見出し画像

40歳でベンチャーに転職した私が得たものと手放したものと、結局どうだったの?

転職して、2024年の3月末で丸々1年が経ちました。
転職してから色々な人に会うと、「長く勤めた会社を転職するのに勇気がいりませんでしたか?」と聞かれました。
今日はそんな私が、自分の棚卸しも兼ねて「実際転職して、得たもの、手放したもの」を記載します。
「転職しよっかなどうしよっかな」という方に、何かの参考になればうれしいです。

ちなみに私の基本前提はざっくりこんな感じです。
・転職回数は3回(新卒で大手→ベンチャー→ベンチャー(から上場して大手になる)→ベンチャー)
・13年勤めた会社を40歳で退職(採用担当として上場も経験。リーダー、管理職としてマネジメントも経験)
・友人の立ち上げたベンチャー企業(本社2.5名体制)に入社して1年(社長直下のポジション)


転職前:転職する目的と自分にとって何が大切かは、トコトン考えた



転職する前の数年間、私はモンモンとしてました。

今の環境を変えたい。転職したい。
でも本当にその選択でいいのだろうか?

なぜなら、創業メンバーとして、上場にも関わった会社、尚且つ採用担当として第一線にいた会社は、私にとって我が子のような、大好きな存在だったから。

それでも転職しようと思ったのは大きく3つ理由があります。

・このまま会社の中でポジションが上がっていくことが自分にとって幸せと思えなかった(もう少し現場の最前線でやりたい)
・大きい組織ではなく、小さな組織の中で、手触り感のある仕事がしたかった(より自分の名前で仕事ができる環境)
・もっと自分を発揮していきたい(チャレンジする人生にしたい)

この結論に至るまでにはだいぶ紆余曲折しました。
安定している企業、大手企業でしか出来ないこともあるんじゃないか。
このままここにいても、今自分がやりたいと思っていることはできるんじゃないか。
今出ることは、リスクなんじゃないか。
たくさんの問いを自分に投げかけてみました。
自分の価値観の棚卸しをするために、研修を受けたりもしました。

求人探しではなく、自分の望みや価値観をしることに、半年間時間を割きました。

で、結論は「ここを出てチャレンジしよう」でした。

現職の社長は、そんな模索の数年間の中で数年ぶりに再会した友人でした。
再会を機に、たくさんの会話を重ねた中で、一緒にやろうと決めたわけです。
自分の中で決めると、それに相応しい人が現れるんだなと思う体験でした。


前職の退職時に、チームメンバーからもらった花束。


実際に転職してみてどうだったか

そんな私が、転職して「得たもの」と「手放したもの」をまとめます。

得たもの


1、自己効力感

自己効力感とは、「自分ならできる」「きっとうまくいく」と思える自信のことです。簡単に言えば、「自分への信頼」です。

チャットGPT先生より

自分への信頼感は、本当にこの1年で増しました。
なぜかと考えると「自分がやったことないことにたくさんチャレンジし、うまくいったこと、うまくいかないことをたくさん経験したから」です。

たいていのことは何とかなる、どうにかなる、大した問題じゃない、仲間と一緒に乗り越えれば良いと思えたことも大きかったと思います。

気付いたら自信がましていました。

転職先がベンチャーだったので、社員が少ないことで、全ての結果がダイレクトに自分に返ってきました。
大手であれば分業だったことが、ベンチャーでは全部自分だけでやらないとならないこともあります。
それなりに、大きな会社で、リーダー的なポジションをしていた私でも
「ああ、、、こんなにできないこと、知らないことがまだまだあるのか、、、」ということ、うまくいかないこともたくさん経験しました。


打ちひしがれ、何度空を眺めただろうか、、、



でも、一番私の自信になったことがありました。
それは、大きな組織にいた時には知らぬ間に見えなくなっていた自分の価値、強みに気づけたことです。
それは、人から喜んでもらえる経験を、自分の想像以上にできたからです。
自分ではそんなに大したことはできないと思っていましたが、自分で思っている以上に積み上げた経験には価値があるということを、外に出て初めて気づくことができました。
クライアントや、転職先の仲間に喜んでもらえることが、何より自分のモチベーションになりました。

そしてもう一つ幸運なことに、経営者の近くにいて、的確で継続的なフィードバックをもらい続けられたことが本当に大きかったです。
正直、自分の思わぬ自分に気付いたりして、自分が情けなくなり、ズタズタになったことも数知れず、何度も泣いたか分かりませんよ、、。

でもその結果、気づけたこと、成長できたことがたくさんありました。
これは、誰と働くか、ということにおいて自分の感覚を信じたことが正しかったと思います。現職の社長にはとても感謝しています。

時に島根県まで行き現地の方々と交流を深めたりもしました。思わぬ世界と繋がっていく感じも転職してからたくさん経験しました。



2、積み上げればいいという気づき

誰しも苦手なことがあると思うんですが、例えば1年前、転職時の私はこうでした。

・人前で話すことが大の苦手(極度に緊張する、人からの視線が緊張しすぎて体がフラフラする、ちなみに人一倍手汗もかく)
・論理的に考え、相手が納得するように伝えるということに何となくずっと苦手意識がある
(感覚として察知することが得意だが、それをうまく言語化し、順序立てて相手が納得できるように話すのが苦手)

で、今はどうかというとこんな風に変化しています。

・人前で話すことに前ほどビビらない(少なからず楽しむ余裕、届けようと思える気持ちが出てきた、手汗はいまだにかく)
・論理的思考はトレーニングすれば強化することができるとわかった
(今は自分の感覚的なところも以前よりは言語化できるようになり自信を持って話せるように)

自分が慣れ親しんだ環境から外に出たことで、当たり前のようにできないことや慣れないことにさらされるわけです。
そして、「苦手だから(苦手だと思い込んでるから)私やりません!」とはいかないことも多数出てくるのです。

なので「考えること」「場数を踏むこと」そして「学び直し」をしました。

それを繰り返した先に、ちょっとうまくなってたりするんですよね。
「ああ、結局のところ場数って大事やな」というのが今の感想だし、場数を踏んだことで自分の変化を体感することができました。
結局、その方ができることが増えて、自分の強みもさらに発揮できるようになって、めちゃくちゃ楽しくなりました。

苦手だからと、諦める必要ないなと学びました。


人に見られることに慣れる!という意味で、セミプロみたいな友人に写真撮ってもらったりました。これもまあまあ勇気がいりましたねん、、、


3、人のつながりへの感謝

転職して得たもので、一番大きかったのはここかもしれません。
転職して、ありがたいことにいろんなお仕事ができたわけですが、転職先の既存事業だけではなく、前職のつながりや知人、友人から「ささきさん、こんなこと相談できませんか?」みたいな相談から仕事になったことがたくさんありました。

前の会社を出たことで、
「私はこんな風に思われていたんだ」とか「こんなところを信頼されていたのか」とか「こんなところが強みだったのか」と気づくことがたくさんありました。
それは、知らず知らずのうちに、前の会社にいたことで築かれた人とのつながりや、磨かれた自分自身のスキルでした。

だから、在籍時よりも、以前の会社への感謝や、前の会社に採用してくれた社長への感謝が増しました。

そして、自分が中心になって売り上げを作っていかないとならない環境に身を置いたので、とにかく人(新しい人、昔からのつながりの人)にたくさん頼りました。想像以上に、人から助けらたんですよね、、(ありがたい)。
それは、人脈という言葉でくくるとちょっとチープな感じがしますが、20代、30代で築いた人間関係が40代になってこうも活きてくるか!というのは驚きでした。

もちろん、私自身もたくさんの人の相談を受けたり、力を貸したと思います。
そうやって「人と助け合う」ということを、リアルな体験としてたくさんたくさん経験できたことで「人へのつながりの感謝」は1年前と比較にならないほど増えました。

で、これは仕事に限らずで、プライベートでも素敵な出会いが増えたんですよね、、不思議と、、、


転職して出会った皆さん


繋がりは国境を越える


手放したもの

逆に手放したものはこんな感じです。

・自分がやる必要がないこと(何かを手放し日常に余白を作らないと色々手が回らなくなる)
・変な遠慮(もともと自分が引いてしまう性格ゆえ、図々しさを増さないとやってられないというのがあった。それくらいで私にはちょうど良いみたい)
・食わず嫌い(これ苦手だし、、と自分で決めつけること。案外やってみるとむいてることもある)

不要なものは捨て、身軽になったところに新たなテーマをのせていく。
手放すということは、「限りなく素直になる」ということなのかもしれません。


で、結局今はどうなの

一言で言えば「めっちゃ楽しいですよ」です。

振り返れば、私が転職すると決めた時、基本的には応援されつつ、いろんな人に色んな感想を言われました。

・もったいない(安定した会社にいるのになぜ捨てるのか?)
・余裕があるからできる(普通の人にはリスクあってできない)
・あなただからできる(人から見ると度胸があるように見えるらしい)

で。。。。ここだけは言わせてくれ!


私自身、別に高額な給与や条件を積まれて来てくれと懇願されたわけでもないし、何ならものすごく生活に余裕があったわけでもないです。そして選択するまでに、考える、人に相談する、学び直しをするなど、コスト(時間もお金も)をかけ、2年近く準備しました。
その前数年間は、3年ほど家族の闘病、前職でのマネジメントでの苦悩なども背負い込んで、余裕は皆無でした。

でも、この選択をすると決めた時には、自分の何かを「捨てる」という感覚もなかったです。
もっといえば、自分にとって大切なことをしっかり言語化し、腹落ちさせて決めたから、迷いがなかったです。
今が挑戦というか、その選択をする時だ!
それがたまたま私にとっては、40歳のタイミングでした。

それは自分なりに信じていることがあったからです。

・自分自身がまず今この瞬間を充実させることが何より大切
・流されるように生きてたらきっと後悔する

あと60年を幸せに生きるために、今自分にとって最良の選択をしよう
・誰と一緒に過ごすかが自分にとって大事(ワクワクできるか)


何かを手放したように見えるかもしれないこの選択は、結果的に私の人生を豊かにしてくれ、得るものの方が圧倒的に多かったです。


1年お疲れ!を兼ねて甥っ子(7歳)と一緒に旅行に行ったりもしました。

幸せな転職をするために大切だと思うこと


究極的に言えばこの2つかなと。

「自分にとって幸せな転職とは何かを考え抜く(考える過程で人の力を借りたっていい)
「選んだ環境を自分にとっての正解にしていくと決める」こと。

この辺はまた、別途書きたいなと思います!

今はエージェントとして、多くの人の人生の決断の瞬間に寄り添えることが、私にとっては最高に幸せです。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

転職体験記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?