令和4年のGO ACTION〜第五回・DOZING GREEN〜
はじめに
『潮崎豪vs丸藤正道』
経歴もスタイルも対照的だけど、通った部分は多い2人…。
私がこのカードを見て感じる印象だ。
旗揚げからNOAHに携わった丸藤と、退団を経てNOAHの象徴へと舞い戻った潮崎。
2020年8月にGHCヘビー級王座戦を賭けて激突した際には、潮崎の「I am NOAH」に対して「I am REAL NOAH」を標榜したこともあった。
そして、双方タイプは異なるものの、凄まじい破壊力を誇る一線級のチョップ。
2021年の潮崎長期欠場中は、GHCヘビー級王座やGHCタッグ王座を戴冠するなど、個人的に、今回の4番勝負のメンバーで最も「NOAHの最前線で戦ってきた」選手が丸藤だと思っている。
直近では潮崎が3連勝しているものの、私の中では「潮崎がシングルで中々勝てなかった天敵」いう印象も未だ強い丸藤。
そんな”天敵”が、再び潮崎に牙を剥く瞬間が訪れた…。
2022.2.10『潮崎豪vs丸藤正道』
後楽園ホール3連戦の中日に組まれた、4番勝負の第3戦・『潮崎vs丸藤』。
タッグでは、双方強烈なチョップ合戦が鉄板のマッチアップも、意外なことにシングルは約1年半振り。
試合前日、Twitterで「腕を狙う」と宣言していた丸藤でしたが、結果として、腕攻めはあくまでも揺さぶり方の一つに過ぎなかった印象。
腕攻めにしても、潮崎の利き腕と逆の左腕を攻めて、強烈なチョップを放つ右腕の威力を削がなかった所は意外でした。
とはいえ、前日の田中将斗戦同様、潮崎が主導権を掌握しきれないポイントになってしまったのは痛かったか…。
試合中、「シオ!シオ!」と潮崎を呼びながら攻めていく丸藤に、冷静さと余裕を感じつつも、「潮崎との対戦を望んでいたのは、他ならぬ丸藤だったのかもしれない」と思ってしまったり…。
強烈なチョップ合戦も、シングルマッチというシチュエーションで、より濃密な内容に。
試合後、ズタズタに引き裂かれた2人の胸板が、激闘を色濃く物語っているかのようでした…。
潮崎がエメラルドフロウジョン、丸藤が武藤敬司のシャイニングウィザードを放つなど、この二人の関係性だからこそと言えそうな、珍しい技も。
そんな、フィニッシュ級の技が飛び交っていた試合だからこそ、試合の決着が【全体重を乗せた丸藤の丸め込み】という所が予想外!
魔術師のような試合運びで潮崎を圧倒していった丸藤。
年始から幕を開けた潮崎のシングルで、潮崎に一番キツい現実を突きつけたのが"天敵"・丸藤という因果…。
そう考えると、丸藤に対して恐ろしさを抱いてしまったり。
ひええええ…。
まとめ
試合後、呆気ない幕切れに動揺を隠せない様子の潮崎。
敗れても目は死んでいなかったものの、前回までと異なり、退場時に何かを逡巡するような表情を浮かべていたのが印象的でした。
直訴した4番勝負で3連敗…。
しかし、落ち込む暇も無いまま、遂に4番勝負は最終戦へ。
60分フルタイムドローの激闘以来、シングルで約1年半振りの邂逅が実現するのでした…。
~続~
※関連記事はコチラ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?