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5.南極(The Last Desert)2022 / Day5: Petermann Island

眠い。とにかく眠い。寝不足だ。

前日のレースは21時頃に終わり、それから船に戻って、シャワー浴びて着替えて、晩御飯にありつけたのが22時頃だった。


そして、今朝は4時起き。
しっかり睡眠を取りたいのに、ここでは詳細は省くが、途中何回か起きてしまう。もう最悪の状態である。



今日のレースは7時頃にスタート、終了はお昼頃を予定している。

レースディレクターのMaryが「今晩は船の看板でBBQやるわよ。」などと曰う。それが今日のレースのモチベーションになればと思って言っているのだろうが、そんなに私は単純ではございませんことよ。


本日の上陸地はペテルマン島である。
島の景観的にも、レースのコース的にも最高の場所だった。ゴムボートで上陸すると建物があり、これはどうやら避難所として機能している建物らしい。

Photo Credit: Racing The Planet
あちこちペンギンだらけ


その建物の周りにはペンギンだらけで、今まではコースから離れていた場所で「この人間どもは何やってんだ?」って見ていたのだけれども、今日はやんちゃなペンギン達で、コース上にどんどん乱入してくるので、幾度となく、5mルールを発動することになった。


Photo Credit : Racing The Planet
最初の周回はゆっくり踏みしめながら進む


今日は約2kmの周回コースで、大きくひょうたんを描くように進んでいく。多少のアップダウンはあるものの、前日のようなジグザグとした動きがないので気分的にも楽である。

 Photo Credit: Racing The Planet
こんなところを走っていたんだねえ、私。


深い雪に覆われているため、最初の周回は慎重に進んでいくのだが、1周目は終わろうとした頃、周回のスタート地点まで一直線の緩やかな下り坂でのことである。

スタッフが声援を送りながら待っていたので、少しスピードを上げて走り始めた時である。

ズボッ!

左足が思いっきり膝上まで雪にハマってしまった。まあ、これは良くあることで、気にもせず、左足を引き上げたところ、雪の中で靴が脱げてしまった。

( ゚д゚)!!!!

この様子をすぐそばで見ていたレースディレクターのMaryやスタッフが驚いた表情で、すぐさま私のそばに駆け寄ってくる。

もう1度、左足を雪の中に突っ込んで靴を履いてみる。そして、左足を引き上げたところ、今度はちゃんと靴も一緒についてきた。

以降、周回で戻ってくる度に、スタッフに、

「レナ、靴脱げてないw?」
「♪レナは靴を履いている〜♪」
なんて、弄られてしまうのである。


レース中、コースで立ち止まり、海の方向を見つめている選手が何人かいるけど、どうしたのかな?と、自分も目を向けたら、ちょうどその時、クジラの尾が水中に沈んでいくのが見えた。

その後、時折、海の方に目を向けると、クジラの姿を(部分的に)確認できた。

Photo Credit : Racing The Planet
動物達の楽園


レース中は曇って雪が降ったりしていたが、時折、日差しが氷河を照らす。その氷河が目が覚めるような美しいブルーになっていた。それこそ息を呑むような美しさで、しばし釘付けになりながら早歩きしていた。


ものすごく真っ青な氷はとにかく古い氷で、長い年月をかけて空気が抜け、凝縮されたものだと、帰りのゴムボートで運転するスタッフに教えてもらった。


コース上で見張り?をしていたボランティアスタッフのジョン。彼はアタカマ砂漠では選手として奥さんと一緒に出場していたが、今回はボランティアとして参加している。

いつも通過する度に声かけしていたのだが、ある時から急に雪だるまを作り始めたと思ったら、周回を重ねるごとに、いや、違うな、何作ってんだろ?と。これが毎回通過する楽しみとなった。

最終的にできたのはペンギン🐧の雪像。

これがまたよくできてるんですよ。そこにカメラマンのティアゴが遠くから、
「レナ、ペンギン(の雪像)にキスしろ。」
なんて大声で注文を出すではないか、、ええ、ええ、わかりましたよ。

と、お昼まで約5時間ほどぐるぐる回ったが、今までで一番楽しいコースだった。

まあまあいい感じで走れたのでは?


晩御飯はMaryの予告通り、看板でBBQだった。
思わせぶりに言っていたから選手だけかと思ったら、クルーズ船主催だったのね。しかも、ホットワインとかあるんですけど、選手はレース中のアルコールは禁止じゃなかったっけ?

でも、みんな飲んでるし、今日くらいはいいよねえ。


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