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【創作テク】第6話「とわ子不在」の隠れた効果

こんばんは。
フジ系列 火9時ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』が面白いんです。
本日は”第一章完結・全員集合地獄の餃子パーティー”と称された第6話の分析したいと思います。
主人公・不在の効果、すごいかも…!?

第6話あらすじ
誕生日の夜、取引先の説得に向かったとわ子(松たか子)との連絡が途絶えた。とわ子の誕生日を祝うため、オペレッタに集まっていた八作(松田龍平)、鹿太郎(角田晃広)、慎森(岡田将生)は彼女の身を案じるが、そこへ早良(石橋静河)、美怜(瀧内公美)、翼(石橋菜津美)が偶然来店し、さながら合コンのような飲み会が始まる。 元義父の旺介(岩松了)から半ば強引に呼び出された八作たちは、とわ子のマンションへ。主不在の部屋で、なぜかギョーザを作り始めることになった元夫たち。その傍らで、女性陣はそれぞれの恋愛の愚痴で意気投合し始めるが…。 (引用元)

「とわ子不在」の意味

主人公は基本的に物語の中心で活躍し、展開をリードする人物です。
そんな主人公を第5話~第6話まで不在にさせるなんて。
これは制作側に絶対に意図があるはず!
ということで、考察してみます。

結論
とわ子を不在にさせた意味:①元夫らの成長を描く 
             ②とわ子の人柄を引き立てる


なんだかんだ、とわ子が大好きで頻繁に現れる元夫らですが、
第2話~第5話でそれぞれ別の女性と恋愛関係が生まれそうでした。

・ホテルで2年間毎日挨拶してくれていた女性に気づかず、顔さえ覚えていなかった慎森
・女優に献身的に尽くし、やっと彼女に振り向いてもらえそうなタイミングでヘマをする鹿太郎
・誰にでも優しく接する性格が仇となり、友達の彼女にアタックされちゃう八作

…と、それぞれの不器用さが恋の進展を妨げます。
(まぁこの不器用さもかわいいのですがね…笑)

第6話ではそれぞれの相手役の女性らが集合し、元夫らの”至らぬ点”に不満をぶちまけます
これぞまさに「地獄の餃子パーティー」。

女性らにコテンパンにつるし上げられた夫ら。
キッチンに3人して身を潜め反省モード。
そんな中、慎森がふと とわ子を思い出し、
彼女がこんな不満を言ったことは一度もなかった、としんみり。

しんしん「僕たちは、大豆田とわ子に甘えていたのかもしれない」

そして、今目の前にある恋愛に、きちんと向き合うべきじゃないかとつぶやく。
鹿太郎、八作も同意。
ここから元夫らの女性に対する行動が変化していく。
(「ダメ男トレカ」から脱却すべくちょっと頑張ってみる。)

ここに、これまでは「女性が振り回してくる」感 満載だった男たちが、
自らの行動を変えるという成長(①)が描かれていると思うのです!!

プラスアルファ、夫らの行動を変えるきっかけとなっているのが「とわ子の寛大さを思い出したこと」(②)

女から見ても
「とわ子は文句ひとつ言わない女性なんだ、かっこええー!!」
ってまた とわ子をスキになるのです。

第6話では
・元夫らの恋愛姿勢に対する成長
・それぞれ別の女性関係の終焉
・とわ子の素晴らしさ (親しみやすいけど、やっぱりすごい女性だ!という)
が描かれており、”第一章完結”を表すところでしょう。

とわ子不在の意味。
とわ子がいると、ついつい甘えてしまう元夫たち。
彼らの成長を描くには、とわ子には不在でいてもらうことが必要だあったのかもしれませんね。


脚本的に学んだこと

第6話から学んだことのまとめですが、

大切な人の存在の大きさは、その人がいない時に一番痛切に感じる。

という真実を逆手にとり、
主人公をドラマから一時的に不在にすることで、

・副主人公の成長
・主人公の寛大さ・偉大さ


を表現できる。

なかなか高等なテクニックなので、自分の作品に活かせる機会が来るかはわかりませんが…メモメモ。


追記雑談ですが、八作のお相手女性  早良(石橋静河)のセリフは、しびれましたね!!

「もう遅いよ。
どこを好きだったか教える時は、もうその恋を片付けるって決めた時だよ。せっかく自分だけが見つけた秘密だったんだから。」

坂元裕二脚本の矢に、ズバズバ打ち貫かれました。笑
キュゥゥンってなるんですよね、キュゥゥンって。(知らんがな
どうしたらこんなセリフが思いつくのか、教えてほしい!!

ということで第二章(?)の まめ夫、来週以降も必見です。

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