見出し画像

幸せになるには覚悟が必要

 小さい頃からわたしには誰にも入ることのできない世界があるような気がしていた。入ることが出来ないというより入らせたくない領域とでもいうか。友達と遊ぶのも楽しいけれど、1人で遊ぶ方が好きだった。様々な空想をして、自分だけの物語を作り、その世界に浸っていた。それは思春期になっても続いていた。人の勧める本や音楽も好きになったことはあるけれど、自分で好きなことを見つけてそれにはまることが多かったように思う。
 大人になると結婚や仕事など、周りと自分とを比較して気にするようになって悩んでいた。その時、わたしのことをよく知っている親友からこう言われた。
「でもあなたは昔から本当は他人のことなんて全然気にしてなんていなくて、自分を持っている人だよね」
 えっ?そうか!わたしはわたしのことをわかっていなかった。他の人の価値観とわたしの価値観は違うと知っていて、心から羨ましいと思ったことなんて本当は無かったかもしれない。誰かの人生を生きてみたかったなどと思ったことは一度もなく、自分の選んできた道を進んできたことを後悔などしていなかった。人生やり直すことが出来ても、きっと同じ道を進んでいくだろう。諦めではなく、何者でもない自分を受け入れ、今出来る最善の道を選ぶ。そうやって生きてきたし、これからも生きていくだろう。
 頑固なのだ。誰にもわたしの幸せを決めることはできない。決めることができるのはわたしだけだ。そのことを理解していることが重要なのだ。
親友のあの時の言葉はわたしの心の中に深く残っていて、時々思い出しては自分の指標となっている。
 わたしの世界に、領域に、誰も入ってくることはできない。それは小さい頃から何も変わらない。幸せを他人と比べても何の意味もない。そのことをわたしは知っている。知っていることがわたしを強くする。自己中かもしれないけれど。 

幸せは自己中です。幸せになる条件を分かち合かちことができても、幸せそのものは人と分かち合うことができないから。幸せは自分ひとりのものだから、他人と比べることもできません。自分が幸せであるってことだけで、何も言わなくても他人を傷つけることだってあるんです。

「幸せについて」 谷川俊太郎

 例え他人を傷つけることがあっても自分が幸せであることに恐れない強さを持っている人こそ真の幸せを掴むことが出来るのかもしれない。幸せは時には周りを見えなくする。それでも幸せでありたいと願うのならばそれ相当の覚悟が必要なのだ。自己犠牲のうえには成り立たない、幸せとはそうゆうものなのかもしれない。


よろしければサポートよろしくお願いします!