夢想国師を4歳児が堪能する"等持院"
大学時代のゼミの先生は京都出身で建築史が専門だった為、夢想国師について話を聞いたことがある。しかし、その頃は京都の庭園まで思いを馳せるまで人間として成長しておらずあまり気に留めることはなかった。
京都に行く機会があり、等持院を訪れた。
等持院は臨済宗の天龍派のお寺で、足利尊氏のお墓があることで有名。龍安寺の近くにあるが、観光寺院としてはややマイナーかもしれない。ただここの菩薩池がある庭園はすごい。また、足利家15代の将軍像が安置される霊光殿もあり、足利家ゆかりの寺院である。
1.庭園全体を一望できる程よいスケール
作庭した夢想国師は、足利尊氏が天龍寺を開山した際に迎えられている。禅庭、枯山水を完成させた人物とも言われ、他にも南禅院や西苔寺など有名な庭園を数多く作っている。それらの代表作と比べこちらの庭はこじんまりしている。書院からは庭園を一望する事が出来、池泉回遊式庭園の為、様々な角度から草木や石の配置が見られる。
2.4歳児も山水の思想を何となく感じとる
夢想国師は、庭を山水と呼称し自然界をぎゅっと凝縮したものと捉えている。またその自然は損得はなく、ありのままで揺るがないという思想だ。公園のじゃぶじゃぶ池くらいしか見たことない息子も座って庭を眺めるとなかなか立ち上がらなかった。
3.後の京都の庭園文化に影響を与える
門弟を多く育て、金閣寺や銀閣寺など人気の庭園も夢想国師の影響を大きく受けているそうだ。彼の庭は禅のわび、さびを体現し、寸法的なルールで括れない美の基準を作りだしている。
京都に行くと数多くの名所を廻るのに焦りと疲労を感じてしまうが、いつかこのお庭で一日中ぼーっとしながら過ごしてみたい。