見出し画像

プラズマ宇宙論と電気的地球科学

宇宙の始まりは「特異点」という高温、高密度の極小の一点から始まった時空の爆発で、現在もその膨張は続いているというビッグバン理論を初めて知った時には、数学や物理学の方程式を理解する頭脳を持ち合わせていない私は『ではその小さな特異点のある周囲の空間とは一体何なのか』という三次元的な疑問に襲われたものです。以来、その疑問は半世紀経っても体感として解決できないばかりか、ダークマターやダークエネルギーという、これまた得体の知れない概念の登場は、私にとってはもはや科学を超えて精神世界を語っているかのようです。

物理学の数式から導き出された想像上の「時空特異点」

ノルウェーの物理学者クリスチャン・ビルケランド博士は、宇宙空間はすべての種類の電子と帯電したイオンで満たされており、すべての星はプラズマを放出し、そこには電流(ビルケランド電流)が流れていると提唱しました。のちに観測により実際にその存在が確認されたこのプラズマ現象に基づけば、惑星の極付近で観られるオーロラ現象についても分かりやすく説明できます。彼は概念だけでなく、この理論に基づいて実際に実験室でオーロラを発生させること(テレラ)にも成功しました。

Kristian Birkeland(1867-1917)

ビルケランド電流によって生じるプラズマ(プラズマフィラメント)の周囲に形成される磁場が互いに引き合うことで対になった二つのフィラメントは、神社の注連縄か遺伝子の二重螺旋のように絡み合います。このプラズマフィラメントによる渦巻状の高エネルギー領域が成長して巨大化すると銀河が形成されます。そして、銀河から噴出され宇宙空間に広がったプラズマジェット(電流)はさらに新たな磁場を形成します。こうして大きな銀河団、さらに超銀河団となり「宇宙の大規模構造」が生み出されるのです。

宇宙には自然界の誘電物質プラズマが満ちている

宇宙現象は重量だけではなく、宇宙の全粒子(バリオン)の99.9%を占める電気伝導性気体であるプラズマ(気体のさらに高温状態)の運動による電流と磁場の影響を受けているという「プラズマ宇宙論(Plasma Cosmology)」の創始者の一人ハンネス・アルヴェーンは『宇宙についての理論は、われわれが観測や実験で確かめた事実の延長上に立てられるべきで、ビッグバン理論のように最初に宇宙誕生の姿を想像してそこから現在の宇宙の姿までの進化を推測するのではなく、まず今の宇宙の姿を調べ、それを元により遠く不明瞭な過去へと遡っていくべきである』と宇宙に対しての実証主義的で科学的なアプローチの重要性を説きました。

Hannes Olof Gösta Alfvén(1908-1995)

「特異点」という数式から導いた想像の産物であったり、古代史の邪馬台国論争さながら100年経っても実態の見えてこない「ダークマター」や「ダークエネルギー」という捉えどころのない概念の多いビッグバン宇宙論よりも、私はビッグバン理論では説明不能な宇宙の大規模構造や「銀河の回転曲線問題」を実験や観測の裏づけからうまく説明できるプラズマ宇宙論の方が地に足のついた理論で宇宙の真実に近いような気がします。そして、このプラズマ宇宙論から派生した「電気的地球科学」の考え方を用いれば、昨今増えている異常気象や気候変動、頻発地震や竜巻、迷走台風の謎めいた振る舞いについても、より納得性の高い説明が可能になります。

超銀河団と巨大なボイド(空洞)からなる宇宙の大規模構造

地震現象は通常「プレートテクトニクス」という、プレートのマントルへの沈み込み現象で説明されます。プレートテクトニクスの研究は日本では1970年代以降の政府による補助金の後押しもあり急速に発展、科学普及雑誌や啓蒙書、新聞・雑誌・テレビなどでも地震のたびにお決まりのように取り上げられ、地震を説明する唯一無二のメカニズムのような印象があります。しかし、この理論はプラズマ宇宙論のように観測で確認されたり実験で検証できたものではなく、あくまで多くの事象がうまく説明できるという一つのパラダイムであり考える枠組みにすぎません。

政府の補助金効果でプレートテクトニクス学者が急増

実際、地震の原因とされるプレートの温度はマグマが発生するような千度を超えることもあり、この高温で果たして岩石はバネのような弾性を保てるものでしょうか。大地震の前後に何千回も断続的に発生する余震が本当にそんな高温な岩石の歪みで説明できるのでしょうか。そもそもマントルの比重よりも比重の軽いプレートの方が、重いマントルの〝下〟に沈み込むというのも理屈に合いません。また、プレートテクトニクスは、ハワイ諸島やアイスランドなど「ホットスポット」での火山活動を何ら説明していません。

ハワイのキラウエア火山はプレート沈み込み火山ではない

夜間氷点下に下がる砂漠の気温が日中は50度を超えるというのは、砂漠の砂の大部分を占める石英に日光が当たり、焦電性を持つ石英が分極することで起きる現象です。分極した石英から電子が放出されると大気中の分子がプラスとマイナスの電荷を持ちます。この分子に太陽光が当たると太陽光の波長スペクトルが赤外線側に伸び赤外線が放射され(コンプトン散乱)、大気それ自体が発熱する状態になります。この現象が相まって昼間の太陽光による気温上昇を遥かに超える異常な気温に達するのです。

砂漠の砂は電子を放出する誘電体でできている

マントルの上の地殻(玄武岩や花崗岩)もまた、石英と同じ誘電体の一種で圧力が加わると分極する圧電体です。岩石にたまった電子は太陽や電離層のプラスに引かれて地表に移動します(誘電体バリア放電)。春分の日を境に北半球では太陽のプラスに引かれ地表に移動する電子が増えるため、砂漠の現象同様に大気がマイナスの電荷を帯びコンプトン散乱が起こり気温が上昇するのです。夏が暑いのは単に地球の自転軸が公転面に対して太陽寄りに傾いて地表が熱せられるためだけではないのです。地表に現れたマイナス電子がゆっくりと電離層に向けて移動する様子は夜間のスプライトやブルージェットなどの超高層雷放電として観測されています。

太陽や月の電荷が地球の地殻内の電子に影響を与えている

大気中の電子を直接観測するのは難しいですが、電子に引かれて周囲から集まってきた空気中のプラスイオンの振る舞いでそれはわかります。北半球が最も太陽に傾き電子が誘引される6月下旬の夏至の頃は日本は梅雨、東南アジアも雨季にあたります。雲の発生、雨、雷、台風、竜巻は太陽のプラスに誘引される大気中の放電現象が原因で、一方、地震、火山噴火は地殻内部の放電現象が原因です。石英など地殻の岩石の圧電効果により発生した電気パルスが断層を不安定にし地震が発生するのです。雨の日や梅雨の時期に大地震が起きにくいのも、地震と降雨が同じ宇宙からの陽子が原因のため、地下の電子が地表に現れることで岩盤内での放電が起きにくくなるからです。

太陽は地殻の電子を誘引し大気の赤外線熱放射を促す

海水温が高い赤道付近の熱帯収束帯で発生した台風がコリオリの力そのままに東へは進まず、太平洋を西から大きく迂回して進むのは、環太平洋地震帯の地殻から放出される電子の流れに引き付けられながら進むためです。2018年に発生した迷走台風12号が東へ進んだあと舵を大きく逆方向に切り西に進路を変えて線状降水帯の多い九州付近で迷走したのも、その直前に西日本を中心に日本列島を横断するように発生した西日本豪雨をもたらした地殻からの大量の電子に引き付けられたと考えられます。

2018年7月の迷走台風の進路

イタリア国立地球物理学火山学研究所のジュゼッペ・デ・ナターレ博士らは、太陽から入り込む陽子の数(大気イオン濃度)と速度が増加した時に、地球でより強い地震が発生していることを突き止めました。大気のイオン濃度が上がると、石英など地殻の岩石の圧電効果が促され地震が誘発されるのです。実際に地震の際には雷や電波、地震雲などの電磁気現象がよく観測されます。また、大規模な地震の前には大気中のプラスイオン濃度が通常の5倍以上に上昇する現象も観測されています(2000年の鳥取西部地震で10倍、2001年の芸予地震は3倍、2011年の福島沖地震では5倍)。

イオン濃度上昇10日後に福島沖でM5.1の地震(11.4.19)

地殻内の電子が誘引されるのは太陽と地軸の傾きの関係性だけではありません。宇宙から降り注ぐ宇宙線(主な成分は陽子)にも影響されます。2023年現在の太陽活動サイクル第25期(SC25)は、過去200年で最も黒点の発生が少ない弱い太陽活動期だったSC24とほぼ同程度の弱さです。太陽活動が弱くなると地球を守る電磁気バリアが弱くなり、地球に降り注ぐ宇宙線の量が増えます。宇宙線の増加は雲の発生や降雨への影響にとどまらず、地殻の電子が地表へ誘引される誘電体バリア放電の大きな要因になるのです。地球寒冷期特有の「冬が寒く夏が暑い」という気温年較差の原因は、太陽活動衰退に伴う宇宙線の増加により「夜が寒く昼が暑い」砂漠同様の誘電体バリア放電の増加が影響している考えると納得がいきます。

太陽活動の停滞が80年代以降の異常気象の原因か?

現在は太陽活動の弱かったちょうど10年前のソーラーサイクル第24期とよく似た黒点状況にあります。そして現在、地球の気候変動の状況も10年前によく似ています。昨年はパキスタンで10年ぶりの大洪水被害があり、日本でも10年ぶりの低温や寒波、厳冬と猛暑という地球の寒冷期特有の気温年較差、そして、今夏も西日本の集中豪雨と東日本の猛暑など10年前の夏の状況とよく似た傾向が見受けられます。ちなみに、線状降水帯という用語が初めて使われたのも約10年前の2014年夏、広島での土砂災害をもたらした集中豪雨でした。

活断層からの電子が線状降水帯や台風を引きつける

夏の猛暑や冬の豪雪、集中豪雨や竜巻など異常気象はすぐに熱帯化など地球温暖化に関連づけられがちですが、もっと視点を変えて太陽活動や宇宙気象といった宇宙論の中の地学として議論、検証されるべきではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?