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21/22ドイツ・ブンデスリーガ第23節ドルトムント対ボルシアMG試合結果

Lemです。今回は21/22ドイツ・ブンデスリーガ第23節ドルトムント対ボルシアMGの試合を振り返っていきたいと思います。

まずは、なんといっても6-0の圧勝ということで本当に嬉しかったですね!ロイスの2G3A、ヴォルフ、ムココといった今シーズン怪我でなかなか出場機会を得られない2人のゴール、試合の流れを手繰り寄せるコベルのビッグセーブなどこれまでの主力選手だけでなく、控えに回っていた選手も活躍したということで、組織としてこれからのEL、リーグ戦に向けて、これ以上にない結果になったと思います。

一方で、レイナの負傷交代、ザガドゥの負傷交代はかなり心配ですね。特にレイナのあの倒れ方、その後の姿は怪我の状況に加えてメンタル的な部分もかなり心配です。レイナからはこれまでの復帰までの努力や今節にかける思いを凄く感じました。どれだけかかってもいいので、絶対に戻ってきてほしいですね。

どういった試合になったのか振り返っていきましょう。

スタメン予想答え合わせ

前回の投稿で予想したスタメンは以下です。

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今節のスタメンは以下です。

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ホームドルトムントは11人中9人、アウェーボルシアMGは11人中11人的中ということでした。

ドルトムントは直近2試合のように4-2-3-1かなと思いましたが、3-4-2-1できましたね。攻撃時は後ろ3枚で守備時は後ろ5枚、前2+3枚で対応ということでアカンジの不在もあり、後ろの枚数を増やしてより守備的に、攻撃時もリスクを回避しながら試合を進めていたのではないかなと感じました。そして相手の陣形に合わせるという意図も非常に感じ、特にボール保持の状況を選手個々のスキル、判断力、組織の連動力で上回れるという自信を非常に感じました。

初期配置が違うだけでベースはこれまでの2試合とあまり変わりませんでしたね。

今シーズンアザールのWB起用がいくつかありますが、個人的にはありだと思います。もちろんムニエがいるのであれば、ムニエがファーストチョイスになると思いますが、セカンドチョイスはWBであるのであれば、アザールになるのかなと思っています。その根拠としてはアザールはパス能力が高く、味方を見つけるのもうまい。今節のパス効率を見るとアザールは+1.3を記録しています。今節控えであったヴォルフは前回右SBで先発出場した試合でパス効率-1.7を記録しており、アザールの方が有効なパスを出せる。ローゼはWBやSBにボールを出せる選手を好むので、アザールの起用は理にかなっているのではないかなと感じています。ただ、守備時においては大きな穴になる可能性が高いと思うので、今節は問題になりませんでしたが、ものすごく良いとも思いませんし、アザールの一番の長所は死んでしまっているので、どうなんだろうとも思います。

ボルシアMGは前節と同じスタメンということで、選手個々に感じたこととしては得点の可能性を感じるストライカーの不在は大きな欠点になってしまっているなと感じました。今節先発したエムボロはシュート0本ということで、予想でも書きましたが、1試合あたりのシュート数が1.2とゴールの可能性を感じないどころか、ゴールを脅かす存在ですらない。控えのテュラムも同様であり、現在0G0Aと苦戦している。ファーストチョイスとなり得るストライカーの不在はかなり深刻だと感じました。

試合展開

前半開始から10分お互いに探り合う時間が続く。ドルトムントは奪いどころを決めて人にいくというよりも中盤2枚を消しながらサイドに誘導し、挟み込んで奪いに行くのに対してボルシア・メンヒェングラートバッハは3CBに対して前線3枚がプレッシャーに行き、WBはWBを、ボランチはボランチを見る形でプレスに来る。

探り合いが続くなか綻びを見せ始めたのはボルシア・メンヒェングラートバッハ。最終ラインでボールを保持されてしまい、前線、中盤、最終ラインが分断してしまう。

前半20分 べリンガムの裏を狙ったボールににマレンが抜け出す。サイドに向かうボールにゾマーが対応し、クリアするもクリアボールがゲレイロへ。ゲレイロがガラ空きのゴールに向かってボールを蹴り出すもベンゼバイニが対応し、ピンチを防ぐ。

ドルトムントとしてはこの状況を利用して先制したいところであるが、最終ライン、特にザガドゥ、フンメルスのパス精度が上がってこず、なかなかこの状況を活かせないでいると逆にピンチを迎える。

前半23分 フンメルスのパスをコネがカット。エムボロがホフマンにスルーパスし、ホフマンが中央に走りこむコネにマイナスのパス。コネがダイレクトでシュートを放つもコベルナイスセーブ。

このピンチを防いだことで目が覚めたのか、ここからドルトムントが試合の主導権を掴みに行く。

前半27分 ゲレイロがマレンへスルーパス。マレンが抜け出し、シュートを放つも一度防がれてしまう。しかし、こぼれ球にロイスが反応し、シュート。ゴール!!!

BVB 1-0 BMG

ドルトムントが先制し、試合の主導権を握る。しかし、ここで予想外のことが起こる。

前半30分 レイナOUT→ブラントIN

レイナが負傷退場してしまう。

レイナの負傷退場により、ブラントが投入され、これまでの流れが変わるかに思われたが、ドルトムントは主導権を放さない。

前半32分 ロイスのスルーパスからマレンが抜け出しシュート!!ゴール!!!

BVB 2-0 BMG

立て続けにドルトムントがゴールを決め、試合の主導権を完全に握るが、ボルシア・メンヒェングラートバッハもドルトムントゴールに迫る。

前半36分 ノイハウスのシュートをコベルが防ぐ。

コベルが相手の決定機を防ぎ、試合の主導権を渡さない。

ここでまたもドルトムントにトラブル。

前半42分 ザガドゥOUT→ポングラチッチIN

ザガドゥが負傷退場してしまう。これでドルトムントは前半のうちに負傷交代に2回交代を使ってしまうとスコアではリードしているが、ベンチワークが難しい状況となる。

前半終了

ボルシア・メンヒェングラートバッハはフリードリヒを下げてテュラムを投入し、4-2-3-1に陣形を変更。

後半開始早々はボルシア・メンヒェングラートバッハがいくつかチャンスを作る。陣形を変えたことにより、サイドを起点にチャンスを作ることができるようになり、後半60分ぐらいまでボルシア・メンヒェングラートバッハが押し込む展開が続く。

後半52分 プレアがミドルシュートを放つもコベルの正面。

後半61分 マレンがシュートを放つも枠外。

後半62分 ホフマンのシュートがクロスバー直撃。ゴールならず。

後半67分 アザールOUT→ヴォルフIN
     ゲレイロOUT→シュルツIN
     マレンOUT→ムココIN

ドルトムントは一気に3枚交代する。押し込まれている展開を脱したいドルトムントは交代した選手がいきなりチャンスを掴む。

後半70分 ロイスのスルーパスをヴォルフダイレクトシュート。クロスバーに当たりゴール!!!

BVB 3-0 BMG

後半74分 ロイスのクロスにムココが合わせてゴール!!!

BVB 4-0 BMG

後半82分 フンメルスの裏へのパスにロイスが抜け出す。そのまま1対1を制してゴール!!!

BVB 5-0 BMG

後半90分 ヴォルフがエリア内でファールを受け、PK獲得。

後半90分+1 ジャンがPKを決める。

BVB 6-0 BMG

選手交代を機に一気にチャンス、流れを掴み、交代選手のゴール、ロイスの2点目、最後にジャンがPKを沈めたところで試合終了。

試合終了

Lem目線選手採点

最高1.0 最低6.0 平均3.5

コベル 1.5
枠内シュート数5本を浴び、相手ゴール期待値が1.13に対してクリーンシートを記録。相手に流れを渡さないセーブを連発。先制される可能性や2点目以降、1点差にされてしまう可能性も十分にあったが全てシャットアウト。

ジャン 2.5
PKを冷静に沈め1ゴールを記録。ビルドアップ時は相手のプレッシャーをものともせず。チームのバランスを取りながら、勝利に大きく貢献。

フンメルス 3.0
前半のパスミスは見逃せない。これ一つで評価を下げるのは酷かもしれないが、選択肢があったなかであそこを選択したということは見逃せない。ただ、悪かったのはこのプレーぐらいであり、エムボロを自由にさせず、守備対応も安定していた。ロイスへのアシストも非常にフンメルスっぽいプレーであり、全体的にはよかった。

ザガドゥ 3.5 42分OUT
イエローカードを受けた一連のプレーは最悪。ただ、相手の決定機を阻止するプレーは見事であった。4.0としたいが1得点分の働きを評価して3.5。

アザール 3.0 68分OUT
対面する選手が守備的な選手であったということもあり、守備の負担は今節少なかった与えられた役割を十分にこなし、本来持っている最大の特徴は死んでしまっているが、視野の広さ、パスセンスの高さで与えられた役割を全う。

ゲレイロ 2.5 67分OUT
対面する相手選手に判断能力の格の違いを見せた。攻撃の40%が左サイドからであったように、ゲレイロの攻撃参加はかなり魅力的であった。パス効率も圧倒的にゲレイロが高く、ポジショニング、パスセンスで相手を翻弄した。

ダフート 2.5
非常にパスの精度が高かった。ピッチを広げるパスや決定機を生み出すパスなど非常に効果的であった。インターセプトやプレスでの貢献度も高く、デュエル勝利数、タックル数は今節圧倒的。

べリンガム 3.0
プレスに関しては間違いなく超一流。プレス成功率60%はスタメン出場選手の中で1位。奪いに行かせてもよし、誘導させてもよしと文句なし。ただ、ボール保持では不安定さを露呈。裏への精度の高いパスがあった一方で、特にサイドを変える長いパスの精度が著しく低く、大きな改善が必要。

レイナ 1.0 30分OUT
これまでの復帰までの努力と今節にかける思いを非常に感じた。今節のパフォーマンス自体への評価ではなく、これまでとこれからへの期待を込めて1.0。また、30分の出場と少なかったものの、相手の嫌がるポジショニングでビルドアップを助けた。

ロイス 1.0 MOM
文句なし。全てにおいてワールドクラスであった。2ゴール3アシストと目に見える活躍だけではなく、プレスも非常に効果的であり、ポジショニングもかなり良かった。パス精度、パスセンスも非常に高く、ボール保持、非保持に関わらず、相手が常に意識しないといけない存在となった。ピッチの全てで別格。

マレン 2.0 68分OUT
1ゴールを記録。先制の起点となるシュートを放つなど得点に絡んだ。裏を狙う動きも悪くなく、可能性を感じさせるシーンがいくつかあった。相手が2シャドーに対して下りていけず、多くの盤面でドルトムントが数的優位を作れたのはマレンの影響もあった。

ブラント 3.5 30分IN
緊急交代で出場。2度ゴールを脅かすシュートを放つ。かなり威力と精度の高いボールを蹴っていたので、特に1度目なんかはゾマーじゃなければ入っていいた可能性も十分にある。ただ、あまりパスで局面を変える、打開するシーンはなく、終始無難。期待にはやや応えられなかった。パス効率チーム最下位も見逃せない。

ポングラチッチ 3.0 42分IN
緊急交代で出場。与えられた役割を無難にこなした。安定感があったので、このパフォーマンスを継続すると未来も開けてくるのではないか。

シュルツ 3.0 67分IN
アタッキングサードではやっぱり脅威になるなと感じた。今節最高速度を記録。

ヴォルフ 2.5 67分IN
交代直後の豪快なシュートはドルトムントに勢いをもたらす得点となった。

ムココ 2.5 67分IN
今シーズン初ゴールを記録。流し込むだけのゴールではあったものの、ムココだからあそこにいたと言えるゴール。このゴールを弾みにここから活躍してほしい。

スタッツを見て振り返ろう

①デュエル勝利数

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2位に7差をつけて1位となったダフート。確かに保持、非保持両面においてかなりアグレッシブにプレーしていたのが印象的であった。また、試合の中で寄せられるタイミングが若干遅かったので、十分に準備できる状況であったということもこれだけ数字が伸びた要因なのかなと感じました。

②プレスを受けた回数

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最もプレスを受けたドルトムントの選手はロイス、最もプレスを受けたボルシア・メンヒェングラートバッハの選手はコネとなりました。ボルシア・メンヒェングラートバッハは2シャドーを非常に意識していたので、この数字は納得かなと思います。また、ドルトムントも2ボランチを経由させない、自由にさせないことをかなり意識していたので、こちらも納得の数字になったかなと思います。

③プレス成功率

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これはFBrefというサイトから引用してきましたが、べリンガムのプレス成功率が60%とスタメン出場した選手の中で1位を記録。このスタッツ通りべリンガムはこの試合もかなりプレスに行き、相手の自由を奪い、選択肢を限定させていたなと思います。

今節の注目ポイント

①分断されてしまったボルシア・メンヒェングラートバッハ。

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前半ドルトムントのビルドアップに対して、3CBに対して前線3枚が、ボランチの選手にはボランチの選手がWBはWBが見る形で対応してきたが、ドルトムントのボランチが最終ラインまで下りてくる動きに対してボルシア・メンヒェングラートバッハの対面のボランチはついてこなかった。これは2シャドーの存在がかなり大きかったことや前線3枚が3CBに対して効果的にアプローチできていなかったことなどが原因で来なかったのかなと推測していますが、来なかったことにより、数的優位を作り、前線の選手を探しやすい状況となった。

選手間の判断に違いが生まれてしまったことでボルシア・メンヒェングラートバッハのハイプレスはドルトムントにスペースと判断の余地を与える助けをするものになってしまった。また、全て対応が遅れることになっていたように感じた。

②中2枚を経由させない、自由にさせないドルトムント

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ドルトムントはノイハウス、コネへの警戒を強め、外へ外へ追い込み、ハイプレスで奪いにいくというよりもミドルプレスで誘導。その時も中への警戒は忘れず、対面するWBが相手WBの縦も意識する。奪える機会を伺いながら、選択肢を後ろへ限定しつつ、蹴り出させる。そして、その蹴り出されたボールは3CBが跳ね返す。

中2枚へパスが渡った際もボランチが即プレスで自由を奪う。

コネが最終ラインに下がって受け、バランスを崩されてしまい、ノイハウス経由でピンチを迎えるシーンがあったので、この2枚への警戒は今節かなり重要であった。

また、失点はなかったものの、3CB対前線3枚の構図にして、1対1を制することができると踏んだ上での設定も失点しなかったから功を奏したと言えるかもしれないが、いくつかピンチになるようなシーン、ピンチとなったシーンがあったのでなかなか賭けに出たなと感じました。

総括

今節は選手個々の判断力、組織レベルの判断力、ベンチワーク全てでドルトムントが上回って掴んだ勝利だなと感じました。

ただ、やっぱり6-0とクリーンシートを記録し、勝利したものの、ウニオン・ベルリン戦同様相手チームの決定力に助けられたなと感じるようなシーン、時間帯もあったので全く手放しで称賛することはできませんが、攻守両面で影響力を発揮したロイス、相手3CBを釘付けにしたマレン、相手の決定機をことごとく防いだコベルは今節特に輝いており、これ以上ない活躍をしたなと思います。

ドルトムントは主力選手だけでなく、これまで控えに回っていた選手も結果を残して迫るELプレーオフ2rgに向けて良い状態で試合に挑めるのではないかなと思っています。

アウェーの地に乗り込んでの試合となり、かなり厳しい状況ですが今節のように6-0で勝利してほしいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

では、また。

Heja BVB !!!


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