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映画にまつわるエトセトラ


東京は雨が降っています。
今日は、結構荒れるそうです。


雨の日は子どもの頃を思い出すって、小説に書いてあるのを読んだ記憶があります。

たしかに朝から薄暗い雨の日って、すこし懐かしい気がします。

ということで、
突然ですがちょっと私的なことを書いてみようかと思います。


noteは今年の3月から書き始めました。
何となく映画を観た感想とか、考えたことを留めておく為に書いておこう。くらいの感じでした。

とはいえ、新作映画情報を必ずチェックして、気になる映画は映画館で観るというほどの映画通では全くありません。


それでも、こうして映画のことを書き留めておこうと思った理由を説明するために、子どもの頃から振り返ってみようと思います。


子どもの頃の映画館に行く日、我が家は朝から大忙しでした。
朝食を食べ終わったら、お洒落して、忘れ物がないか確認しあいます。
というのも、自分には姉、弟、妹がいて4人兄弟。
それに加えて、春休みとか夏休みには叔母(母の妹)と従兄弟2人もいたので、最大6人という大所帯だったんですよね。。
『ホーム・アローン』の旅行前のバタバタするシーンには、既視感があります。

そうしてやっと、ワンマンのディーゼル車(一両編成・単線)に乗って1時間かけて街に出かけます。
一応JR線ですが、3時間に1本くらいのペースでしか電車(というか汽車?)が来ないので、乗り過ごせないという緊迫感が凄くて、毎回母がキレそうになっていました。笑
(因みに、本数は今もほぼ同じです。)

映画館で2時間ほどの魔法の時間が過ぎると、
恐らく当時は県内唯一だったミスタードーナツでドーナツを食べて、また1時間かけて帰ってくるという感じで、映画館に行くことが1日がかりの大イベントでした。

もし、『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいに映画館で映画を観ることが生活の一部になっている子ども時代が送れていたら、自分は映画監督になっていたかも知れないのに。。とまではさすがに思いませんが、羨ましくは思います。


気軽に映画館に行けない環境だったからこそ、映画館で観た『ネバーエンディング・ストーリー』やディズニーアニメ『コルドロン』は、未だに我が家では特別な映画です。
(『コルドロン』を知っている人ってどのくらいいるでしょう。
今のところ知ってる人に会ったことないです。)


その後は、殆ど映画館に行けなかったので、ジブリ作品も手塚治虫の『火の鳥』のアニメもすべてテレビ放送で観ました。
なので、テレビは偉大だと思っています。

中学生になった頃に、近所の本屋さんがレンタルビデオ屋さんを始めたので、洋画も観るようになり、『ボーイズ・ライフ』や『ギルバート・グレイプ』でレオナルド・ディカプリオとジョニー・デップを知り、その後の流れでウィノナ・ライダーにはまって、、みたいな感じでどんどん世界が広がっていきました。

その後進んだ大学は京都だったので、映画館に行こうと思えば行ける環境になりました。
ただ、森達也監督の『A』の話で盛り上がるゼミだったり、好きな映画を聞いても知ってるタイトルが出てくることがほぼないような、尖った学生が多い大学だったので、TSUTAYA通いを始めます。

学生時代に通ったTSUTAYAは、田舎のレンタルビデオ屋さん(本当は本屋さん)とは比べ物にならないくらい商品が多いし、スタッフ手書きのPOPも好きでした。
(いまも好きです)

それに加えて、大学のゼミでは『アンダルシアの犬』や『去年マリエンバートで』のようなアーティスティックな映画も知り、ちょっとだけ映画の世界の深さにも触れます。
こうして、少し映画遍歴にバランスが加わったような気がしています。

大学卒業後した頃は、就職氷河期だったのでフリーターになって、ちょうどオープンを控えていたシネコンでアルバイトとして働きはじめました。

オープニングスタッフだったので、事前研修が2日間あったりして、スタッフ間の距離がかなり近づいた状態で仕事がスタートしました。
アルバイトスタッフのほとんどは大学生だったこともあり、ほぼサークルのノリでした。
マネージャーや支配人・副支配人とも仲良くて、とにかく仕事が楽しかった記憶しかありません。

オープン前から、館内に入って準備もしてきたし、映画館の近くの駅でチラシを配ったり、近所の幼稚園に行って着ぐるみを着て宣伝したりもしていたので、オープンを迎えた時には感動してしまうほど、思い入れが強くなってしまいました。
それまで映画館にさほど縁がなかったのに、ほぼ毎日通っていたら、映画館に着くたびにワクワクして、ポップコーンの匂いがすれば幸せな気持ちになるのが当たり前になってしまいました。
それは、いまでも変わりません。

約1年だけのアルバイトでしたが、学ぶことも多く、そこで築いた人間関係がその後も続いたりしたのも、多分映画館という特別な空間で繋がっていたからだと思います。


映画の魔法って、
自分にとっては、昔観た映画をもう一度観るとその時の記憶が一緒に甦るところにあります。
どこの映画館で観たのか、誰と観たのか、どんな気持ちで観てたのか、とか。。
その時着ていた自分の服とかまで憶えていたり。

子どもの頃に映画館で観た映画も、大学の教室で分かったふりをして観ていた高尚な映画も、アルバイト終わりに友達とタダで観てた映画も、大人になって今観る映画も、すべて特別な思い出とセットになってしまわれていきます。
それを、残しておきたいなと思ったのが、noteを始めた理由です。


きっと、そんなに大したことは書けませんが、誰かにとっての大事な思い出とリンクする奇跡があったらいいなという期待を込めて、今後も書いていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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