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渡り蟹のトマトクリームパスタ アルザスリースリングのフレッシュな果実味と高貴な酸味

ゴールデンウィーク中に立ち寄った神戸北野、中山手通のSakanaya Uohideでの夕食の続き。お店に入ると、まるで魚屋さんのように魚や貝が氷の上に並べられている。気に入ったらその場で購入もできる (食事のみならず、目利き40年超の腕を頼りに魚の購入目当てでいらっしゃる方もいるのだろう) 。

入り口に並んだ魚や貝

ここまで刺身、焼き物 (シシャモ、鮭とば、ホタテ) 、唐揚げ (キス) と食べて、そろそろ締めということで渡り蟹のトマトクリームパスタを注文。

ワインは引き続き、フランス アルザス産のリースリング品種を用いたのものをゆっくりと飲む。17時からワイングラスを傾ける幸せな神戸北野の夕暮れ。

トリンバック リースリング アルザス フランス

トリンバック リースリング アルザス フランス, 4,950円 (レストラン価格)
Trimbach, Riesling, Alsace, France, 2019, 13%
フレッシュで淡めの色調。
グレープフルーツ、レモンのフレッシュな柑橘香、ペトロール香は穏やかながらほんのり、樽香などなくフレッシュでストレート。
みずみずしく優しめの凝縮感、凛とした的確は酸味、ほんのり塩味、ミネラルの爽やかさと奥行き。

渡り蟹のトマトクリームパスタが運ばれてくる。

渡り蟹のトマトクリームパスタ

カニのはさみがドーンと載っていて豪快だ。カニとトマトソースが絡む香りが漂い、食欲をそそる。ソースにはカニの風味がたっぷり溶け込んでいて、トマトの酸味とバターやクリームのリッチな風味と重層的なハーモニーを奏でている。ソースをたっぷりとパスタに絡めて口に運ぶ。パスタの風味の余韻に、ワインをひと口。ワインのフレッシュな柑橘と高貴な酸味が、カニ、トマト、クリームが絡むリッチな風味を更に引き立てる。トマトソースは一般的には赤ワイン (イタリアの軽快なものなど) が合うが、このパスタの渡り蟹の旨味は白ワインだからこそ引き立つ。赤ワインには圧倒されてしまうかもしれない。
刺身からパスタまでアルザス産のリースリング品種で通し、様々なハーモニーを楽しんだ。こちらのお店には、ほかにもスパークリングワインはチリ産 (シャルドネ品種メイン) 、白ワインはフランス シャブリ、フランス ローヌ (グルナッシュ・ブラン、ブールブーラン、ユニ・ブラン品種など) 、赤ワインはフランス ローヌ (グルナッシュ品種メイン) 、オーストラリア  (シラーズ品種メイン) 、南フランス (グルナッシュ品種メイン) などが用意されていた。先日訪問した酒屋の店主も魚に合わせる赤ワインを聞いたところ、ラングドックのグルナッシュを勧めてくれた。もはや魚にグルナッシュは常識になっているのだろうか。あまり試してなかったので今度、じっくりと相性を検証してみよう。
相性: ★★★★☆

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