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【詩】報われない人

私はきっと、報われない

いつも輪の外にいるから

私はきっと、消え去りたい
輪の中に入れないから

だから私は、輪になりたい。
輪になって、人の中に埋もれたい。

だけど私には、人を集める魅力がない。

能力で魅せようにも、有能ではなく、
語りで魅せようにも、喋れない。
姿で魅せようにも、人様に自慢できる顔じゃない。

仮面で隠した人柄は嘘くさく、
美辞麗句で重ねた言葉は羽毛より軽い。

だから私はひとりになる。
誰も来ない部屋の中で、ひとりぼっちで夜を越す。

進んでひとりになったのに、
望んで独りになったのに、それは嫌だと心で叫ぶ。

だけどそれでは道理に合わない。
望んで独りになったなら、独りを許容すべきなのだ。

淋しくても、苦しくても、不甲斐なさに倒れそうでも。

独りの毒も、許容すべきだ。

……だから私は、救われない。

救われる日をみながら、救われる話を綴りながら、自分だけは救われない。

それがきっと、手を伸ばせない私の道理、なのだから。

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