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鱈の白子さっと煮 ブルゴーニュの正統派シャルドネのピュアで伸びやかな果実味

浅草、くずし割烹しま正での友人との夕食の続き。

鱸(スズキ)の南蛮漬けに続いて、鱈の白子さっと煮が提供される。さっと煮、というのがポイントで白子が固くなりすぎず、口の中でほどけるような絶妙な火入れはさすがプロの仕事だ。

最近、白子は焼きやムニエルで濃いめの味付けで食べていて、ワインとの相性も良かった。今回は素材本来の味わいをワインに合わせる。

ワインはブルゴーニュ ペルナン・ヴェルジュレス村のシャルドネを続ける。友人はワインをひと口飲むと、冬場はやっぱり熱燗だとワイングラスの横に燗酒を並べ、マイペースにビール、ワイン、日本酒と三種の醸造酒を温冷を交えてチャンポンしている。私はありがたくブルゴーニュワインを次々に自分のグラスに注いでいく。
 
ドメーヌ・ロラン・ペール・エ・フィス, ペルナン・ヴェルジュレス, ブラン, 2017, 約6,000円(レストラン価格)
Domaine Rollin Pere et Fils, Pernand-Vergelesses, Bourgogne, France

フレッシュな柑橘の香りを伴いつつも収穫から5年を経て程よい落ち着きも同居。
風味には透明感高くピュアでのびやかな果実味が魅力的、微かな塩味やミネラルのニュアンスにも富む。最近、イタリアワインにはまっていたこともあり、正統派ブルゴーニュから遠ざかっていたが、やはりブルゴーニュは良いと全身がウェルカム・モードだ。
鱈の白子さっと煮に合わせる。さっと煮の白子が口の中でほどけ、贅沢なコクが広がる。もみじおろしと小口切りのネギがそれを爽やかに引き締める。ワインの伸びやかな果実味と塩味やミネラルのニュアンスが白子のコクと薬味の爽やかな香味に絶妙に重なる。魚卵系食材にワインを合わせるのは難題だが、ピュアな果実味は魚卵の生臭みのスイッチをすり抜けて見事に調和した。魚介の和食を幅広くカバーしてくれるワインだ。相性: ★★★★☆

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