「ファンをつくる」という視点が、重要な時代。
こんにちは。いつも本ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
本日は、インターネットを通じて自身のファンをつくることの重要性について書いてみたいと思います。
まず、「ファン」ということに関して思っていたことを佐藤可士和さんについて自身が経験したことをもとに少し書いてみたいと思います。
私は、アートディレクターの佐藤可士和さんが大好きで、彼が独立された当初より、広告批評の特集を買ったり、色々とその作品を見てきました。
パートナーである佐藤悦子さんの色々なアイデアによって佐藤可士和さんがテレビなどの一般メディアにでてくるようになる過程も見てきました。(悦子さんは『SAMURAI 佐藤可士和のつくり方』という本も執筆されていてそちらに色々と書かれています。)
私が佐藤さんを知った、その活動初期のころは、作品を見ていいな、と記憶していたものが、実は可士和さんの手掛けた仕事だった、ということが良くありました。(酒井順子さんのエッセイ『負け犬の遠吠え』の表紙など。)
しかし、いつのまにか、気づくと、作品より前に、「佐藤可士和のデザインによる○○」のようなフレーズのニュース記事で、その作品を見ることが多くなったようになりました。つまり、作品より先に、佐藤さんの作品であることを知った上で、その作品を知るようになったのです。
これは、果たしていいことなのか、どうか。それは、ここでは問題にしません。ここで言いたいのは、佐藤可士和さんが手掛けた作品・仕事に、その作品単体の価値に加え、「佐藤可士和デザイン」というもうひとつの価値が付いたという事実です。
もちろん佐藤さんが手掛けた仕事ですから、その仕事が素晴らしい思考が詰め込まれていて価値があるのは間違いないのですが、それに加えて、佐藤可士和さんが手掛けたという事実にも、価値が生まれる状態になっているということなのです。
そして、もしかすると佐藤さんに仕事を依頼した、企業は、佐藤さんが手掛けるデザイン的に考えられたプロダクトに加え、この「佐藤可士和デザイン」というお墨付きも欲しい、と思った可能性もあると思っています。
この、広告やプロダクトのデザインを依頼する背景には、佐藤さんが一般社会で広く認知されていて、「ファン」を多く抱えているデザイナーであることも大きくあるだろうと思います。
佐藤さんによるデザインが完成すれば、メディアに登場し、少なくとも数多く存在する「佐藤さんのファン」には間違いなく届くはずですから、情報認知・拡散という意味でも有利になるだろう思考が働いているのでは思っています。
つまり、ブランド化していて、多くの「ファン」がいるということが、デザイナーに仕事を依頼するかどうかという判断基準にもなりえる時代なのかなと思ったりするわけなのです。
実際、私も佐藤さんがデザインした製品と聞けば、どのようなものなのか、見てみたくなりますし、見出しにあればクリックして、その記事を必ず読んでしまいます。読者の方にもそのような行動をしている方はおられるのはないでしょうか。
少し、前置きが、長くなりましたが、インターネットの話題に戻りたいと思います。
上で書いた、「ファン」をつくるという行為、これはインターネット以前では、限られた、ある種選ばれた人だけができる行為だったと思うのです。テレビや新聞などの、いわゆるマスと呼ばれるメディアしかなかった時代では、そこに出られる人の数も限られるのは想像に難くありません。
それが、インターネット、そしてSNSの登場によって、誰しもが「ファン」をつくるという活動ができる社会になりました。インターネットを使用すれば、誰でも自身の情報を自分主体で発信する事ができますよね。ホームページしかなかった90年代以降、ブログサービス、SNSが登場して、利用できるツールは大幅に増え、発信する敷居も非常に下がったと思います。
私が思うに、インターネットのホームページ、ブログ、SNS等を活用することで、自分自身の「ファン」を増やしていく活動ができるのが現代という時代だと思います。
そして、自分自身の「ファン」を増やしていくことができれば、最初に事例として書いた、佐藤可士和さんのような現象にもつながってくると思っています。ファンを多く抱えていることが、様々なところでメリットを生む可能性があるのです。
少し、大きな話を書いてしまいましたが、誰にとっても、それほど、大きな活動をしていない人にとっても「ファン」をつくることは非常に重要だとおもっています。
例えば、建築の設計を依頼するという行為を考えてみても、依頼者は、あなたのつくる建築物が欲しいのと同時に、あなたにつくって貰いたいと思って依頼をしているはずなのです。
つまり、あなたに依頼をしている人は、あなたの「ファン」だから設計を依頼していると言い変えられると思います。
日頃、インターネットを活用して、あなた自身の「ファン」をつくる努力をすることで、次なる新しい仕事にも繋がってくるのではないでしょうか。
アーキテクチャーフォトの活動でも、ある部分では「ファン」を増やしたいという思いがあって運営していると思っています。
もうじき運営が10年になるアーキテクチャーフォトでは、その情報や活動に共感を持ってくれる人たちに本当に助けられているという実感があります。実際に、学生時代から、閲覧してくださっていた方が独立して事務所を立ち上げ、作品を投稿してくれたり、また、いつも閲覧してくださっていた方々が、自身の事務所での求人情報の掲載を依頼してくれたりしています。
そのようなある意味「ファン」になってくれた方がいるからこそ、続いているメディアだとも言えると思います。これからもファンになってくださった皆様に貢献できるようなメディアでありたいと思っています。
「ファン」という視点で、色々と書いてみましたが、如何だったでしょうか?
皆さんも是非、ネットを活用してファンを増やしてみてください!!必ず新しい仕事や展開が待っていると思いますよ。
(またの機会により実践的な話も書いてみたいなと思います)
皆様に、有益な情報をご紹介できるよう活用します!