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子どもの頃の私がここにいた

知らずに好きになっていた事について語ります。

私は子どもの頃、世の中を斜めに見るような目つきをよくしていた。大人から微笑みかけられても笑えなかった。だいぶ前に十和田市現代美術館や青森県立美術館で奈良美智が描く女の子を見た時、強い既視感を感じた。どうしても放っておけず、小さな画を買って帰り、今でも自宅の玄関に飾っている。

1.表情に様々な感情を読み取ることができる
私のように大人の思い通りにはさせまいとする反抗的な表情と読み取る人もいれば、悲しみ、慈しみの表情と捉える人もいるだろう。人それぞれに感じ方が楽しめるのも魅力だ。

2.女の子を取り巻くシュールなシチュエーション
ぬいぐるみを踏んだり、引きずったり、なかなか描かれることのない残虐な光景。しかしながら気にも留めず佇む女の子のシュールなシチュエーションが何とも愛らしい。

3.幼少期特有の繊細な肌の質感
アクリル絵の具、色鉛筆、いくつかの技法が使われるが、赤みを帯びていたり、青みも残る幼少期特有の肌の様子がよく描かれている。それでいて目鼻立ちはなるべくシンプルに描き、複雑な表情を作り出している。

昔の自分を重ねて勝手に、どうしようもなく愛おしく感じてしまう。

もっと恐ろしいことに数年後に生まれた娘は、奈良美智が描く女の子と同じ表情をしている。


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