本の感想64『「なぜ?」がわかる政治・経済』村尾英俊
全ての源は憲法
内閣が行う政治、国会で決まる法律、地方が出す条例など、これら全ては憲法に違反していないかチェックされる。
裁判所が、「違憲立法(法令)審査権」というものを持っているおかげだ。裁判所は独立しているし、裁判官も高い給料を支払われ、減額の心配もないから良心に従って仕事ができる。少なくとも建前上は。
この世(日本)に生み出される法律や命令というのは、憲法が最終の門番となって私たち国民を保護してくれる。保証してくれる。全ての道徳や正当性は、全て憲法によって照らし合わされる。
解釈によってできる政策が変えられるのも面白い。安倍さんが、「集団的自衛権の行使を認める」という解釈に変更を決定したことで、自衛隊の海外での活動が広がることになった。
聖書の解釈の仕方によって、色んな派閥があったり、同じ教会の修道士でも行動指針が変わるような感じだ。憲法というのは、聖書のようなものなのだ。同じ聖典を元にした行動も、解釈次第で善悪が変わってくる。
日本も州へ
アメリカは、州によって法律が違うように、それぞれがかなり独立している。大麻が違法な州と合法な州があるのだ。
日本は、地方分権を頑張っているみたい。市長とかは、大統領みたいにかなりリーダーシップを発揮できる仕組みになっている。
県や市区町村の発展はリーダー次第なんだろうなぁ。パッとしないおじいさんとかが町の政権を握っていても、一生発展はありえない。
いっそのこと、東海とか東北みたいな括りでまとまってしまい、アメリカの州みたいにリーダーを置かせて、それぞれが国のように独立していったらどうだろう。
国家承認
セルビアの自治州コソボは、2008年に一方的にセルビアから独立を宣言した。コソボ議会は新憲法を採択、施行したりもした。
国家として認められるためには、既存の国家から承認を受ければいい。
◯領土に定住する「国民」を持ち、
◯その国が「領域」を確保し、
◯「主権」を持った実行的政府が存在すること
◯その政府に外交能力があるかどうか
コソボは十分この条件を満たしているといえよう。実際、国連に加盟している193ヵ国中、100国近くが承認している。
ただ、資源や経済の低下を免れないセルビアはもちろん、自国内に独立運動がある地域を抱えるロシア、中国は独立を認めない。それを認めちゃうと、自国内の独立勢力を正当化したり勢い付けてしまって、自国の利にならないから。
「それを認めることで、自分たちに不利はないか?」という考え方は、政治や企業間に多々あるんだろうなぁ。
そういえば、星新一のショートショートに、一人の人間が自分だけの国家を主張する「マイ国家」っていう話もあったなぁ。たしかに、私という国民がいて、自宅という領土があり、主権を持つ政府?が存在する。自分以外の人間との外交は自分で行える笑
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