Hal

1994年生まれ。優しさと寂しさの境界線を描くために。 〔 Contact: w_h_…

Hal

1994年生まれ。優しさと寂しさの境界線を描くために。 〔 Contact: w_h_note@outlook.com 〕

マガジン

  • 〔小説〕いま、ここで

    日常生活の中に埋もれてしまいそうな小さな物語を、1000字で。一話完結。

  • これまで来た道、これから行く先

    旅がどこまでも続くように。1000字エッセイ。

  • 特集 ChatGPT

    ChatGPTを使って遊んでみたエッセイ集です。

  • 思いの発露

    1000字の制限なく綴ったエッセイたち。伝えたいことを削らずに、まっすぐ書いています。

  • 〔小説〕はるさめスープ

    ハルサメ中等教育学校で繰り広げられる、ちょっとホンワカな物語集。一話完結です。

最近の記事

  • 固定された記事

名のない僕とピンポンちゃん

祖父母の姉妹のことを、「おおおば」(大伯母あるいは大叔母)という。祖父母であれば、おじいちゃん、おばあちゃんというのが普通だし、おじおばであっても、そのまま続柄の通りに呼びかけて違和感はない。ただ、「おおおばちゃん」というのは、いささか発音しにくいし聞きなれない。 当の私は、大伯母の家のチャイムが特徴的だったことから、小さい頃から「ピンポンちゃん」と呼んでいた。したがって、ここからもピンポンちゃんとして話を進めることにする。 ◇ 私が生まれてすぐに東京から仙台に引っ越し

    • 〔小説〕いま、ここで [22: ダイニング (少し不思議なふたり)]

      〔小説〕いま、ここで [15: レストラン (少し不思議なふたり)] の男女の後日談としてお楽しみください。 ◇ ◇ ◇ ――おかしい。 自分の意識しないところで、自分の中の何かが変わってしまったことに気づいたときほど、寂しいものはない。現に僕はその寂しさの中で苦しみはじめている。 そもそも、自分が特異であることに気づいたのは高校生の時だった。好きな人の考えていることが手に取るように読み取れる。初めのうちは、悪いことをしているような気がしていたが、そのうち慣れてしまっ

      • ChatGPTとしりとりで大激戦を繰り広げてみました

        Halです。猫も杓子もChatGPTを利用しているようなので、私も使ってみました(ChatGPT 3.5)。先日、ChatGPTはしりとりに相当強いだろうと予想して挑んだ国名しりとりで、あっけなく私が勝利を収めました。そこで今回は、国名などの制限なく、しりとりで真っ向勝負を仕掛けてみたので、スクリーンショットとともにお楽しみください。 まずは戦いの前の挨拶から。前回私が勝っていますが、決して驕らず、ここは勝者の風格で余裕を見せます。 前回同様、ChatGPTも臨戦態勢です

        • タンポポの春

          春になり、道端に小さな花が咲いているのを目にするようになった。どこから飛んできたのか、自宅のそばの車道沿いにも、一輪のタンポポがアスファルトを押し割るようにして力強く背筋を伸ばしている。 季節の移り変わりを告げるそのような光景を眺めながら、私は横浜の職場へと通う。都内の自宅から職場までは一時間強かかる。もう少し近い場所で勤めた方が、心身ともに楽になる気はするが、こればかりは採用してくれる会社がなくては致し方ない。考えてみれば、通勤・通学に電車で一時間かかるのは、大学時代から

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        名のない僕とピンポンちゃん

        • 〔小説〕いま、ここで [22: ダイニング (少し不思議なふたり)]

        • ChatGPTとしりとりで大激戦を繰り広げてみました

        • タンポポの春

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        • 〔小説〕いま、ここで
          22本
        • 特集 ChatGPT
          3本
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          130本
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          9本
        • 恋のはなし
          20本

        記事

          スルメイカを噛んだら奥歯が欠けた話

          風が吹けば桶屋が儲かる。あまりに有名なことわざである。他方、焼酎が売れれば歯医者が儲かる、というのもまた真のようだ。 それは2024年4月14日の夜だった。私はいつものように焼酎を炭酸で割ったり、ウィスキーを炭酸で割ったりしながら、アルコールと二酸化炭素を体内に注ぎ込んでいた。家族4人、穏やかな団らんの風景である。 お酒のおつまみは、その日によって異なる。ピスタチオナッツを優雅に少量口に運びながらウィスキーを楽しむときもあれば、じゃがりこをバリボリ噛み砕きながら自作レモン

          スルメイカを噛んだら奥歯が欠けた話

          現在地 [Apr. 17, 2024]

          こんにちは。Halです。 4月に入って部署の異動があり、溜まりに溜まった海外営業職時代の記事を焦って連続公開しておりますが、まだまだ当時の生活を描いた下書きは残っています。このままですと、4月中はこの話題で終わってしまいそうな気配すらあります。 これはさすがに良くないのではないか、と思っております。 海外営業として仕事をすることの喜びや楽しさを表現しているのであればまだしも、そもそもそれらの記事を書いたのが異動前の時期ということもあって、上司へのやるかたない不満なども含

          現在地 [Apr. 17, 2024]

          僕を誘わないでよっ!

          女性読者が離れそうな記事だが――、という書き出しを初めに思いついたのだが、性差の表現に敏感なこの時代、避けるべきだろう。それなら、男性も女性も気にせず書きはじめてしまえばよいのだろうか。それはそれで、配慮が足りないはずだ。その「配慮」とは何か。「こんな題材の記事を読みたくない人」に対する配慮だろう。なるほど、これなら性別とは関係ないので、時勢に沿うかもしれない。それでは、気を取り直して書き直してみよう。 こんな題材の記事を読みたくない人には適さない記事かもしれないが――。

          僕を誘わないでよっ!

          ビジネスホテル・カンツォーネ

          国内出張では泊りがけとなることも多いため、営業職に転職して以降は各地の駅至近のビジネスホテルに宿泊する機会が急激に増えた。 夕食を顧客や同行者などと摂ることは多いものの、出張先で独りで過ごすという夜もある。会社から支給される宿泊費用や日当を考えれば、そう贅沢できるものでもないが、それでもホテルの部屋で楽しもうという気が起きてくる。 ある時は、部屋まで配達してくれるというピザの出前を注文した。 ビジネスホテルの狭いテーブルからはみ出るピザの外装をバランスよく配置し、チェッ

          ビジネスホテル・カンツォーネ

          現在地 [Apr. 06, 2024]

          こんにちは。Halです。 私は昨年12月から、毎週水曜日と土曜日にnoteを投稿する、というペースで更新をしてきました。今のところ順調に投稿できていますし、特にネタ切れの予感もありません。記事の質も特に以前と比較して大幅に低下しているということもないのではないか……と、個人的には思っています。 このペースを維持できているのは、ひとえに保存済みの下書きによるものです。最近の私は、時間を見つけたときに一気に下書きを書き溜めています。単純に言えば、一週間あたり平均2本以上書き上

          現在地 [Apr. 06, 2024]

          雨の中で両国駅から東京駅まで歩いてみた

          年度も明けたばかりの本日、2024年4月3日。東京都内ではお昼前から雨が降り出しました。私は下町・両国近辺で午前中に仕事があり、建物の窓から徐々に悪化する天候を見守っていました。 その仕事が終わったのは12時前頃。今度は取引先との面会があるため、13時に東京駅近くの某所で待ち合わせです。そこで、ダイエットも兼ねて、両国駅から東京駅まで歩くことにしました。 実際に歩いたルートはこちらです。 両国駅から南に下ると、江戸三十三箇所参りの第四番札所である回向院があります。お参り

          雨の中で両国駅から東京駅まで歩いてみた

          Amor Calamō Foltior

          2024年も明けたばかりの1月4日に、私にこんなLINEメッセージが届いた。 差出人は、私が大学時代にアルバイトしていた塾の元生徒だった。名前を伏せておくのも読みにくいので、ここからはAちゃんと呼ぶことにする。もう学生生活を終えようとしている彼女に「ちゃん」付けというのは、そぐわないのかもしれないが、講師時代からの呼び方なので、どうか許されたい。 取り急ぎ、Aちゃんからのメッセージには承諾の旨を伝えた。当時の講師たちも誘う、と聞いていたのだが、最終的には「誰も都合がつかな

          Amor Calamō Foltior

          私の『会社員間奏曲』を、Sansan公式noteにてご紹介いただきました!ありがとうございます。 相変わらずの私の記事タイトルの短さ…。 https://note.com/sansanjapan/n/n72842b1b2c1c

          私の『会社員間奏曲』を、Sansan公式noteにてご紹介いただきました!ありがとうございます。 相変わらずの私の記事タイトルの短さ…。 https://note.com/sansanjapan/n/n72842b1b2c1c

          何を信じる?<情報的健康>

          以下の中で、真実はいくつありますか。(0個でも全てでもありません。) サウナで心臓停止が相次ぎ、年間1万7000人が死亡している。 宮内庁が、インスタグラムの公式アカウントを開設する。 岸田政権が奨学金・失業手当に課税すると発表した。 米疾病予防管理センター(CDC)が、新型コロナウイルスに対してはワクチンよりも自然免疫の方が効果があることを認めた。 * 答えは、真実は2番目のみで、他は虚偽です。他3つの偽情報は、昨年12月中旬に日米韓で実施された「情報的健康」に

          何を信じる?<情報的健康>

          会社員間奏曲

          私の目覚まし時計は、平日になると午前5時10分に飽きもせず鳴る。大変迷惑なことだ。人間の安眠を妨害するのが目覚まし時計の役割とはいえ、あまりにも薄情ではないか。無機質なこの音を耳にするたびに、私は八つ当たり的にあらゆる機械類を恨む。人工知能の目覚ましい発展をも呪いたくなる。 家を出発するのは午前6時過ぎである。冬場は太陽さえまだ眠っている。日によっては、前日に帰宅できなかった酔客とすれ違ったりする。そして最寄駅から乗り込む電車は、外の静けさとは対照的なほどに混んでいる。私と

          会社員間奏曲

          ChatGPTにしりとりを挑んで勝ってみました

          Halです。猫も杓子もChatGPTを利用しているようなので、私も使ってみました(ChatGPT 3.5)。今回は、ChatGPTが最も得意そうなしりとりに挑んでみたので、スクリーンショットとともにお楽しみください。 まずは基本の挨拶から。敵にも礼儀は忘れません。 「光栄です」ときました。向こうもなかなか好戦的です。これはいい勝負になりそう。 私は、しりとりはChatGPTが圧倒的有利であろうと考えています。なぜなら、ChatGPTがインターネットに接続されている以上、

          ChatGPTにしりとりを挑んで勝ってみました

          お恥ずかしい限りでして

          2024年3月5日早朝。 夜中のうちに来ていたnoteの「スキ」の通知に気づいたため、スマートフォンでnoteアプリを開きました。すると、こんなポップアップが。 いやはや、6年間noteに投稿し続けて、初めての体験であります。「おめでとう」と言われて、いやな気持になる人はいませんからね。私もここまで来るのに随分かかったなあ、としばし感慨に耽りました。 ところで何の記事が注目されたのかな、と改めて見てみると、この記事でした。 筆者本人の率直な感想としては、「え、これ?」

          お恥ずかしい限りでして