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1.ジャングルウルトラ 2022 / Day1:Cloud Nine (35km)



レース前日

まだ日も昇っていない早朝に集合場所のホテルから数台のマイクロバスに分かれて乗り込み、キャンプ地へ出発した。

途中にある市場でトイレ休憩を挟み、マヌ国立公園に到着した。

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一面、雲で覆われていて何も見えん….。

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キャンプ地ではレースディレクターのクリスが選手達の到着を歓迎してくれた。今回一緒に参加する唯一の日本人選手、Y氏が前回の参加者から預かってきたものを渡すと、クリスはその人を懐かしむように受け取り、喜んでいた。

と、そうこうしているうちに、他の選手たちはハンモックステーションにハンモックを設営し始めた。真ん中に1本の丸太、そしてそれを取り囲むように丸太がほぼ(?)等間隔で打ち込まれている。

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中心を囲んでいる丸太の数だけ、ハンモックを設営できるということだ。

1サークルあたり、5−6人ってところだろうか。中心と外側の丸太の間隔が思ったより狭くて、設営に苦心する。ボランティアスタッフで出場経験もあるキャロラインが紐の結び方の手本を見せてくれた。


そして、レースディレクター、クリスによるレースブリーフィングが行われた。彼の背後が雲海とはさすが標高3,400m位の山の中だけあるわ。

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レースについてはほとんど他のステージレースと同じような内容ではあるが、さすがジャングルだなと思ったのが、レース中に怪我や病気などになった場合、ここから一番近い医療機関はクスコにあり、何だかんだでそこに搬送されるまでに最大13時間をみておくようにと言うではないか。

うわ…まじか。

下手したら助かるものも助からないって場合もあるので、これは何かあったら即リタイアだな、と心に決める。

そして、蛇に噛まれた時の対応だ。
蛇に噛まれたら、その蛇を掴んで持ってこいと言う。と言うのも、蛇の種類によって処方が変わってくるとのことだ。わ、私、掴んで持っていく勇気はないので、iPhoneで写真撮るってことで、よ、良いかしら…?

ジャングル、むっちゃ不安だわ….ってな感じなんだが、翌日からレースだ。





Day1: Cloud Nine

朝を迎えた。
前日の晩は雨は降るし、とにかく寒くてヤバかった。前回(2019年)参加者から最初のキャンプ地の夜は寒いと聞いて、対策を打ったつもりではいたのだが甘かった。

前回も参加したイギリス人選手によると、前回よりも寒かったとのことだ。ならば仕方がないってことで、自分を無理矢理に納得させる。


いやあ、しかし美しい雲海と朝焼けですこと。

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今日は標高3,400m地点から一気に1,000mほど下るコースだ。ただひたすら下るだけと思っていた自分が甘すぎたと後に思い知らされるとは梅雨知らず。



7時スタート。
みんな一斉に林道をダッシュで下り始める。

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ってですね、ずっとこの林道を下っていくのかと思いきや、2kmくらいの所で脇のシングルトラックのトレイル、山の中に入っていく。完全に「歩く人」で行くと決め込んでいた私はいきなり最後尾になってしまった。

まあいいや、のんびり一人旅しますよ。

山の中に入ったら、もうそこはジャングルなのかな?と思ったのだが、うーん、普通に日本の山のような感じである。ジャングル感はほとんどない。緩やかに登ったり、下ったり、早く林道に戻りたいよーと思ったら、めっちゃ急な下りが出てきてビビりながら、ちょこちょこと下っていく。

下った先には川がある。
そして、川を渡った先には人影が見える。あそこがチェックポイントか。

チェックポイントは見えても、この急な下りが怖すぎて、よちよちよちよち下っていく私。ボランティアスタッフからも見えているから、
「あいつ、何ビビってよちよち下ってんだ?」
くらいに言われてそうだな(汗)


Photo Credit: Beyond The Ulitimate
CP1手前の川渡り



で、下りきって、チェックポイント通過する。
って、今度は急登ですかっ!

しかも、昨晩の雨でちょっとドロッとしているところがあり、足を滑らせて、ずるずるずるーっと3歩進んで2歩下がる状態になってしもた。と同時に、iPhoneがポケットから滑り落ちたが、紐でザックにつなげていたのでセーフ!


登り切ったら、林道へ戻った。
ここからはひたすら下るだけなのだが、走らずに、早歩きでテクテクと下る。

しばらくすると、背後から誰かが走って近づいてくる音がする。おかしいな、私が最後尾のはずなんだけどな?と振り返ると、そこには前回大会にも出ていたというイギリス人選手の姿があった。


どゆこと?????


「コースロストしたんだよー!」とそのイギリス人選手は言う。なんでも山に入った時にどこかでマーキングを見失って、コースから外れてしまったらしく、かなり山の中を彷徨っていたらしい。で、GPSを持たされているのだが、GPSのSOSボタンを押しても、何も起こらず(ん?それすごく身近に感じるな)、なんとか自力でコースに戻ってきたらしく、私の姿を見て安堵したようだ。


「余分に20kmくらい走っちゃったけど仕方ないね。」と走り去った。

確か、このGPSはSOSボタンで発信したら、一旦、イギリスに行って、そこから現場に連絡が行くとかブリーフィングの時に言ってたよな…。これが機能していないってやばくないか?


残り10km切った所で、ぶつぶつ言いながら備忘録代わりに撮影する。


いやあ、1,000m程下ってくると、熱帯雨林感が出てきましたねー。奄美大島に来てるのか?って感じですよ。

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で、最終ランナーとして昼過ぎにゴール。


因みに、レースディレクターのクリスはGPSのSOSボタンが正常に動作しなかったことについて、晩御飯の時にみんなに詰められておりました。だよなぁ、生命に関わるもんねー。


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●第1ステージ
[開催]2022年6月5日(日)
[距離]  35km
[スタート] 現地時間 7時

ガーミンの記録
公式では35kmのはずなんだが、、?
Garminの記録


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