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令和4年のGO ACTION〜第六回・始まりの歌〜

はじめに

「俺はな、テメーが家でぐうたらしている間も、ノアのため、自分のために体を張ってやってきたんだよ。」

2021.11.28、拳王の怒りがバックステージで爆発した。


国立代々木競技場第2体育館で行われた、プロレスリング・ノアのビッグマッチ。


60分フルタイムの死闘を展開した、『中嶋勝彦vs拳王』のGHCヘビー級&GHCナショナル王座戦。

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試合後、中嶋が「拳王…」と話した瞬間に流れる『ENFONCER』の調べ。

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約8ヶ月振りに、公の場に姿を現した潮崎豪。

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そして、拳王の夢でもあった日本武道館大会メインへの挑戦表明。

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思えば、GHCヘビー級王座獲りも、日本武道館メインの舞台も、ダブルタイトルマッチでの邂逅も、拳王の夢の前には、常に潮崎豪の存在が立ちはだかった。


GHCヘビー&GHCナショナルのダブルタイトルマッチ以来、約1年半後に実現した『潮崎豪vs拳王』は、潮崎豪シングル4番勝負の最終戦。

その間に、拳王の悲願であった日本武道館大会が2度も開催され、潮崎も拳王も互いにベルトの価値を高めてきた、長いようであっという間の1年半である。

互いの現在地点を占う上でも、負けられない一戦が幕を開けた…。


2022.2.11『潮崎豪vs拳王』

後楽園3連戦最終日のメインを飾った、潮崎豪4番勝負の最終戦。

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拳王による左腕攻めはあったものの、全体的に「真っ向から打ち合う」展開に。

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3連戦中、一点集中攻撃から流れを制した田中将斗や丸藤正道と異なり、拳王からは【小細工なしで潮崎を正面突破する】姿勢をビシビシ感じました。

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拳王の容赦ない攻撃に耐えて、潮崎も反撃開始!

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ムーンサルトプレスで試合を決めにかかるも、拳王も剣山で迎撃…。

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側頭部へのハイキックで拳王が潮崎をダウンに追い込むと、最後はP.F.S.を連続で突き刺して3カウント奪取。

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試合を見終えてまず感じたのは、「2017年11月と景色が非常に似ている」という点でした。

2017年11月、『GLOBAL LEAGUE』優勝決定戦で拳王が潮崎に勝利した、あの当時と非常に良く似た景色…。


北側が(照明で潰された左右を除いて)ほぼ人で埋まっていた点や、試合が拳王のP.F.S.2連発で終わった所。

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何より、試合後に拳王が【日本武道館】というワードを用いて、クソヤロー共に誓いを立てた所。

「テメーらクソヤローどもに約束してやる。あいつに奪われた日本武道館のメイン、俺が必ず獲ってやるからな。今、潮崎に這い上がって来いって言ったけどな、俺も日本武道館のメインまで這い上がるからな。期待しててくれ!」



潮崎豪の4番勝負は、復活を期す潮崎にとって"始まりの歌"であり、拳王にとっても、日本武道館メインを目指す"始まりの歌"だったのである。

それを強く実感させられた最終戦でした。

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まとめ

1.27後楽園より始まった潮崎豪の4番勝負は、潮崎の4戦全敗で完走。

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若手選手がステップアップしていく「〇番勝負」の全敗とは異なり、2020年のプロレス界を代表した選手による再起戦の全敗は、明らかにダメージが大きいはず。

でも、不思議なもので、潮崎は寧ろ【この敗戦から格を上げている】ように私は感じたんですよね。

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悲壮感にしても、2021年に「わからないよ」と懊悩した清宮海斗のような、底知れぬ絶望のようなものは無し。

潮崎の場合、敗戦が人の胸を打つ所まで見事に昇華していたのです。

こういう選手ってプロレス界を見渡しても稀有だと思いますし、年始の中嶋戦からシングル6試合を見て、私の抱いた感想は確信へと変わっていきました。

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次、いつ潮崎がGHCの頂に辿り着くかなんて、今は未だ分かりません。

ひょっとしたら次の挑戦は上半期かもしれませんし、強豪ひしめく今のNOAHでは、挑戦まで1年以上遠ざかる事だって有り得る訳でして。

それでも、私から確実に言えることが一つだけ…。

次に潮崎が挑戦する時には、2020年の栄光も、2022年初頭の絶望も糧にした姿で立ってくれる。

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その期待感だけで、今は胸が高鳴っています!

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