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21/22ドイツ・ブンデスリーガ第17節ヘルタ・ベルリン対ドルトムント試合結果

Lemです。今年最後の一戦となった今節ですが、最悪の結果となってしまいました。

前回の投稿では、これまでの課題をどう改善し、修正してくるかに注目し、期待していましたが、15、16節のシステムから修正せずに悪いまま挑んでしまった結果負けてしまったので非常に残念だなと思います。

ヘルタ・ベルリンのパフォーマンスはいつもとあまり変わりなく、むしろ主力メンバーが多く抜けていることを考えればチームのクオリティとしては下がっていた。本来であれば、余裕で勝てる相手だったのにも関わらず、3-2で負けてしまい、内容的には3-2で終えれたことが驚きなぐらいひどい試合であったなと感じています。

前半戦を最悪の形で終え、後半戦に向けてバイエルンとの勝ち点が9に広がってしまってしまいましたが、前半戦2位で終えれたということは、まずまずかなと。

個人的には、今季最低の試合だったなと感じていますが、なぜこうなってしまったのか。どうすべきなのか。についても本編で触れていこうと思います。

では、本編へ。

スタメン予想の答え合わせ

前回の投稿でスタメンは以下のように予想しました。

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今節のスタメンは以下のようになりました。

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ホームのヘルタ・ベルリンは11人中7人、アウェイのドルトムントは11人中9人的中しました。

試合予想では、ヘルタ・ベルリンは多くの主力選手が抜けることを予想していましたが、ボヤタもいないということで予想よりも多くの主力選手が離脱していました。

ドルトムントは、人を変えてシステムは変えないのか。人を変えずシステムを変えるのか。人もシステムも変えるのか。期待して見ていましたが、若干攻撃の構築に変化を加えたのみで根本的なシステムを変えず、ゲームプランに合わせた人の変更はなし。という選択をしたことには驚きました。

フンメルス、べリンガム、コベルが出場できず、ザガドゥも怪我からの復帰をしたばかりなので、控えスタート。その代わりにヴィツェル、ヒッツ、ポングラチッチを起用するということに関して言えば、チーム事情、リスクマネジメントを考えれば、良い選択であったなと思いますが、彼らを起用する上で、今節のシステムが上手くいかないことは明らかであったはずなのに、そこを修正せず、選手の特徴から言って無理のあるゲームプランで挑んだマルコ・ローゼ監督の采配には疑問をいだきました。

修正を全く行っていないわけではなく、前節のうまくいかなかったところをしっかりと修正したが、そもそも起用された選手にその役割を求めちゃうんだなと感じ、この試合はその役割に適応できなかった選手、それを期待した監督の両方に責任があるなと、試合を振り返っているうちに感じました。あとは、この連戦による選手の疲労もすごく見られ、全体的にクオリティが下がってしまっていたなと感じました。

試合展開

開始10分ドルトムントは思うように試合に入れなかった。

前半6分 ドルトムント陣内右深くから中央にベルフォディルが仕掛け、ムニエを抜き、PA内中央のエケレカンプにパス。エケレカンプがシュートを放つもヒッツがナイスセーブ。

前半入りは、良い入りができなかったが、10分を過ぎ、立て続けにチャンスを作る。

前半11分 相手DFの背後に走りこむロイスに合わせて、ムニエがアーリークロス。ロイスが収めてシュートを放つもGK正面。

前半13分 ムニエのクロスにフリーのロイスが頭で合わせるも枠外。

2本の決定機を逃したドルトムントに対して、ヘルタ・ベルリンも立て続けにチャンスを作る。

前半15分 ヴィツェルのクリアがポングラチッチにあたり、ヘルタ・ベルリンの選手の決定機となるもシュートは枠外へ。

前半15分 左サイドでダフードが軽率なプレーで奪われ、そのまま自陣深くまで持ち込まれる。ポングラチッチが詰めるもマオリダにパス。ジャン、ヴィツェルが詰めるも間に合わず、ダイレクトであわされ、失点。しかし、この一連のプレーでオフサイドがあり、ノーゴール。

この判定に救われたドルトムントであるが、前半30分ごろまで、お互い決定的なチャンスを作れないなかったが、、、

前半31分 ヘルタ・ベルリンの選手のロストから、セカンドボールがダフードに渡り、ダフードが中央のハーランドにパス。ハーランドが持ち込み、斜めに走るロイスにパスを出そうとするも相手選手にあたる。しかしそのこぼれ球が走りこんでいたブラントの前に流れ、GKの頭を越す芸術的なシュート。

BSC 0-1 BVB

先制したドルトムントであるが、その後お互いチャンスを作れず、前半終了。

後半開始早々、ドルトムントは立て続けに失点してしまう。

後半51分 ヘルタ・ベルリン陣内深く左でボールを奪われ、一気にドルトムントDF陣の裏へボールをだす。2対2となってしまっていたこともあるが、ベルフォディルがヴィツェルを振り切り、そのままゴールまで直進し、ゴールに流し込む。

BSC 1-1 BVB

後半57分 マオリダがこぼれ球を拾い、キープ。リヒターがフリーになっていたので、横パス。ジャンが寄せきれず、ミドルシュートを決められる。

BSC 2-1 BVB

ドルトムントは後半58分ロイスに代えてアザールを投入。

しかし、流れはヘルタ・ベルリンのまま。

後半69分 ブラントのパスミスからヘルタ・ベルリンの選手にボールが渡り、中央でフリーになっていたベルフォディルにロブパス。そのままシュートもヒッツがナイスセーブ。しかし、こぼれ球にリヒターが詰め、失点。

BSC 3-1 BVB

ここから流れを変えようと、ドルトムントは最終ラインの選手を3人代える。しかし、うまくいかず、後半81分ブラントを下げ、ティゲスを投入し、3バックに変更。

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その直後、

後半83分 CKからダフードにショートパス。ダフードがゲレイロにボールを戻し、クロスをあげる。そのクロスにしっかりとティゲスが合わせ、ゴール。

BSC 3-2 BVB

ヘルタ・ベルリンは完全に引いて守り切る作戦に変更。ドルトムントはサイドからとにかくクロスをあげまくるもなかなかチャンスに繋がるようなクロスを供給できず、そのまま試合終了。

最終スコア

BSC 3-2 BVB

Lem目線の選手採点

ヒッツ 5.0
3失点してしまったことに関しては、彼のパフォーマンスのせいではない。しかし、パスの選択が悪く、最終ラインとの連携もあまりうまくいっているようには見えなかった。コベルと比べてしまうのは、違うかもしれないが、コベルだったら、、、と感じてしまうシーンは正直あった。

ムニエ 6.0 72分OUT
特に前半多くのチャンスに絡んだ。前半11分、13分のロイスへのパスは非常に質の高いパスであり、見事。対人でも強さをみせた。不用意なボールロストや3失点目のキッカケとなるブラントへのパスは非常によくなかった。

ヴィツェル 2.5 72分OUT
ボール保持者に対して直線的に奪いに行くことは得意なんだなと感じた。ただ、コースを消しながらのプレッシャーができていない点や、ポジショニングの悪さ、ボール保持者に集中しすぎてしまうなどのシーンがよく見られ、全くよくなかった。2失点目のぶち抜かれてしまったシーンは彼の最大の弱点を突かれてしまう形となり、厳しい現実を突きつけられてしまった。

ポングラチッチ 1.5
900万ユーロの価値を示せなかった。ポジショニングが非常に悪く、テンポが半テンポ遅いため、ビルドアップで停滞する原因の一つとなってしまっていた。集中が切れるシーンや寄せが非常に甘いシーンも散見され、たった900万ユーロの価値も示せなかった。買取は厳しいだろう。

シュルツ 2.0 72分OUT
失点に直接関わるような重大なミスはなかったものの、なにも効果的ではない。アタッキングサードで脅威となることもなく、ビルドアップでもボールを持ってから人を探すため、テンポを悪くしていた。

ジャン 5.0
パスの質が低く、不用意なパスも見られた。ファウルも非常に多く、クリーンにボール奪取してほしい。ただ、ヴィツェルに比べるとポジションを埋めるプレーや周りを見て判断するということはできていた。ヴィツェルよりは。

ダフード 4.5
アイデアは面白い。しかし、今節はパスの質が非常に低かった。また、決定機を逃してしまったシーンはこの試合を大きく左右したと思われるだけにしっかりと決めておきたかった。

ブラント 5.0 81分OUT
評価が難しい。先制点となったシーンは今季の彼を象徴するような美しいプレーであった。前半は文句なしのパフォーマンスであったが、後半ひどかった。なんとか違いを作ろうともがいていたが、疲労の色は隠せず。2点目、3点目の失点に関わってしまっただけに評価は下がる。疲労がかなりあるなか、攻守で存在感を見せようと奮闘していたことは絶賛に値する。

ロイス 3.0 58分OUT
前半初めの2度の決定機を外してしまったことは、試合の結果に直結してしまったのではないか。時折見せる質の高いパスは彼の凄みを感じた。

マレン 4.0
全体的に存在感がなかった。彼だけのせいではないが、今節はなかなか良さを見せられなかった。なんとか、チャンスを作ろうともがいていたが、今節はうまくいってなかった。ただ、試合終了間際の前線からのプレッシャーはスピリットの感じるプレーであり、非常によかった。

ハーランド 5.0
タイミングが合わず、質の高いボールもこなかったため、苦戦していた。しかし、オフサイドとなってしまったシーンなど決めきれなかったということも事実。シュート数も非常に少なかった。

アザール 5.0 58分IN
パスの選択が悪く、ポジショニングも悪かった。

ザガドゥ 6.0 72分IN
良くもなく、悪くもなくという印象。

ヴォルフ 5.5 72分IN
クロスの質が低い。

ゲレイロ 7.0 72分IN
78分、左サイドでのダフードへの何気ないパスにシュルツとの大きな違いを感じた。アシストは見事であり、違いを見せた。

ティゲス 7.5 81分IN
わずかな出場時間で期待通りの活躍。後半戦に向けて非常に期待できる。

今節の問題点

前節のグロイター・フェルト戦では、2CB+中盤から降りてくる選手の3人に対して、2トップとトップ下の選手でマンツーマンのように付かれ、サイドの選手がフリーとなるも、ゲームを創るタイプの両サイドバックではないため、思うようにビルドアップができず、苦戦していました。

今節は、両サイドバックがかなり高い位置を取り、2CB+ダフードもしくはジャンが下りてきて、3バックを形成し、その前に1人を置いて、2トップに対して、4人で後ろからのビルドアップに試みたが、うまくいかなかった。

その理由としては、①相手の2トップがミドルプレスでプレッシャーをかけパスコースをサイドもしくは、バックパスに限定し、後ろはブロックを作ってしっかりと守っていた。そのため、①-1、サイドにパスを誘導し、サイドに入ったところで、後ろのパスコースを2トップの片方が遮断。中盤の選手で中央のパスコースを遮断。前のスペースを利用しようとそこのスペースで受けに来る選手に対してボールを入れようとした瞬間に4バックの選手がプレッシャーをかける。そして、奪うもしくはクリアされる。①-2、相手の裏を狙うようなパスを出すも精度に欠ける。①-3、中央のパスコースを4-4-2で切ってこようとするが、後ろで、ボールを回すことで、スキができ、中央に縦パスを入れることができるシーンが見られた。最終ラインから中央のブラント、ロイス、マレンに入ると、ヘルタベルリンのDF陣はラインを下げていた。しかし、ヘルタベルリンの中央の選手のプレッシャーに対して、収められず、ロストしてしまうというシーンが非常に多かった。

①-1

このプレーに関してはサイドの選手の質が低いという要素よりもドルトムントを研究し、守備をデザインしてきたヘルタ・ベルリンの凄みが出たなと感じました。また、サイドに入った時に中盤のワイドの選手がボール保持者に対してプレッシャーにいけなかった場合は、中盤の選手を4人で囲い込み、バックパスを誘導するといった場合も見られた。

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①-2、①-3

この2つに関しては、今節中盤の選手のクオリティが低かったかなと感じています。①-1のシーンは正直、これまでのドルトムントにはなかった新しいオプションであったので、裏を狙うロングパスの精度が低かったことは理解できますが、①-3はいつものドルトムントの選手たちであれば、難なく逃れることができたシチュエーションだったのではないかなと思います。理由としては、最終ラインと中盤の間のスペース狭いわけではなく、挟み込むようにプレッシャーをかけてきていたわけではなかった。確かに、挟み込むようにプレッシャーにきたシーンも見られたが、戦術的に浸透していないのか、ムラがあった。いつもであれば、収められるようなシーンが多かったにも関わらず、なかなか、ボールを収めることができていなかった。

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今回、ビルドアップがうまくいかなかったことはゲーム中にしっかりと修正しようと試みたが、中盤の選手の疲労が見られ、プレーのクオリティが低く、うまくいかず、サイドの選手に入ってもテンポダウンしてしまうため、なかなかうまくいかなかった。そして、大前提として、最終ライン、ヴィツェル、ポングラチッチのポジショニングが非常に悪かった。これらのことが原因でスムーズさに欠け、苦戦してしまったのではないでしょうか。

総括

今節は、中盤の選手を中心に過密日程の影響をもろに受けてしまったなと思うようなクオリティだったなと感じています。

首位、バイエルンとの勝ち点差が9に広がってしまったということがすべてであり、どんなプラス要素を見つけたとしても、あまりにも大きな後退になったしまったなと思います。

ただ、後半戦に向けて、プラス要素もあったことも事実であり、CB然りSBの選手層の薄さをこういった形で突きつけられたということは、後半戦に向けて現場、フロントが解決しないといけない課題がより明確になり、これだけ露呈してしまえば、フロントも動かざる得ないのではないでしょうか。期待したいです。

私、個人としては前半戦最後の試合で、前回の投稿で注目選手に挙げたヘルタ・ベルリンのリヒター選手が大活躍したということは、なんにもうれしくありませんが、徐々に見る目がよくなってきているのではないかと思い、うれしいことではあるものの、複雑な気持ちになりました。

次の投稿では、私が投稿を始めた10節から17節のパフォーマンス評価をしたいなと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

では、また。

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