ユナイテッド航空ラウンジのシャンパンはランソン　機内ではシャブリにプリッとエビのシーフードサラダ

ヒューストン空港アメリカン航空ラウンジにて。カウンターに座ってシャンパンを注文しようとスタッフに声を掛けると、人差し指でクイッとされる。そうかそうか、スタッフのとこに行ってオーダーする式なのね。さて注がれたシャンパンはうまし！提供されたのはランソン。成田のユナイテッド航空のラウンジにはシャンパンはなくフランスのスパークリングワインのみだった。

Lanson, Champagne, France

微かにブラウンがかったはっきりした色調、細やかな泡が力強く速いスピードで立ち上がる。焼きリンゴにフレッシュなリンゴ、ほんのりとリンゴ酢。そこにブリオッシュが絡み贅沢なフレーバー。
豊かにりんごの果実味、りんごを齧ったときに広がるキュッと引き締まった酸味。シャープな酸味に、余韻にはほんのりとまったりとしたニュアンス。ランソンでは伝統的にマロラクティック発酵をせずにシャープな酸味をプレゼンしていたが、最近は一部取り入れている。凝縮感はほどほどにみずみずしさも備えつつ、魅力的な果実感。
(90/100)(4月20日)

シャンパンを一杯だけ飲み搭乗口へ。離陸後にワインリストを見ると、往路から3週間後の搭乗だったが同じメニュー。
往路でかなりアメリカ産を飲んだので趣向を変えてシャブリから。シャブリから一つ規定の由来プティ・シャブリカテゴリーのもの。

Jean-Marc Brocard, Petit Chablis, 2022

思いのほかしっかりとした色調、グラス底に泡がたくさん。
レモン、ライムの甲高い柑橘香に微かに干しワラのスパイシーなニュアンス。レモングラスのほのかなハーバルで爽やかなタッチ。
緻密さはないが思いのほか落ち着いた味わい。2022年産とは思えない。やや甲高い酸味がプティ・シャブリらしく好意的。ほろ苦さと高度の高い水を飲んだ後の舌への余韻にミネラル感。
(88.5/100)(4月20日)

大ぶりのエビがプリプリのシーフードサラダ(Lemon zest prawn confit)にワインを合わせる。レモンのフレーバーにより際立ち、活き活きと訴えかけるエビの風味にワインのミネラル感、甲高い柑橘香、酸味が絶妙に調和。何気ないシンプルな、素材を活かしたシーフードサラダに、リーズナブルなプティ・シャブリが大いに活躍。相性: ★★★★☆

続いてタラの煮付け昆布風味(Saki and Konbu marinated cod)。ポン酢とレモンスライスで爽やかに仕上げられた一品。タラにはもともとそこまで臭みはないがこの味付けによりさらに封印。柑橘の爽やかな香りに分厚いタラへ箸がどんどん進む。ところがワインをひと口飲むとなんと、生臭さが立ち上がってしまう。シャブリのフレッシュな柑橘香はポン酢とレモンソースには寄り添うが魚本体に当たるとうまくいかない。ワインの柑橘香が若々しすぎるか。シャブリでも少し落ち着きのあるプルミエクリュ以上を合わせるべきか。相性: ★★☆☆☆

その後、往路でも飲んだナパのカベルネ。やや甘さの強いチーズケーキに合わせたが、ワインのパワフルな果実味がバランスし、ほんのりとした渋みが余韻をスッキリとしてくれた。

Elizabeth Spencer, Proprietor Selected Special Cuvée, Cabernet Sauvignon, Napa Valley, California, USA, 2021

濃い色調だがギリギリグラス底は見通せる。
ダークチェリー、プラムジャムに力強くも明るいトーンのチェリーリキュール。樽香はやや明瞭、バニラビーンズなど甘いスパイスの香り豊か。
パワフルながら完熟してしなやかな果実味、穏やかな酸味、驚くほど滑らかなタンニン。アルコール感強く長い余韻。甘さとバニラがやや強い。
(89/100)(4月20日)

最後はナパの赤、複数品種のブレンド。これが素晴らしいクオリティで、ボルドーの上物のような雰囲気。

Chateau St. Jean Cinq Cépages, Sonoma County, California, Napa Valley, 2017/2018

力強い色調でグラス底が見通せない。
黒色ベリー主体の緻密な果実香、針葉樹やミントの爽やかな香りも伴いボルドーの上質なワインを思わせる。樽香は果実香を下支えする程度にほんのり。
緻密なストラクチャーの果実味。ナパバレーに典型的な甘みはほとんどなくシリアスなスタイル。心地よいやや明瞭な酸味、まだ粗さの残るタンニン。ほんのりと塩味のようなニュアンス。これもまたワインを引き締めていて良い。
(90/100)(4月20日)

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