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土鍋 牡蠣の炊込み ブルゴーニュの正統派シャルドネのピュアで伸びやかな果実味

浅草での友人との食事。くずし割烹しま正での魚料理は最後の一品に。

鱸(スズキ)の南蛮漬け、鱈の白子さっと煮、アイナメとナスの揚げ出汁、カマスの塩焼と進み、ご飯は土鍋 牡蠣の炊込みだ。炊き込みに30分ほどを要するので早めに注文しておく。

土鍋を開けると、火が入り身が少し縮んだ牡蠣がコロコロとご飯のなかから覗く。香りづけの葉物が少し散らされているだけで、具材は牡蠣だけのシンプルなスタイル。邪魔されずに牡蠣に集中して楽しみたいときにぴったりだ。

ワインはブルゴーニュ ペルナン・ヴェルジュレス村のシャルドネ。最後の一杯だ。

ドメーヌ・ロラン・ペール・エ・フィス, ペルナン・ヴェルジュレス, ブラン, 2017, 約6,000円(レストラン価格)
Domaine Rollin Pere et Fils, Pernand-Vergelesses, Bourgogne, France

アロース・コルトンとサヴィニィ・レ・ボーヌにはさまれたペルナン・ヴェルジュレス村のワイナリー。畑は、コルトンの丘の後ろで標高250mから300mの南から東向きの場所にある12ha。農薬や化学肥料の使用を避け、酵母には野生酵母を用い、無濾過で瓶詰めする製法。
フレッシュな柑橘の香りを伴いつつも収穫から5年を経て程よい落ち着きも同居。
風味には透明感高く、ピュアでのびやかな果実味が魅力的、微かな塩味やミネラルのニュアンスにも富む。野生酵母を用いて、濾過は抑えめの造りだが驚くほどピュアでクリーン、それでいて滋味を感じる。最近はシーフードへの懐が広いイタリアの白ワインに依存気味だったが、このブルゴーニュワインはここまでに提供された鱸(スズキ)の南蛮漬け、鱈の白子さっと煮、アイナメとナスの揚げ出汁、カマスの塩焼とも相性ばっちりだ。
土鍋 牡蠣の炊込みに合わせる。凝縮した牡蠣の旨味、そして磯の香りとほろ苦さを、やさしい出汁の効いたご飯が受け止める素晴らしい塩梅。ワインの伸びやかな果実味は心地よい滋味を伴っているためか、牡蠣の生臭みスイッチをみごとに避けて料理と一体化。相性: ★★★★☆

独身時代はボルドー、ブルゴーニュをどっぷり飲んでいたが、所帯を持ちワイン資金をコントロールしてからは自然とワイン選びが多様化した。伝統国ではイタリア、スペインの飲用頻度が上がり、日本、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、南アなどの新世界もよく飲む。おかげでワインへの興味も幅広くなった(その延長でワイン・エキスパート・エクセレンス資格の取得に至った)。が、久々にブルゴーニュを飲むとやっぱり良い。ドメーヌ・ロラン・ペール・エ・フィスのワインはシーフードとの相性もばっちりだ。難易度の高い牡蠣にも。イタリアワインなどに比べるとお財布への負担は大きいが定期的にブルゴーニュも取り込みたい。

食後酒の球磨焼酎も素晴らしかった

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