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朝一、体内に沁み渡る"イノダコーヒー本店"

少し前に京都へ行った。泊まったホテルが三条だったので、朝に散歩ついでにイノダコーヒー本店に入った。
実は仕事場の近くの大丸東京店にもイノダコーヒーはあるのだが、コロナ前は買い物客で賑わっていたため、最後に利用したのは数年前である。

イノダコーヒーは創業1940年、職人によるこだわりの製造方法で、コーヒー消費量日本一である京都のコーヒー文化を牽引してきた。

1.店内空間もブレンドを構成する要素の一つ

店内は見渡しがよく、落ち着いた雰囲気の新館とレトロな照明や家具ご配置された旧館からなる。私は旧館を利用し、「コロンビアのエメラルド」をいただいた。旧館にはテラス席がありその先の庭を臨むことができる。コーヒーはコクがあって酸味も感じられる。そして店内の重厚な木目板、レンガ壁、サンルームのような多面的なガラス窓、それら目に見えるものも含めてコーヒーを味わいが完成する。

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2.通りに馴染み、地域に根強いている

建物は決して広くない通りに面し、外観は町屋造り。周囲の建物とスケール感が合っていて、本店と言っても通り過ぎてしまいそうな静かな佇まいだ。開店の7時に入ったが、おそらく常連客と思われる人々が、いつもの席でいつものメニューを注文し始めていた。

3.京都の気高さが守られている

ハイカラな雰囲気を好む京都では、文化人、大学関係者の社会場として喫茶店が発展していった。最近では、シアトル系、ロースター系、イタリア系?コーヒーも手軽に楽しむことができ、店舗デザインも独自の装飾がなされるものから、有名デザイナーによるミニマルな空間もある。そんな中、イノダコーヒーは決して店舗数も多くなく、「これがうちのスタイルです」というブレない軸が味にも空間にも感じられる。

何より感動的なのは、新館と旧館の間で飼われているインコの鳴き声をコーヒーを飲みながら楽しめる点。この鳴き声を聴きながら、今日一日どう過ごそうかと作戦を練る。


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