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介護保険、その後

以前、介護保険申請をした話を書いた。
その時はまだ保険証が届いていなかったが、その後、2月末ごろ、保険証が届いた。
「要介護2」となっていた。
トイレやお風呂などは普通に行けるが、体幹が動きづらいために、寝起きする時、体を起こすのが大変なのと、腕が高いところに届かない、重いものが持てない、背中が曲がって、トボトボしか歩けない。靴下履いたり、足の爪を切るときに、胸の中の板のような塊がお腹に刺さって、屈みづらい。そういう状況を鑑みての「要介護2」。

現状、料理は自分でできるが、フライパンを振ったりはできない。長い時間、シンクの前で洗い物してると腰が痛くなる。
今、たまたま住んでるマンションの水回りに工事が必要になり、洗濯機を使えず、コインランドリーに行くのだが、コインランドリーまで洗濯物を運ぶ時は台車に頼っている。

介護保険が届いてから2ヶ月、まだ家事はある程度できるので、保険を利用してなかったのだが、このところやはり、起き上がるのが大変なので、介護ベッドをレンタルしようと決意し、ケアマネージャーさんに相談した。

人による手助けもありがたいが、道具があるだけでも随分楽になる。
必要な時には、素直に人の手は借りればいいと思うが、道具を使って「自分でやれる」ということは、自分の体力への自信にもつながり、精神衛生上も良い気がして、とりあえずは道具だけ借りることにする(この後、一応、何か家事をやってもらえるよう週一でヘルパーさんに来てもらうことにした。コインランドリーに溜まった洗濯物を持ってってもらおうかな)

ベッドを入れるにも部屋が狭く、すでにソファが鎮座していて、置く場所がない。これまでは床に布団とトゥルースリーパーを敷いて寝ていた。
体幹が捻れないため、また、日によって楽な寝姿勢が変わるため、布団の上にソファから抜いた四角いクッションなどを、丁度良い場所と高さに積んでは寝ていた。しかし、このところ、寝姿勢がどうこうよりも、腹筋や背筋に力が入れられなくなって起き上がることに難儀していた。

部屋の片付けは友人が手伝ってくれ、ソファは福祉用具貸出の会社が一時的に預かってくれるという。処分先とか保管先とかが見つければ、その会社がそこまで運んでくれるとのことだった。

カタログを見ながら、ベッドの説明を受ける。
私は寝たきりというわけではないし、起き上がること、寝転ぶことに難儀するので、それを解消するためにベッドマットが電動で起き上がり、高さを変えられるという機能があればよく、それほどいろいろ検討もすることなく、種類は決まった。

介護ベッドは、ベッド本体、マットレス、体位変換器、移乗用具、床ずれ防止用具ほか、手すりやテーブルなど、いろんな部品に分かれていて、使う人の状態によって必要なものだけレンタルできるようになっていて、料金もそれによって積み上がる仕組みだ。

そして、ケアマネさんがベッド導入の相談に訪れた翌日の夕方には、部屋に電動ベッドが設置された。
設置時間は1時間ほど。私はその日、友人と部屋の荷物の処分でトランクルームや宅急便屋を往復していたが、最初、部屋にベッドの機材を入れてもらったら、あとは私が出かけている間に、組み立ては終わっていた。

電動で上半身が起こせるというのは、やはり便利。
起き上がるためにかかる時間はだいぶ短縮された。巨大な背もたれクッションと抱き枕も借りられたので、ベッドがソファがわりにもなり、そこでパソコンを開くこともできる。

ただ、私の場合、体幹の前に鎧ができて、前に引っ張られ、背中が少し丸まっているので、あおむけの寝姿勢で背中を平坦にすると、胸が突っ張って痛い。ベッドマットは低反発のクッションとはいえ、真っ直ぐで、背中の丸みに合わせてくれることはない。なので、寝る時はほぼ背もたれは60度に立てる。このベッド、首から上の部分も電動で曲げられるのだが、背中が丸まって頭が少し前に垂れるので、首の部分も少し起こす。しかし、それよりもさらに頭は前に垂れているので、間に枕を挟んで丁度いい感じに調整する。

以前、酸素カプセルに行っていた時、カプセルの中のマット部分は空気で膨らませてあるのか、ちょっとウォーターベッドのような感触で、身体の丸みに合わせて沈み込んだ。これが気持ちよかった。
もし、ウォーターベッドで電動で折れ曲がるやつがあったら、それが一番楽なんじゃないだろうか。でも、そんなもんないよね。作れたとしても、すっごく高価に違いない。

ケアマネさんとの打ち合わせでは、電動車椅子の話もした。
今、とぼとぼではあるが歩けるし、買い物や徒歩5分以上かかるところは自転車で移動したりしている。まだ、自転車にもなんとか乗れる人間が車椅子を借りていいものか・・。そう思ったのだが、現状、あまりにも歩くスピードが遅く、カートや杖に頼らないで3分も歩いていると、左の腰が痺れてくる。友人らと同じスピードで並んで歩くことは到底できない。
そんな状態だから、ちょっと離れた場所、たとえば駅前のATMに行くとか、スーパーに行くとかの移動手段として、長い距離だけは車椅子で移動して、目的地に着いたら、立って歩くという方法をありではないかと思ったのだ。

というわけで、とりあえず、電動車椅子も借りてみることにした。
これはまだ届いていないので、使い勝手についてはまた改めて報告します。

ちなみに、レンタル料金は保険1割負担で、
電動介護ベッドとクッションで月に2300円ほど。
電動車椅子は月に2700円ほど。合計5000円ほどになる。
この金額でこうした福祉用具が使えるのはありがたいことである。

こうした福祉用具を導入したことを書くと、かなり病状が進んでいるように思える。確かに、胸の下の鎧はより硬く、広がっている感じで、体幹の動きづらさは増している。しかし、先日も投稿したように、血液検査の結果を見ると、体全体の調子はそんなに悪くない。

現在、外に出る時は杖を持ち歩いているし、鎧に引っ張られるせいで、背中がおばあちゃんのように丸まってしまっているので、見た目、病人っぽくはあるけれど、zoomなどで座って話をしている分にはあまり病人には見えないと思う。

よく、「急に具合が悪くなる」なんていうし、末期の人って、死ぬ直前まで元気だったりするんだよね、なんて言葉も聞く。自分もそうじゃないかと思ってしまうこともある。でも、そうじゃないという気もする。
油断は禁物だが、不安も禁物だ。
不安が病気の悪化を呼び込まないよう、今の体の状態は受け入れつつ、その状態でもやれることをやり、無理はしないけど、病人にもなり切らず、臨機応変に自分の体の状態に対応して、日々過ごしたいと思う。

でも、このまえの部屋の片付けはちょっと疲れたな。
私はいるものといらないものの仕分けをしてるだけで、運ぶのは友人2人がやってくれたのだが、いらない洋服を袋に入れたり、車に乗ってトランクルームと自宅を移動するだけでも疲れるものだ。
でも、荷物が少し減ったのはやはり気持ちがいい。とはいえ、まだまだ荷物はある。これをさらに減らしていかねばならない。

朝日新聞の「それぞれの最終楽章」の最終回の見出しでもあるが、
「これまでの人生の最終楽章を終えて、あらたな第一楽章を始めるために」必要なものを取り入れて、いらなくなったものを片付けていく。

でも、捨てられないものもある。それは、自分が50年の人生を通して、やっぱり大切だと確認したもの。もうなんでもかんでも手を出している時間も余裕もない。その大切なものを光らせる努力をしたい。

※在宅で収入を得られるよう、書くことを仕事にしたいと思っています。
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