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0. 南極(The Last Desert)2022/南極を走るってどゆこと?

2022年11月、南極を走ってきました。

って、どういうことかと言いますと、
Racing The Planetが主催する自給自足(250km/7日間)の砂漠レースで、最後の砂漠(The Last Desert)と位置付けられている南極のレースに参加してきました。


Racing The Planetが主催するナミブ砂漠、ゴビ砂漠*、アタカマ砂漠のうち2レースを完走した者がThe Last Desert(南極)に挑戦することができます。

*2022年はゴビ砂漠の代替レース地はジョージア



実は自給自足(250km/7日間)ではない

Racing The Planetが主催する砂漠レースは衣食住を背負って、250km/7日間で走破する自給自足のレースですが、南極に限ってはレースフォーマットが違います。

7日間で250km走破する。
ここは変わりませんが、誰かが250km走破した時点でレース終了となります。その時点で走破した距離・時間で順位付けが行われます。

誰も250km走破できなかった場合は、レース最終日終了時点で走破した距離・時間で順位づけが行われます。2022年の総合優勝者の総距離は236.7kmでした。



南極ならではの難しさがある

どうしてこのようのレースフォーマットになっているかというと、偏に南極ならではの気象条件の厳しさでしょう。

南極クルーズ船の航路や上陸地はあらかじめ決まっていますが、当日の気象条件や上陸地の積雪状況で上陸取りやめになり、場所を変更することがあります。

また、上陸してレースを始めたのは良いものの、吹雪になったりして天候が荒れてくると、クルーズ船へ戻るように船長からの指示が出て、その日のレースを終了し、船へ引き上げてくることになります。



どのようなコースを走るのか

選手が上陸する30分〜1時間くらい前にスタッフが先に向かいコース作りをします。だいたい、1km〜2.5kmの周回コースになります。

直前にコースが作られるため、レース開始前までどのようなところを走るのかがわかりません。何kmの周回か、高低差はどのくらいか、足場はどうか、とか。



南極ならではの制限

原則として、環境保護の観点から、南極大陸に食糧を持ち込むことができません。
マラソンレースということで、特別に食糧を持ち込むことができましたが、やはり厳しい制限がありました。

・ナッツ、種子類は絶対に持ち込み不可。
・レース中の食料は包装を全て剥がしてタッパーに入れる。
例外として、アルファ米などのパウチに入っているものはそのまま持ち込み可能。
・サーモにお湯を入れて持ち込み可。
・サーモにスープ、コーヒーなどを入れて持ち込み可。
・上記をドロップバッグ(Food Bag)に入れて上陸する。

コース上での飲食は不可=走りながらのジェル補給等は不可。
フラスクに入れた水分補給のみ可能。(給水あり)

補給をする場合は、上陸時に乗ってきたゴムボートまで移動し、ゴムボート上でのみ飲食可能。

補給をすると、コースを大きく外れ、時間のロスがあるため、そのタイミングについては走りながら結構悩んでました。よし、ここで補給するかと補給し、コースに戻ったら、その後すぐに本日のレース終了ってなったりして、えええーっ?!みたいなこともありました。



5mルールとは?

南極ならではだなあと思ったのが、この5mルール。
上陸地によっては、コース上にペンギンが乱入(?)してくることもあり、ペンギンには5m以内近づいてはならないというとても厳しいルールがあります。

ですので、コース上にペンギンが乱入してきたら、
・コースから退いてくれるまで待つ
・大きく迂回する
しかありませんでした。

え?私ですか?もちろん、コースから退いてくれるのを根気強く待ちました。
大きく迂回すると、雪に足がズボズボはまって大変ですから。

あと、アザラシがドロップバッグ置いているエリアに乱入した日もありましたね。



衣食住を背負わないというのは?

南極へは一般の観光客と一緒に南極クルーズ船で向かいます。今回のレースで利用したクルーズ船は2019年に製造された最新のオランダ国籍船*でした。

*このm/v Hondiusってクルーズ船については別記事で改めて紹介します。

南極クルーズ船での旅となるので、寝床はもちろん、食事もきっちり3食提供されます。他の観光客が上陸地でカヤックや登山などのアクティビティをしている間、私たちはぐるぐると周回コースを走っている、というわけです。

じゃあ、レース中に何を背負って走っているのかというと、大会側が指定した着替え等の装備を入れています。レース中、取り出して使うことはほぼほぼありませんでしたけどね。


とまあ、こんな感じで南極を走ってきました。

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