![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/137727623/rectangle_large_type_2_c8e15dfd3998583a37e568c001dec75a.png?width=1200)
VRで生きています
VRで生きています。
VRの世界で食事がとれるわけではありません。
VRで生活費を稼いでいるわけでもありません。
ログイン時間は短いです。
VR機器をつけたまま眠るなんて、やったこともありません。
それでも私は、VRで生きています。
平日の夜、疲れて帰ってきた私は、VRで友人と遊ぶことができます。
心がしんどい時。暗闇の中、ひとり静かにきれいな月を眺めることができます。
何かに興味がわいたとき、VRではすぐに始めることができます。
始めたことに挫折しても、誰かに慰めてもらえます。なんならアドバイスをもらうことだってあります。
VRはしんどいです。
たくさんの小さなコミュニティがあるので、コミュニティを見つけるまでが一苦労です。
やっと見つけたコミュニティも、気づけば壊れてなくなります。
自分がひとりぼっちになっても、誰にも気づいてもらえません。
縁と機材と勇気がないと、始めることすらできません。
それでも私は、好きでVRをやっています。
ひとりでやっています。友人とやっています。見知らぬ誰かとやっています。
春に落葉を眺め、冬に雪で遊び、秋に桜並木を歩き、冬に夏を壊します。
そして、雨の日には青空の下で透明なクジラを眺め、晴れの日に薄暗い廃墟をめぐります。
いつでも、どこでも、誰とでも。同じ景色を見知らぬ誰かと眺めます。
かわり映えのしない世界で、かわり映えのしないことをしています。
変わることのない世界で、新しいことを探しています。
名を上げる人もいるでしょう。儲ける人もいるでしょう。
私はどうなるのでしょう。名を上げるのでしょうか。見向きもされないのでしょうか。
どちらにせよ、私は今日、VRで生きています。
そして明日も、VRで生きるのでしょう。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?