマリオにするのか、ポケモンにするのか、ファイナルファンタジーにするのか、子供の好みによって変わります。親が子供にゲームソフトを買い与えた、という話をあまり聞かないと思います。

つまり、お弁当にしてもゲームにしても、それを選ぶのは「購入者」ではなく、「消費者」そのものです。


ここで、絵本はどうなるかというと基本的に「親が買い与える」という構図が存在します。絵本を楽しむ張本人に選ぶ裁量権が与えられていないんですね。したがって親の好みで子供が読む絵本が決まってしまいます。

今年の夏、僕はオスロにいたのですが、その時母校のOBOG会(ノルウェー稲門会)の定例会に参加させていただきました。その時、お子さんがいる先輩もいました。2歳とか3歳とかだったと思います。それで、その先輩は絵本を渡して読ませていたので、「どうやって絵本を選ぶんですか?」と聞いてみると、「大体自分が子供の時に読んでいたもの(自分の実家にあるもの)かな」と答えました。

ここからわかるように、やっぱり絵本は親が良いと思ったものしか選ばれない、もっと言うとその親も自身の親が選んだ絵本を読んで育ったので、一生子供自身が選ぶターンがこないと言うパラドックスに陥ります。

こればっかりは構造上の問題なので、ある種仕方がないところもありますが、1つ大切だなと思うのは「絵に対象年齢はない」ということです。

それを楽しむ当事者自身が選べるようになれば良いなぁと思います。


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