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焼津まぐろチャーシュー 南アのコクありシュナン・ブラン

まぐろチャーシュー。まぐろの頭と尾の部分を特製タレに漬け込み焼き上げた静岡県焼津の珍しいシーフードだ。

第15回水産庁長官賞受賞
保護フィルムを剥がしたあとだがフィルムのような豊かなゼラチン質がコーティング

使用している部位のためか食感にかなり特徴がある。筋繊維を感じる。一方で表面をうっすらとゼラチン質がコーティングしている。お肌にもよさそうだ。歯でほぐすように噛み進めていくとやや控えめな魚肉の風味が広がり、それに軽めの味付けの醤油の甘辛が柔らかく広がる。加熱してもおいしいとの説明書きを読み、少しつまんだ後はレンジに。繊維感が少し和らぎ、私はこちらの方が好みだ。加熱ありなしで食感、風味の違いを楽しみたい。斬新なアイデアで頭と尾をここまで美味に仕上げていることに感心だ。

合わせたワインは以下の2種類。セラーに入っていた開栓済みのワインから選んだ。
・イタリア エミリア・ロマーニャ州ランブルスコ
・南アフリカ ケープ州パール地区シュナン・ブラン

メディチ・エルメーテ コンチェルト ランブルスコ レッジアーノ セッコ, 2,178円
Medici Ermete, Concerto, Reggiano, Lambrusco, D.O.C., Italy, 11.5%

非常に濃い色調、鮮やかな赤紫色の泡が見ていて楽しい。
香りにはフレッシュな山葡萄、ブラックチェリー、アメリカンチェリー、プラム、微かにブドウの果皮や茎のほんのりとヴェジェタルなタッチ。
ジューシーなブドウの風味、力強い酸味と泡の刺激が楽しい、果実味をたっぷりと感じるがしっかりとドライな口当たり、しっとりと舌に残るタンニンも心地よい。

まぐろチャーシューの味わいがもっと濃いかと勘違いしてしまった。ランブルスコの快活で力強く、ジューシーな果実味に、泡の刺激に、料理がやや負けてしまった。が、喧嘩はなく、悪くない組み合わせだ。酒飲みのリクエストとしては料理の味付けがもう少し濃いと、ランブルスコともさらに相性が良いはずだ。いや、この味付けに合うワインもたくさんあるはず!だが、料理の見た目から強めの味を勝手に想像してしまった。
相性: ★★★☆☆

続いて南アの白ワインに。
ブラハム シュナン・ブラン, 2,178円
Brahm’s, Chenin Blanc, Paarl, South Africa, 2019, 14%

香りには花梨、マルメロ、黄色いメロン、黄色い花、やや明瞭に樽、酵母香、魅力的で心掴まれる香り。
ジューシーな果実味、中庸ながら的確な酸味、じんわりと旨味やコクが広がる充実のフィニッシュ。
見た目は肉のようなまぐろチャーシューだが、コクのある白ワインの方が合わせやすそうだ。まぐろの頭と尾のやや控えめな脂とそれに合わせた優しめの醤油ベース味付けに、ワインの充実の果実感となによりもコクや奥行きのある風味が心地よく寄り添う。さらに、最近はまっているディルマヨネーズをまぐろチャーシューにのせると、ディルの爽やかさとマヨのクリーミー感が加わり、まぐろチャーシューを引き立て、かつワインへの繋がりをより滑らかにしてくれた。バターなどを使ったリッチな風味のソースで仕上げた白身魚にもよく合いそうなコクのあるワインだ。
相性: ★★★☆☆

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