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1.ワルザザード/サハラマラソン2019

4月5日早朝、チャーター機で砂漠の入り口の街、ワルザザードへ飛んだ。

今年はサハラマラソンの日本事務局である国境なきランナーズの現地スタッフの方が見送りに来ていたのだが、他の出場者に起きたトラブル対応をお願いすることになり、ろくにお話することができずに搭乗ゲートに向かってしまうことになったのが心残りだった。

機内では今年5回目の出場となるHおじさまの隣の席になる。2年振りにまたご一緒することになるのだが、年代別(60代)優勝を狙う強いベテランランナーだ。

サハラマラソンの後はUTMFに出るとか、100マイルで一番キツイと言われるアンドラのレースに出るとか、相変わらず何言ってるかわかりませんw

そのHおじさまは機内ではスコット・ジュレクの「北へ」という本を読んでいたのだが、これは一体何度読み返したんだろう?と思うくらいに、かなり読み込んだ形跡がある。

すると、Hおじさまの隣に座っていたベルギーからの参加者が、スコット・ジュレクの本を見て、僕もこの間行って来たんだよ、と撮影したアパラチアン・トレイルの写真を見せてくれた。そして、スコット・ジュレクの最速記録を塗り替えたという人(名前を失念)と一緒の写真もあった。

こういう人がさらっと湧き出てくるのがサハラマラソンなんですわ。
去年のワルザザード行きの機内では、私の隣には女子の部総合優勝したマグダレナが座っていて、知らずに普通に(先輩風吹かせて…涙)喋ったし。

そして、通路を挟んで私の隣には韓国からやって来た男女2人がいた。
女性の方に話しかけてみるも、あまり英語は得意ではないようだ。で、何だかんだで、同い年だということが判明し、そこでなぜか二人の距離がグッと縮まる。しかし、まさかこの時、この韓国人選手2人がいろんな所で絡んでくるとは全く思ってもいなかった・・。

そうこうしているうちにワルザザードへ到着した。

タラップを降り、ワルザザードの地に足を踏み入れた最初の印象は、「あれ?暑くない。」思わず、アトラス山脈方面に目を向ける。去年以上に雪を被っている。
出発前日の晩に、先にワルザザード入りしている大会スタッフがFacebookのグループページに「ワルザザードは涼しいから、夜の対策を取ったほうがいい。」という投稿があったのだが、どうやら本当のようだ。

というか、入国審査に並ぶ列がすごいことになっている。建物に入りきらずに外にまで並んでいる。こんな狭い空港に一気にチャーター機が4機も来たら、こうなりますわね。

入国審査の窓口は4つ、そして臨時でもう1つ別室のようなオフィスでも対応しているようなのだが、それでも全然捌ききれていない。

不幸中の幸いにして、空港には無料wifiが飛んでいるし、変な仲間が周りにいっぱいいるから、話したりネットしたりして時間は潰すことができる。

そんな中、Facebookをチェックしていたら、既にビバークにバスで向かっているモロッコ人参加者がロードブックの写真をアップしていた!
うわー、移動のバスの楽しみがなくなっちゃったw 

何時間待っただろうか、やっと入国審査と税関(らしき場所)を抜けて、ようやくサハラマラソンの主催者パトリックと再会である。

先に、今年17回目の出場となるサハラの女王がパトリックと再会の儀式?を済ませ、そして、次は私の番。

「レナー!」

とちゃんと私のことを覚えてくれていて良かった(涙)

私の旦那にすごく似ているスタッフの話を来日時にパトリックがしてたのだが、たまたまちょうど近くにそのスタッフ、ピーターがいたので紹介してもらった。

うーん、似ている、、のかな?

パトリックは「後でピーターと一緒に写真を撮って、レナの旦那にそれを見せようよ」なんて茶目っ気たっぷりである。

そして、バスに詰め込まれ、野営地まで約6時間のバスの旅である。

入国審査でえらい時間がかかってしまったので、着いた時にはあたりが真っ暗になっていた。しかも、ビバークに着いたのに、バスの中で長いこと待たされるという謎の時間があった。

やっとバスを降ろされて、荷物をゴロゴロ引いて野営地に向かって行った時にその理由がわかった。バスの中でテントメンバーを書けという無意味な行事がここ数年行われているのだが、今年はこれに輪をかけて、そのリストを元に水の支給カード、メディカルカードをこの場で渡しているのだ!!

ということで、バスの中で待たされたのは、先に着いたバスの選手たちのその一連の作業が終わるのを待っていた、ということだ。

しかし、年々、非効率になっていくこの受付システムは何なんだろうか。(その受付で、ナタリーとチェリーと涙の再会w)

結局、割り当てられたテントに荷物を置いて、晩御飯を食べたのが夜11時近かったような気がする。しかし、晩御飯を食べている最中にパトリックとまた会えたので良しとする(笑)

移動、移動の長い一日が終わった。


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