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連句よもやま話

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連句にまつわる耳寄りなお話をどうぞ。
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#現代連句

俳諧奇談連句雑談 その三  梅村光明

俳諧奇談連句雑談 その三  梅村光明

 今回も引き続き『醒酔笑』に掲載された、連歌・俳諧絡みの笑話を今風に読み下して参ります。
 「東京やなぎ句会」の発足時からのメンバーの一人、矢野誠一氏の著書に『落語歳時記』というのがあり、その新年の項の「初天神」について書かれた箇所では、天満宮での神事としての「鷽替」が説明され、それに関係す
る記述の原典として、『醒酔笑』巻之一、「謂被謂物之由来」の冒頭のエピソードが紹介されています。それが左記の

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俳諧奇談連句雑談 その二  梅村光明

俳諧奇談連句雑談 その二  梅村光明

 『醒酔笑』(一六二八年編纂・安楽庵策伝・岩波文庫)から、引き続き連歌に関わる笑話を紹介しましょう。

  〈有馬の湯が腰折れに効く〉
 宗祇が有馬温泉に滞在中、人々が寄り合って歌などを詠んで遊んでいるところに出くわし、「ここに居られる旅の僧も、もし思いよりたる事あらば、言うても見給え」と傍若無人の扱いに、「音に聞く有馬の出湯は薬にてこしおれ歌の集まりぞする」。

  〈連歌用語で小言〉
 連歌に

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