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科学の発展〜What is Essential is Invisible to the Eye.

都会の喧騒を離れて山や海、森林といった豊かな自然に包まれると、人はストレスから解放され、癒しを感じます。森林浴、マイナスイオン、α波、1/fゆらぎなど、これまで私たちはさまざまな言葉で、その現象を科学的に解明しようとしてきました。


人間の聴覚はおよそ20Hz〜20000Hzの音波を感知できますが、コウモリは20000Hz〜120000Hzの超高周波、アフリカ象は17Hz〜24Hzの超低周波でコミュニケーションをとっています。人間以外の生き物は、人間には聴こえない音域で会話をしているのです。


害虫の食害に遭った樹木は、ある種のフェロモンを放出することで、その害虫の天敵となる虫や鳥を呼び寄せ、害虫を駆除することが知られています。そのフェロモンとは樹木たちが発する、人間の可聴域を超えた周波数帯(Hypersonic)での交信かもしれません。森の生態系を無視して樹木を伐採すると、森の保水力が失われ、河川の氾濫や土砂崩れを誘発すると言われます。これは、実は人間に伐採された森の木々たちが、人間には聴こえない音域で一斉にあげた悲鳴を聞きつけた人間の天敵が、人間を駆除しに来ているのではないでしょうか。


近年の研究では、実は人間も可聴域外の周波数を聴いている可能性が指摘されています。被験者に耳では聴こえないはずの可聴域以上の周波数(Hypersonic)を聴かせると、α波の上昇や、免疫細胞の活性化、アドレナリンの減少が見られます(Hypersonic Effect)。そして、その効果は「可聴域+超高周波」の音を、イヤホンではなくスピーカーで流すことで顕著に現れることが分かってきています。



つまり、人は動物や植物たちの発するハイパーソニック(超可聴域の周波数)を、鼓膜の振動ではなく、皮膚(全身)の細胞を通して検知しているということです。森林や熱帯雨林などの自然環境には、都市部では検出されない超高周波が多く存在することが知られています。森林には人間には聴こえない音楽が満ち溢れているのです。人間は身体全体を受信機としてその声や音楽を聴くことで、知らぬまに免疫力や遺伝子配列など生理活動を調整しているのです。



楽器の調律には、自然倍音で調律する、ハーモニー(調和)を重視した「純正律(純正調)」と、人為的な平均値で調律し、規則性や転調を重視する「平均律」があります。中世ヨーロッパのグレゴリオ聖歌や、日本の古典の雅楽は「純正律」の音楽ですが、現代音楽はほぼすべて「平均律」で奏でられます。調律を敏感に感知できる音楽家の中には、自然の中に長くいた後に楽器を演奏すると、調律に微妙なズレを感じる人がいます。これはその人が、自然界が奏でるハイパーソニックと、平均律で調律された楽器の音色の不協和音を敏感に聴き取っているからです。


調律の基準音A(ラ音)の周波数は、17世紀~18世紀のバロック時代は415Hz、18世紀~19世紀の古典派時代や日本の雅楽は430Hzで調律されていました。それが現代に入り、1920年代の米国や1939年のロンドン国際会議で採用された440 Hzが、1953年の国際標準化機構(ISO)で正式な国際基準になりました。これまで地域や時代により、さまざまな周波数帯で奏でられてきた音楽ですが、その中ではA=432Hzの周波数が一番ハーモニーが美しく、人間の耳にも心地よいとされています。


432Hzの音波で水面や細かい粒子の砂に紋様を描くと、他のどの周波数帯の音波よりも美しい図形が描けます。古代エジプトやギリシア音楽、北欧のケルト音楽、インドの楽器シタールの基音周波数も432Hzです。元来、自然の鳥のさえずりや、風の音などを人間の声で再現したり演奏したのが音楽の始まりですから、自然の奏でる周波数に一番近いのが432Hzなのでしょう。人間の体の約70%を構成する水の周波数が432Hzであることも、我々がこの周波数を心地よく感じる所以なのでしょう。


現代科学は再検証可能で、誰の目にも客観視できる事実、五感や計測機器で観測できるものだけを頼りに発展してきました。目に見えず、耳に聴こえない、つまり万人の前で実証できないものは無視し、科学の枠組みから除外してきました。しかし、超可聴域の純正律のように、我々の生体に確実に影響を及ぼす〝存在〟がこの世には実在するのです。宇宙を構成する要素の95%はダークマター、ダークエネルギーと呼ばれる感知できないもので、今の科学が認識できるものはわずか5%にすぎないのです。


我々が信奉している現代科学は、これまでこのわずか5%の物質だけにこだわりすぎていたのではないでしょうか。この宇宙には人間の目に見えず感知できないけれども、超新星爆発で噴出するエネルギーやブラックホールが放出する宇宙ジェット同様、大切な何かで満ち溢れているのです。サン・テグジュべリの「星の王子様」の言葉のように、いつだって「大切なものは目に見えない」のです。現代科学はそろそろ、その目に見えない〝実体〟を、科学的に捉える段階に来ているのではないでしょうか。


チリの小説家エンリケ・バリオス(Enrique Barrios)の小説「もどってきたアミ〜小さな宇宙人」の中に、次のような一節があります…
愛を手に入れるには、まず愛が感情ではなく〝存在〟であるということを知ること。
愛とは〝なにものか〟であり〝実在し生きている〟精神なのです。
だから、われわれの中で愛が目ざめると、われわれには幸福とすべてのものがもたらされるのです。


現代科学は、単なる感情としての愛ではなく、物理的に実在する〝存在としての愛〟を認識すべき時なのです。虫の知らせ、第六感、直観といった閃き、心の底から湧き上がる、か細くも力強い良心の声、思いやりやまごころ、憐れみや慈しみといった、人間がこれまで〝感情〟として片づけてきた、超感覚的領域に実在する生きた〝存在〟たちを、物理的に取り込まない限り、我々の科学はこの宇宙において、これ以上持続できないと思います。


我々人類に進化と発展、飛躍をもたらしてきた現代科学は、この大宇宙の95パーセントを占め、生命を宿す確固たる実在としての、偉大でかけがえのない、実体を伴う物質としての〝愛〟を取り込まない限り、人類はいずれこの大宇宙の構成要素から排除されるような気がします…
“And he said, Unto you it is given to know the mysteries of the kingdom of God: but to others in parables; that seeing they might not see, and hearing they might not understand.”
Luke 8:10 King James Version (KJV)

↑純正律を奏でる楽器ライアーの音色

↑ENYAの純正律で美しいハーモニー

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