【詩】再起の詩

Words Written by kentaro fujita c

乗っていた地下鉄が一旦停止した
緊急停止訓練だとアナウンスがあった
3月11日14時46分、
時は鎮まるかと想いながら黙祷を捧げる
頭が痺れ、胸が悼む、きっと同じ時刻から起きた
悲劇なんて夢でも見なかったことだろう
 
あれから、あの場所たちは再起したのだろうか?
年を追うごとに増えてゆく被災地と呼ぶ場所
風化させないでと叫ぶメディアが
不倫や失言なんて、数字になることを優先して
伝えない、日本は復興した気になって
事実とのギャップが生まれる
 
悲劇の中にあった、救えた命を今度こそ
無駄な死としないために、僕たちができること
被災後の事実を、知りたくない現実があっても
逃げ出さず、目を背けず向き合おうよ

本当の声は、伝わるのだろうか
僕たちが必要だと思っているのだろうか
ブームが去り、偽善者になりたくなる年末に
乗っかることが救うことなのかもしれないけれど
共有された日の出の写真をジャグると
毎日ある夜明けが、特別な感情を持つ
 
これまでの人生を過ごした場所が
放射能で汚染され、戻ることもできなくなった人たち
風評被害の末、いじめられた子供たち
若くして、癌を患ってしまったり
きっと他人事のように、
汚染され住めない場所に、どうしてこだわるのか?と
目に見えない普通じゃないことを非表示にする
 
絆って何だろう
がんばれってどうして
助け合う気持ちや、想いを共有することが全てですか?
むしばむ、売名や名声、結局ビジネスか名誉だ
そんな絆なら要らない
でも、現実を見ずに批評な理屈で傷つけたくない
なら僕に何ができる?
 
本音なんてもう誰にも打ち明けはしない
裏切られた傷を繰り返したくないのだろう
立ち向かうことを諦めさせた
何度も、何度も、チャレンジしてきた
まだ必要なのか?金が欲しいだけではないか?と
罵られながら、僕たちはもう
同じ想いを繰り返してほしくないと願うだけなのに
 
きっと、地下鉄が再発進したら、
また、この日までの1年間忘れてしまうのだろう?
きっと、メディアも目の前にある駅も、僕だって
あの日が無かったように、暮らすだろう
 
だから、この再起の詩を捧ぐ
何ができるかを考える機会を増やすために

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