ファンのあの子を忘れられない話
アーティストはファンやお客さんのことを有象無象のように思ってるイメージを持たれますが僕のバンド人生の中で今でも忘れることのできない子がいました。
その子はバンド初期からのファンできっかけは対バン相手のお客さんでした。
そこからSNSでお礼ツイートをしたことをきっかけに僕らのバンドに興味を持って足を運んでくれるようになってくれました。
別にメンバーの知り合いだとか特別な関係だったとかでもなく、なんでもないきっかけでしたがその子のことは忘れられません。
ライブはアーティストだけのものじゃない
その子は当時高校生でした、恐らく少ないお小遣いを使って何度もライブを見に来てくれてました。
そしてその子の定位置は大抵下手側で、簡単に言えば僕の目の前です。
かといって僕のファンというよりかはボーカルのファンというよくわからない立ち位置で聴いてたことも印象的でした。
けれどもその定位置にいたことで僕からはその子の表情がよく見えました。
その子は曲を聴いてる間、笑顔だったり涙を流したり色んな表情をしてくれていました。
泣ける曲だから泣く、楽しい曲だから笑うといった形ではなく同じ曲であろうとその日によって違う表情を見せてくれました。
その子はその日の出来事や心情をライブ終わりに伝えてくれて、曲に重ね合わせて聴いてるということを知りました。
そんな気持ちで曲を聴いてくれているというと自ずとライブにも気合が入りその子の表情が気になるようになってました。
その子の取置き時の名前やどこから来てるかくらいしか知らないのにずっと印象に残っています。
よくライブに行く人は毎回違うライブをしてくれると言うことがありますが、逆も同じです。
お客さんでも毎回違う表情を見せてくれます。
今はライブ配信も増えてますがやはりライブでしか味わえないことはあると思います。
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