プヲタが本を読んだなら~第3回・『女の答えはリングにある』~
先日、『女の答えはリングにある』(著:尾崎ムギ子)を読了しました。
『最強レスラー数珠つなぎ』の著者・尾崎ムギ子による新作は、女子プロレスラー10選手のインタビューを中心にした女子プロレス本。
2022.4.14にリリースされた本ですが、発売5日前(4.9)、偶然にも神保町の三省堂書店に並んでいたのを見かけてしまい、即購入!
気づいたら、翌朝には本を読み終える位、のめり込んでしまいました…。
今回は、そんな『女の答えはリングにある』を読んだ感想文になります。
タッグチーム・【尾崎&黒田】が刻んだ軌跡
前作の『最強レスラー数珠つなぎ(以下:数珠つなぎ)』では、タイトルにもあるように、レスラーへのインタビューを通じて『最強のレスラーは誰か?』を問いつつ、著者自身のプライベートや苦悩もありのまま曝け出すという、異色のインタビュー本でした。
一方、今作では著者やレスラーのほかに、女性編集者の【黒田】が重要な役割を担っています。
『数珠つなぎ』出版後、約1年半もの間執筆業から遠ざかっていた著者に惚れ込み、著者と黒田の間で交わされる【noteでの往復書簡】。
それをキッカケにスタートする連載。
互いに不調の時期を乗り越えて完遂する本作。
本作は、いわば、『【尾崎&黒田】というタッグチームが刻んだ約1年にわたる軌跡の結晶』である。
読後に強く感じた思いです。
他のインタビューにはない、独自の着眼点
Web連載当初より感じていた事ですが、他のインタビュー記事では見られない切り口や着眼点が展開されるのも、本作の特徴。
大抵のインタビュー記事の場合、岩谷麻優なら『ひきこもり』、ジュリアなら『元キャバ嬢』など、選手のキャッチコピーでもある異色の経歴がフォーカスされていた印象。
ただ、本作では、岩谷ですと【受け身】、ジュリアですと【幼少期】といったように、他のインタビュー記事では見かけないような箇所が赤裸々に明かされていきます。
その傾向は後半部の書き下ろしインタビューでも発揮されており、『ハードコア・クイーン』の異名を持つDASH・チサコから見た【女子プロレスラーのデスマッチ参戦】に対する意見や、橋本千紘のプロレスデビューの経緯については必読。
書き下ろし箇所だけで損させない内容!
それは著者が女性だからではなく、【インタビュアーとしての抽斗を多く作ってきた証明】なのだと私は思いました。
そして、選手との共感力も高い。
個人的には、長与千種のインタビューが印象に残っています。
インタビューの長与の発言には、私自身賛同できる・唸る点とそうでない点もありましたが、その辺りの賛否も含めての"カリスマ性"なのだろうと感じた瞬間でした。
まとめ
尾崎ムギ子による新作インタビュー本。
Web連載当初は、女子プロレスというよりもスターダムに特化した印象を受けましたが、書き下ろし部分では[全女→GAEA JAPAN]の系譜を辿りながら【強さとは何か】を問うていく、『数珠つなぎ』から抜け出た展開も見られました。
そうした流れを見て、次回作は団体関係なしで著者による女子プロインタビューを見たいと実感。
なので、「今こそ女子プロレス」の書籍化、全裸待機!
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