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Hal
2020年1月13日 11:57
年明け早々の通勤中のことである。松葉杖を衝きながら、一人の男性が電車に乗り込んできた。やや混みつつあった車内は、その人のために通路を空ける。暗黙の了解で優先席へと導くその様子を、近くの席に座りながら眺めるともなく眺めていた。すると、男性は突然声を上げた。「おい、立てよ。こっちは松葉杖なんだからさ」怯えたように優先席から立ったのは、小柄な女性であった。年頃は私と大きく変わらないように