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財務諸表の読み方や財務分析が全く分からない文系出身者の為の、銀検財務3級試験対策法とは

銀行等の金融機関に入社すれば様々な資格試験に合格しなければいけませんが、中でも文系学部出身者にとって最初の関門となるのが「銀行業務検定試験・財務3級」です。

特に、私立文系の方などは、数学というよりはそもそも数字が苦手という方が多く、「参考書に書いてある内容が、全く意味不明」と感じる方も少なくありません。

そこで今回は、数字に弱い文系出身者でも、スムーズに財務3級に合格できる方法について、考えていきたいと思います。

そもそも、なぜ財務3級の内容が理解できない人がいるのか??

個人の学力といった問題はさておき、 そもそも、なぜ「銀検財務3級の内容を全く理解できない」という方が一定数存在するかという点についてですが、それは「銀検財務3級の試験の難易度」にあります。

財務3級試験で求められる知識レベルというのは実はそれなりに高く、意外と難易度が高い試験なのです。様々な解説サイトなどでは、「財務3級は楽勝」といった内容の記事が多い印象ですが、それはあくまでも「会計や財務に対しての基礎教養を備えている人にとって」の話です。

難易度的には、簿記3級<<<財務3級<簿記2級とも言われており、人によっては、簿記3級<簿記2級 <財務3級という感想を持つ方もいるそうです。

また、財務3級が難しく感じられる要因としては、経済法令研究会が出版している参考書(テキスト)が非常に分かりにくいということが挙げられます。

仕訳などについては、既にある程度の知識を有していることを前提として話が展開されていますし、文章についてもフォーマルで硬質な文体ですので、非常に取っつきにくいです。

また、全体像が見えにくいテキスト構成なので、特に文系出身者にとっては心が折れるのだと思います。まあ、消化不良を起こしてしまうのは、ある意味必然だと思います。

参考書が分かりにくい原因としては、銀行業務検定の参考書が実質1種類しか存在しておらず、独占市場であるという点に尽きます。銀行へ入行する新入社員はセールスをしなくても勝手に購入してくれますし、販売競争も存在しないので、分かりやすい構成にしようというインセンティブが働かない訳です(テキスト・問題集を合わせれば、2冊合計5000円ですから、非常に良い商売だと思います・・・)

まとめますと、そこそこの試験難易度があるという事に加えて、参考書が分かりにくいという事が、財務3級へのハードルを高めているのです。

おすすめは、簿記3級試験から受験すること

そこでお勧めしたいのが、財務3級試験の前にワンクッションを入れるということです。具体的には、簿記3級試験を先に受験することをおすすめします。

というのは、簿記3級試験の内容と財務3級試験の内容は、実はかなり重複しているからです。

財務3級試験は、財務諸表と財務分析という2パートで構成されていますが、財務諸表というのはほぼ完全に簿記の範疇です。つまり、簿記3級から勉強すれば、財務諸表のパートを理解するのは容易なので、後は財務分析(収益性や安全性の検証、運転資金の算出、損益分岐点の算出等)の理解だけに集中すれば良いのです。

本当に財務の勉強などが初心者の人にとっては、一段階レベルの低い簿記3級試験から勉強を始めるべきです。

私の場合も、この方法で財務3級を受験し、簿記3級→簿記2級→財務3級→財務2級の順に取得しました。仕訳処理やBS・PLの構造、損益分岐点分析などは簿記試験で勉強していたので、財務3級の参考書の中で理解できない箇所は殆どなく、試験対策は非常に楽だった事を覚えています。

しかも、簿記3級試験というのは、年間30万人以上が受験する日本最大級の資格試験です。

参考書の数も非常に多くそれぞれの出版社間での競争は激しいため、「受験者にとって分かりやすい解説の参考書をいかに作るか」という視点が強く感じられます。特に私がおすすめしたいのが、「マンガで学ぶ」系の参考書ですね。数字に対してアレルギーがあるような人でも、すんなりと理解できると思います。

ですので、簿記3級試験の勉強を通じて財務に関する基礎的な事項を勉強し、その上で財務3級試験に挑む方がスムーズです。また、きちんと簿記を理解した上で財務3級を受験することができるので、暗記一辺倒の勉強になりにくく、実務にも活かしやすいと思います。

加えて、どの金融機関も簿記2級くらいまでは取得することを奨励している訳です。いずれ取得する必要のある資格試験であるので、簿記3級を取得しておいても全く損はないと思います。期間の関係上、簿記3級から受ける余裕がないというケースもあるかと思います。ただその場合でも、まずは簿記3級のテキストを流し読みし、その上で財務3級試験の勉強をすることをおすすめします。

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