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暗黒の20代を救った曲

暗黒の20代。わたしは自分の20代をそう思っている。もちろん辛いことばかりではなかった。20代最後の方は楽しくなってきたから、全てが酷かったわけではない。

20代前半、大好きだった父の癌が発覚。2年の闘病期間を経て亡くなる。毎日悲しくて泣いて泣いてポロポロになる。
20代半ばも過ぎた頃、学生の頃から付き合ってきた彼と結婚すると思ってたのに、だんだん心がすれ違い、8年間の交際の末に破局。
何もかも失ってしまった。みんな離れていってしまう。人生どん底。と思っていた時に出会ったのが、Coccoのポロメリアという曲。特にこのフレーズは心に刺さった。

ここから走り出す力が欲しい。
小さく丸まってその合図を
いつだって 待っていた

Cocco 「ポロメリア」

いつかタイミングがくればきっとわたしは立ち直ることができる。その合図を今は待とう。きっとやってくるそのチャンスがやってくるまで丸まって待っていよう。
この曲を聞くとそう思えた。

かくしてその時はやってくる。後に結婚することとなる夫と出会い急に人生バラ色になる。

あの歌があったからわたしは未来を信じて、その時まで力を蓄えて待っていることが出来たなあ。と今でも思う。
あの時、何度も繰り返し聞いていたこの曲を久しぶりに聞いてみる。やっぱり素敵な曲だ。
この曲を聞くと辛くて、もがきながら頑張っていたあの頃を思い出す。でも不思議とそれは水面に光が反射してキラキラとしている、そんな光景を見ている気持ちになるのだ。
ああ、頑張って生きてきたな、わたし。
全ては無駄ではなかった暗黒の20代。
幸せな30代が待っていることを知る由もなかったあの頃。
この曲はわたしにとって今でも特別な曲だ。

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